万年青の本
『伝統園芸 おもとを楽しむ』
初心者から上級者まで 栽培12か月と人気品種
AB版 192頁 令和4年(2022)3月25日発売
徳川家康公が愛した万年青は、今、アメリカやヨーロッパ、アジアでも愛されるようになってきました。世界中どこでも楽しめる丈夫さ、耐陰性や耐寒性と、江戸時代から先人が選別してきた姿かたちの面白さ、希少性は他に類がありません。
この本では、初心者さんが最初に知りたい万年青独特の用語や植え替え、株分け、月ごとの栽培暦、基本の品種と、中上級者でも楽しめる半歩上の作のコツを紹介しています。天下人も愛した万年青の魅力を是非一緒に楽しみましょう。
『伝統園芸 おもとを楽しむ』 定価2500円+税
P17 基本の栽培と栽培暦 万年青を育てる時の1年のだいたいのイメージをつかんでもらえたら。生長期にすること、休眠期にしてはいけないことがわかります。
万年青は日本の四季に合わせて生長と休眠を繰り返します。その生長と休眠に合わせて、水やり、日当たり、肥料、消毒などの栽培暦、月ごとの管理を紹介しました。私たちが実際に育てている愛知県岡崎市を中心に解説していますが、私たちのお棚の中でも東と西で環境や育てやすさは大きく変わりますので、ご自分の地域に合わせて参考にしてください。
P28 2月の管理 月ごとの管理は2ページづつ、その月の注意点が書いてあります。
万年青を育てる際の必須作業【植え替え、株分け、芋吹き、交配、種まき】では一工程づつ写真付きで解説しています。万年青を育てる上でよく聞かれる質問や、半歩上手につくるコツもコラムにしました。
P76-77 今後100年残る万年青を大きく取り上げました。この楊貴妃ですと砂子が特徴なので、同じ特徴のもので紹介したり、歴史や人など今までの万年青の本とはちょっと違った切り口で万年青の品種を紹介しました。また、前回好評だったその品種の特徴を小窓の写真でピックアップして、できるだけ初心者でも品種の鑑定がしやすいことを目指しました。
万年青は初心者でも交配ができ、千種以上あるといわれています。その中で特に時代に左右されない、これから100年後も一線で楽しまれる万年青を愛される理由と共に紹介しました。どれもが個性が光る、最高の万年青です。また、品種の特徴をアップにしてより分かりやすい、初心者でも品種鑑定ができることを目指しました。古くは秘中の秘であった交配親も紹介することで、皆さまと万年青の新品種をつくっていきたいです。
P184 楽鉢の楽しみ 萬年青は殿様が楽しんだ娯楽、ということで鉢に凝る方もいらっしゃいます。きらびやかな錦鉢や、江戸時代、明治時代を思わせる古鉢、また、よりよいおもとを作りたい人にとっても楽焼の通気性は根を楽にさせてくれます。講釈は抜きにしても、その美しい鉢の世界を楽しんでみてください。
P2-3 もくじ 万年青の基本は変わらないので、前回の『始めよう伝統園芸おもと』と同じ記事もあります(品種は極力写真を新しくするよう努めました)。国宝・石清水八幡宮の400年前の万年青彫刻、12か月それぞれのおもとの管理、この10年ではやってきた病気の対処、作り方のコツ、前回の倍以上の品種に特に力を入れてこの本をつくりました。
前回の『始めよう伝統園芸おもと』から約100品種多く掲載し、261品種を紹介しています。まだどの本にも載っていない最新の品種や、江戸時代の古い品種まで、この本でしか紹介していない品種もたくさん!