おもとの育て方 8月 岡崎市

万 年青 夏 岡崎市 豊明園 8月の栽培管理

 

気温と地域で変わる休眠期・水やり

気温と地域 休眠期との関係

暑い地域 最低気温が25℃以上

8月は暑さが一番強く、また長く続く月です。太平洋側でも特に暑い場所では8月は常に最高気温35℃以上、最低気温も25℃から下がらない地域もあるでしょう。このような地域ではほとんどの万年青が夏の休眠期に入ってしまい、葉や根の生長を止めてしまいます。生長せずに呼吸だけをしている状態なので、水も生長期と比べると頻度が少なく、肥料も切ってしまう方がほとんど。盆栽では真夏は朝晩水をかけて、という方もいらっしゃるようですが、万年青は休眠期に入っているので水をやっても吸い上げず、蒸れ、水のやり過ぎによる根腐れの原因になってしまいます。

ここで注意しているのが、真夏でも元気のよいもの、若いものは生長を止めない鉢があること。休眠期に入っている鉢とまだ生長している鉢では水の乾きがかなり違ってくるので、どちらに合わせるのかが肝。休眠期に合わせると水が少なく生長を止めてしまいますし、生長期の鉢に合わせると休眠期は秋の植え替えの際には根はかなり腐っているでしょう。一鉢づつ水やりができればベストですが、生長しているものを揃えてそちらだけは水の乾きを丁寧に見ていくことがいいのではないでしょうか。

 

涼しい地域

逆に、昼間は同じように暑くなっても、夜間はエアコンを入れなくても大丈夫という地域もあると思います。そういった地域では夜間の気温が万年青の生長期のベストな気温になっています。生長しているうちは夕方しっかりと水やりをして、根、葉の生長を止めないようにしましょう。そういった地域ではついつい肥料が多くなりがちで、肥料で根を傷めることがあります。昼間はかなり暑くなるようでしたら、肥料も控えめにしていった方が安全です。

 

休眠期と温度、湿度

気象庁の過去の気象データから、東京8月の日の最低気温24.18℃最高気温31.56℃、平均気温は27.34℃(2015-2019の5年平均)、暑いときは、最高気温が1995年33.7℃、2010年33.5℃のような特に暑い年もありました。また、湿度は79.2%と80%の湿度があります。

岡崎では、

降水量
(mm)
平均気温
(℃)
日最高気温
(℃)
日最低気温
(℃)
平均風速
(m/s)
日照時間
(時間)
128.1 27.0 32.3 23.0 1.5 206.4

 

私たちの外棚、温室では風が止まるときがあり、そんな時は40℃にもなるほど高温になり、おもとより先に人が参ってしまいます。また、湿度も100%近い過ごしにくい日が多くなります。

万年青は、経験則になりますが、気温が30℃を超えだすと、かつ、湿度が85%を超えてくるとだんだんと休眠期に入るような気がしています。気温が高くても湿度が低かったり(冬、春の乾燥した日の日差しの強い日)、湿度が高くても気温は低い梅雨のようなときは万年青は動きやすいです。高温と多湿の両方揃うことで、万年青は休眠期に入るようです。また、最低気温が25℃以上の日が続くと万年青にもよくないように感じます。

生長していない、休眠期に入ったと思ったら、まず水やりを控えめにしてください。

 

8月3日 日差し、よしづで調整しています。

気温が上昇して、真夏日や熱帯夜になりますと、オモトは成育が停滞して、休眠状態になります。この時期はできるだけ涼しい環境にして管理します。

 

8/20からの気候の変化

ここから、真夏のただ暑い時期から、秋へ変化していきます。8/20前後を境に、だんだんと根の吸い上げもよくなり、新根、根毛も活発になり、乾きがよくなります。この時期から乾かせすぎると新根の動き、根の動きが悪くなるので気をつけます。

病虫害も、季節の変わり目で出始めます。まだ目に見えて変化、被害はありませんが、ここで消毒をしておかないと、9月に大きな被害になるので、殺菌剤、殺虫剤をしておきます。

 

潅水

8月24日 オモトの抜き水、鉢底から水がでるまで。

夕方の潅水になります。月の前半は渇き気味にして管理します。15日をすぎると少し気候がかわり渇き具合が早くなります。

40℃を超えるような真夏の水やり 実際

暑さ、日差しが最高潮の8月。2020年の8月はとんでもない暑さで、お盆前後は外気温が40℃という日が1週間ほど続いています。そんな時の私たちの水やりは実際どうなのか?についてお答えします。

温室の水やり

2020.8.15時点で、温室内は約2日から3日空けて、水やりをしています。8/1にワラ灰の灰汁水、ここは5日ほどあけて、8/7にスーパー1とマルチケーミンの混合液で、両方1万倍ほど薄めたものをやり、2日あけて8/10にワラ灰、3日空けて、8/14にまたワラ灰をかけています。

外棚の水やり

外棚は風が温室内より通るので、涼しいとき、雨や曇りのとき以外は1~2日ほどの間隔でやっています。8/1にワラ灰、1日空けて8/3にワラ灰、2日空けて8/6に井戸水、2日空けて、8/9に井戸水、ここから特に暑くなり、1日空けて、8/11振り水といって、葉や表面を湿らす程度の軽い水やりをして、しっかりした水やりを一日伸ばして、8/12に竹酢液の1万倍、8/13に振り水をして、8/14にワラ灰をしています。

どんなことを考えて水やりをするかしないかを決めているのか

万年青の水やりの基本は、良く乾いたら水をやる、です。あげた水がまだ残っているようならやらない方がいいですし、その日の昼間に水切れが起きるなら朝や前日の夕方に水やりをした方がよいですね。

万年青の豊明園では、大鉢の20㎝を超える鉢の、7~8号鉢の大葉、実親から、7㎝ほどのティーカップより小さい2.5号の鉢までそれぞれです。水切れで葉がフニャフニャになってはいけないので、良く乾くものをみて水やりをして、大きな鉢は水やりを飛ばしたり、鉢の用土をより乾くものにして、水やりのタイミングをみています。

水やりと気温、湿度

私たちの8月の水やりの間隔を見ていただくと、暑さで人間は水をやりたくなるのですが、外気温が40℃になっても数日あけて水やりをしているのが分かると思います。特に私たち愛知県岡崎市が湿度も高く、そのために水やりの間隔も遠くしています。日本の多くの場所では、この高温多湿の多湿になるので、水のやりすぎに注意します。

水やりと根落ち、芋

水やりはなるべく夏は辛く、水を少なくしていった方が秋の植え替えの際、根落ちが少ないので、干からびないように、また、しょうがのような芋に栄養と水も貯蔵できることを考えて水やりをしています。

40℃にもなる真夏の水やり まとめ

万年青の豊明園では、8月の暑い日でも、数日間隔をあけて水やりをしています。

自分のお棚の良く乾く万年青が、水切れでフニャフニャにならないように、水やりをしています。

温度は高いですが、湿度も高いので、水やりの間隔をあけています。

万年青は芋に水分も貯蔵しているので、乾きに強いです。

●動画解説【万年青の育て方】40℃になる真夏の水やり 豊明園の場合

【万年青の豊明園】【How to water OMOTO when it is hot 40°C】40℃はトラブルです。水やりは控えましょう

 

 

夕方の水やり

暑い時期では、朝の水やりの水が、昼間の日差しで暖まり、鉢の中が煮えてしまうことがあります。そんな場合は、早朝の5時ぐらいに水をやり、日が強くなる8時までには水がしっかりと切れているようにしたり、夕方に水をやって、逆に鉢の温度をさげてやることもよいと思います。

雨をあてるか?

8月の雨で、どしゃ降り、大雨、長雨は少しは万年青に当てますが、あとはビニールを引いて、長く雨に当てすぎないようにします。小雨でしたら、一日中当てることもあります。

雨はしっかりと鉢の中の水、空気が入れ替わるので、私たちは大切にしています。

採光

8月12日 よしづやダイオネットで遮光

日光は朝のうちほんのひとときだけあたるようにし午前8時頃までにはよしづやダイオネットなどて日覆いをします。日差しの強い場合は2重にする場合もあります。

逆に、冷夏や雨がちの夏では、日を良く採ってやりましょう。そんな年では万年青は日照不足になり、徒長の原因になってしまいます。

8月25日 福の光(ふくのひかり)採光の仕方で柄の出方がかわる。

通風

8月13日 ダイオネットで遮光、窓を全開して通風をはかる。

強い日差しをさえぎっても、オモト棚に風が通らなくなってしまったのでは、なんにもなりません。遮光と相まって、通風の効果が上がるように配慮し、真夏を涼しくしてやります。

施肥

アク水 ワラ灰

夕方の潅水時に灰汁水を混ぜてやります。月4回程度行います。

液肥、微量要素、竹酢液

極々薄い2万倍ほどの液肥・スーパー1や、微量要素のマルチケーミン、竹酢液も月に2度ほど行います。

液肥はその年の気候によって回数を減らしたり、増やしたりします。濃度は薄いままです。

オモト病害虫の予防と駆除

8月25日 農薬散布。葉の表・裏側・前面に霧状に散布、付着させます。

高温多湿が、オモトにとって致命傷といわれる青にえ・芋腐りと根おちの原因になります。オモトの栽培棚を涼しくしてやることや、鉢を渇き気味にすること。また灰汁水を与えることが芋腐れや根おちをさせないためにのなによりの予防法です。

まず、薬で抑えるより、健康的につくることで、健全に生長。肥料が多い、水が多すぎる、と夏の暑さや病気に弱くなってしまいます。

 

下葉の変化

8月

8月14日 下葉の葉色ががわる、新根が出て葉を破っているため赤く葉が変わります。

 

 

8月10日 芋吹き、元気よく新根が伸びています、砂から持ち上がってしまいました。植え替えして直します。

 

万年青の実

8月11日 BO10 実が大きくなり、実にも縞柄がわかります。

8月28日 種が膨らみ、皮が破れる。日照が強いと表皮が堅くなりその時、雨などがふり湿度が高まると、中の種が膨らみ皮が破れます。8月中頃から雨に当てないようにすると防げます。

 

実生について

8月24日 千代田実生 柄がよくわかります。

 

8月27日 実生、はきり分かるようになり選別します。

 

おもとの生長

8月12日 元気にしています。白い粒はカリ分の補給

8月26日 雨上がり

 

植え替えについて

植え替えのベストな時期は春と秋の生長期の少し前です。

なぜ少し前かというと、植え替えをすると万年青が新しい用土に慣れるまでに時間がかかり、その分、生長を止めてしまします。

8月はさすがに早すぎるので一般のお客様にはおススメしていません。秋の植え替えなら、9月の彼岸か、最近の暑さを考慮して10月ごろがよいでしょう。

豊明園では万年青の数が多いので8月終わりから秋の植え替えを始めます。植え替えの刺激で秋の新根が降り始め、下葉が非常に落ちやすくなります。その代わり、9-10月の秋の生長期には根も十分あるので、生長もしっかりとします。

植え替えは、美術木で葉数のあるものは展示会の直前、数日~1週間前がベスト。

若木など新根が降りやすく、また、多少葉が落ちたところですぐに新しい葉がでてくるものでは生長期に入るところか、少し前に植え替えしてもよいです。ですが、一番安心で、安全策なのは春、秋の生長期。

 

冷夏の場合

私たち万年青の豊明園の愛知県岡崎市では、夏は9割は暑さと湿度、風が止まることへの対応ですが、極まれに冷夏も訪れます。そんなときはまず日照も足りないので、日よけのタイミングも変わってきます。よく日に当て、健康的に育てること。また、肥料も涼しいのでやりたくなると思いますが、やりすぎず、ごく薄い1万倍以上の肥料を、日の良く出た日に。もしかすると、夕方の水やりにしなくても朝の水やりで対応できてしまうかもしれません。普段は万年青の休眠期を気をつけますが、夏中生長する場合は、水を切らさないようにしましょう。風が通るようなら、扇風機なども無駄になります。

いきなりガラっといつもの暑さに戻るといけないので、肥料のやり過ぎは気をつけましょう。

 

8月の万年青の育て方 注意点

7月に同じ。 万年青の育て方 7月 おもとの採光・水やり・通風

ホースの水、薬害、肥料のやり過ぎ。この8月の注意点に書いてない注意したいことも書いてあります。

8月の育て方で、失敗するもとは、夏の暑さ、直射日光の強さと気温の高さという環境です。

夏の暑さ ホースの水、鉢の中の水

夏の暑さで、ホースの水が熱くなっていて、それを万年青にかけて傷めてしまう、また、万年青にかけた水が熱い日差し、高い気温で鉢の中で高温になってしまい、鉢が煮えてしまうことがあります。

ホースの水は、水やりをする前にしっかりと水を出して、冷えた水になっているのを確認することで、問題ありません。

水やりの水が鉢にたまり、その水が煮えてしまうのを避けるために、暑い昼間や、その前に水をやるのは控えます。本当の早朝5時や、夕方、夜に水やりをして、日差し、直射日光が当たる前に水がしっかりと切れているようにしましょう。ここでしっかりと水が切れているというのは、カラカラに乾燥させる、という意味ではなく、適度な水の量、という意味です。

液肥、薬剤は使い切る

極々薄い液肥などをやられる方は、温度の高さですぐに腐っていきます。傷んだ水を上げるとやはり万年青によくないので、液肥は使い切って、きれいに洗います。また、農薬、他のものも、夏場は特に使い切り、清潔にすることを心がけます。盲点なのは、ホースの中に液肥などが残っていること。液肥をやったホースは、綺麗な水で流しておきましょう。じょうろなども同じ。

芯の水

同じく、水やりに関わることですが、万年青によっては、水をやったあとに、葉の芯に水がたまるものがあります。そういったものでは、夏の暑さで芯の水が熱くなり、新芽が傷む、病気になることがあります。水をやったあとに芯の水を筆やティッシュペーパーで取り除くことや、水やりの時に葉や、芯に水がたまらないように鉢の用土にだけかけることで防げます。水やりの時の注意点の他にも、強い直射日光が芯に当たるのを防ぐために遮光をする、建物の陰におく、風を通して、涼しい場所にすることもお勧めです。

また、芯に溜まるのが、水以外にも、液肥、薬剤などがあるので特に注意します。

夏の植え替えのしにくさが、手遅れになることも

この時期は、何か変だな、と思っても植え替えしにくいのも難点の一つです。春や秋なら、何かおかしいと思ったときにすぐに植え替えをして、芋根、用土の状態も調べることができます。夏場がそれが躊躇してしまいます。何も状態が悪くなく、ただ葉が黄色くなっているだけで植え替えをして、下葉がもっと葉が落ちる、ということを避けるためですが、ここは直観に従って、おかしいと思ったら植え替えや、根芋のチェックをして、調べることをお勧めします。調べてみて、結局状態がよいなら、その万年青が数枚、葉を落とすだけで自分の経験になります。やはり水が多くて根が傷んでいるなど原因が分かれば、それからの水やり、環境などを変えて、よくすることができます。

 

8月の育て方 注意点のまとめ

・ホースの水をしっかり確認すること

・直射日光や日が強くなる前に、鉢の水がきちんと切れていること

・液肥、薬剤は使ったら、使い切る事

・葉の芯に溜まった水、液肥、薬剤に注意すること

・夏場の植え替えは、葉が数枚落ちるリスクと天秤にかけて、大事になる前に躊躇なくすること。

 

●動画解説 【万年青の育て方】8月の注意点 ホースの水、芯の水、調子が悪いときの植え替え

【万年青の豊明園】【Points of OMOTO in August】

 

●動画解説 【万年青の育て方】8月の管理の基本 植え替えは×、万年青の休眠期、8/20 日よけ、病害虫、冷夏

【万年青の豊明園】【How to Grow OMOTO in August】

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