肥料について  肥料の時期 肥料と用土、水遣り、化学肥料 pH

 

 

 

 

新生殿(しんせいでん)

鉢の手前にみえるのが肥料です。置き肥え 玉肥

万年青の肥料と時期

秋肥え、寒肥え、肥料

おもとは他の植物と比べて年に出る葉数が1~4枚ほど、つまり肥料はとても少なくても育つ植物です。ゆっくり成長し、長く生きます。肥料を多くやったところで葉数が倍になる事はありませんが、葉は大きくなります。肥料焼けや肥料傷みもあります。逆に、少なければ葉数は少なく、小さくなってしまいます。

最初は安全に少なく、少なくやっていた肥料も、生長が、やはりゆっくりなので、少しづつ多くなっていくのは自然なことです。傷まないぎりぎりのところまで肥料をやれればいいですが、毎年気候は違って、暑過ぎたり、雨が多過ぎたりすると、ぎりぎりの肥料では悪影響がある事も。昔から言われていることですが、肥料も8分目。上作者は7分、6分を信条にしている人も。

天光冠(てんこうかん)1個づつ置きます。

肥料の一番の時期

肥料の一番の時期は梅の咲くころ、桜の咲くころ。愛知県では2月、3~4月がいい時期です。たとえば、梅の時期に2個、桜の時期に3個です。1度に数を置くと強いことがありますので、2月に1個、15~20日ごとに1個づつ増やしていくのもいいでしょう。

大黒殿 5月8日
肥料は古典肥料の中を2個のせてあります。用土により効き方が違います。
肥料はおもとの前後におきます。

 

夏の肥料は危険です

最近は気温が上がり、夏が暑くなってきました。昭和の頃は梅雨前まで肥料をやっていましたが、今は5月に、下手をすると4月に30度になる日があります。暑い時、かつ、湿度の高い時に肥料を増やすのは傷む元なので、30度になる前には肥料を置き終えていたいです。そうなので、昔より肥料を早く置くようになりました。  また、肥料は約3週間で中の肥料成分は出てしまうので、梅、桜の時期に置いた肥料は、私どもは夏中置いたままです。

秋肥え、寒肥え

秋肥え、寒肥えといいますが、秋から冬に肥を置くことがあります。よほど強い肥料でなければ傷むことはないので、私どもも小さな置き肥料をやっています。様々な考えがあるので、一つの意見として私どもは化学肥料はなかなか難しいと思っています。有機肥料を主として、液肥も有機肥料をやっています。

私たち豊明園の肥料 液肥について

液肥も昔は100倍など濃い肥料を鉢の縁にやり、1時間後に水で流すようにして肥料をやったり、様々な方法で肥料をやりました。

私どもは3000倍~1万倍の肥料を梅の時期から1~3週間に1回やっています。薄い肥料を回数やる、濃い肥料で肥料あたりにならないように、と考えています。苔をのせると、肥料は効きやすいです

おもとの強さ

おもとに、強健品種や弱い、中ぐらいと書いてあります。これは、採光や肥料、水遣りで荒く扱っても大丈夫なものと、気持ち目を掛けてほしいものといった意味合いがあります。

特に強健品種では、肥料に強いというものがあります。丈夫な新生殿やお多福などは肥料にも強いので、そのお棚でぎりぎりの肥料の量をみるには新生殿やお多福に肥料をやって確かめます。

中~弱い品種では、採光も少し弱め、肥料もまずは最低線から安全にやっていけばよいでしょう。似た品種である程度分かっていれば、最低線以上でも大丈夫でしょう。

万年青の肥料と用土

肥料は、用土によっても効きが違います。苔があると肥料は染み出しやすいですし、赤玉や土けのある用土、保水、保肥のある用土では少ない肥料で良く効きます。土やプランターで大葉が大きくなってしまうのも、肥料をよく保つので、よく効いて大きくなっていきます。

私どもは川砂の矢作砂が半分、軽石のパミスが半分で、表面は富士砂です。川砂はほとんど肥料を持たず、パミスはもち、富士砂ももちはあまりよくないので肥料はあまり含みません。

水遣りが多い人も、肥料が良く溶けだし、肥料が良く効きます。春から夏にかけ多く水をやるのは水をほしがるだけでなく、水をやることで置き肥料も溶けださせて生長をそくします。

肥料の時期 肥料と用土、水遣り、 おもとの強さ

お客様の万年青
今年の葉に葉キズがなく良く出来ています。水管理、消毒の仕方、置き場所が良いと思います。
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根の状態
根が鉢の縁にそって沢山出ています。このように出来ていればいままでの用土で十分出来ます。
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●動画解説 【豊明園が使っている肥料 超発酵油かす おまかせ のメリットデメリット】東商さん 有機肥料

【万年青の豊明園】【How to Grow OMOTO 】Rohdea japonica

 

 

 

 

 

化学肥料のメリットデメリット

について、趣味の山野草で万年青の連載を14年、創業100年を超える万年青の専門店がお話します。

トピックは、

化学肥料で全滅!?、

有機肥料でも、化学肥料でも、量と濃度が大切、

お隣さんからにおいのクレーム!?

です。

 

2012年の私たちが執筆した「始めよう!万年青」では、化学肥料をオススメしていません。その理由と、もし使うならどうすべきか、化学肥料のメリットをお話します。

化学肥料で全滅!?

もう40年近く昔のお話ですが、油粕の有機肥料とワラ灰で育てる伝統的な育て方ではなく、化学肥料で万年青を育てて、全国大会に行くお棚が出てきました。肥料が良く効き、葉もしっかりとし、葉数も多く、少し大きいですが芸もあるので、その周りの趣味者さんも同じ化学肥料を使い始めました。2年目もよくでき、3年目もよくできましたが、その次の夏に全滅してしまいました。周りの趣味者さんも次の夏にはほぼ全滅してしまいました。

今までも肥料はいっぱいいっぱいだったのが、万年青がもう食べきれない、消化しきれない、となったのでしょう。

有機肥料でも、化学肥料でも、量と濃度が大切

この話が古くから伝わるので、化学肥料はダメだと言われることがあります。また、私たちも本を出版したときにはそう書いてあります。そこから試験を10年以上続け、この時の化学肥料は成分が濃すぎる、溶けやすすぎるためだったと考えています。

油粕などの有機肥料でも言えますが、万年青の欲しがる量や濃度以上を上げても、万年青にとっては毒です。

現在、化学肥料のレベルは上がっていて、1~2年、非常にゆっくりと栄養成分が溶けていくものがありますので、そちらは良いかと思います。(豊明園の実際に使っている肥料は基本的に有機肥料の油粕です。)

お隣さんからにおいのクレーム!?

私たちがなぜ化学肥料も試験しているのかというと、においが気にならないからです。マンションで育てている万年青愛好家さんは現在非常に多く、古くからの有機肥料ではお隣さんや上の階の方からクレームがきて肩身が狭い、といわれていました。また、室内でLEDなどで万年青を育てている方も多く、においを気にせず室内で万年青を育てたい、そんな方のために試験をしています。

化学肥料を適度なら問題ないので、肥料のにおいが気になる方は、量と濃度に気を付けながら、自己責任にて検討してみてください。

 

 

 

 

 

肥料の基本 肥料の成分

この記事を読めば、肥料の基本の成分を紹介するので、自分の万年青は肥料が足りているのか、色が悪いのは肥料が足りない、多すぎるせいなのかが分かります。肥料の成分と特にどこに効くのかを紹介しています。

 

トピックは

肥料の基本 肥料の成分

肥料の三大要素について  N 窒素  P リン酸  K カリ

中量要素 カルシウム Ca  マグネシウム Mg 硫黄 S

微量要素

私たち万年青の豊明園はどうしているのか

万年青の過剰・欠乏症状

です。

肥料の基本 肥料の成分

この動画を見れば、肥料の基本の成分を紹介するので、自分の万年青は肥料が足りているのか、色が悪いのは肥料が足りない、多すぎるせいなのかが分かります。肥料の成分と特にどこに効くのかを紹介しています。

肥料の三大要素 窒素リン酸カリ NPK について

肥料には、植物が一番必要とする多量要素と、ごく微量だがないと困る微量要素、その中間ほど必要な中量要素があります。

今回紹介する三大要素のNPKは、欠乏、量が少ないとすぐに生長に影響する一番大切な肥料です。万年青の欠乏、過剰症状の8-9割でこの3要素が関係しています。

N 窒素

窒素は、葉を大きくする、葉の色を濃くする【葉肥 はごえ】といいます。肥料といったら窒素、といわれるくらい一番欲しがる、一番大切な肥料ですが、多すぎると葉の色が本来より、より濃くなり、病害虫に弱くなります。人間でいうメタボなイメージでしょうか。逆に欠乏すると、生長は悪く、葉数が少なく、葉は小さく、葉色の薄く悪くなります。

P リン酸

リン酸は、開花、結実にもっとも効いてくる肥料で、【花肥 はなごえ 実肥 みごえ】とも呼ばれ、花を呼び寄せる肥料です。万年青の愛好家の多くは、葉を観賞しますが、お正月に赤い実をつけたい、交配で早く花をつけたい方にとって大切な肥料です。やはりしっかりとPが効いていると、花も1年は早く着くでしょう。

K カリ

根の発達を促進する【根肥 ねごえ】と言われています。万年青では特にワラ灰を溶かしたアク水をあげることで、K分の補給をしています。病気や寒さなど、全体の抵抗力を上げる効果があります。万年青の場合、過剰にあげすぎることで万年青が凝る、短い葉ばかりになっていい葉がでてこなくなる、ので、注意しなさいと言われることがありますが、あまり経験したことはありません。名作者さんでも毎日のようにワラ灰でK分を上げている方もいらっしゃいます。K分が少ないと、芋、葉も柔らかくなり、やはり病害虫の抵抗力が低くなります。

 

中量要素

カルシウム、マグネシウム、硫黄を中量要素を言っています。

カルシウム Ca

は人間でいうと骨ですが、植物の骨格ともいえる細胞壁で必要です。卵の殻や、カキの殻を砕いたものを万年青の鉢の上にのせる方がいらっしゃいますが、カルシウムの肥料なのですね。場所によってはナメクジよけにも使われます。問題は見た目だけです。

マグネシウム Mg

は光合成をする【葉緑素】に必要です。植物の中を再移動しやすい必須成分とも言われ、Mg欠乏 Mgが足りなくなると、古い葉から生長がこれからという新葉へ移動し、古葉の葉脈だけ緑で色の悪い葉ができます。

Mg欠乏の葉

硫黄 S

成長の基本要素で、S欠乏はN欠乏と同じで、古葉が黄色くなりやすくなります。

 

微量要素

ごくごく少量ですが、欠乏すると症状が出てきます。人間でいうビタミンのようなものでしょうか。これらは、マルチケーミンという微量要素に特化した肥料や、有機肥料を元にした肥料を上げることでほぼ問題ありません。有機肥料は油かす・魚粉・米ぬかなどが大元なので、これらの微量要素も含んでいます。

欠乏すると、葉色が悪くなる、生長障害がおこります。

鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素

 

 

私たち万年青の豊明園はどうしているのか

私たちの肥料は、基本は東商さんの超発酵油かす おまかせを梅の咲くころ、桜の咲くころに1鉢2粒づつおいています。こちらが油かす・魚粉・米ぬかを主原料にした有機肥料なのでほぼ賄えますが、

その他に、ワラ灰、微量要素のマルチケーミン、液肥のスーパー1をやっています。

ワラ灰 水やりで流亡 流れて無くなりやすいK分を補うためにワラ灰を月に2~4回 PH調整も兼ねています。

微量要素のマルチケーミン 植物のビタミンと思い、微量要素のマルチケーミンも上げています。1か月に2回前後でしょうか。これでよっぽど欠乏症状は出てきません。

液肥のスーパー1 万年青の豊明園のある愛知県岡崎市では、5月から30℃を超え、肥料が怖くなる時があります。そのため、5月以降は1万倍前後にして天気の良い日に適宜 液肥のスーパー1を上げています。

 

 

万年青の過剰・欠乏症状

1番良く見るのは肥料不足のN不足です。万年青の葉数が少ない、葉色が薄いときはまずN不足です。私たちの万年青の豊明園も、全体にはN不足の傾向にありますが、そのくらいの方が病気に強く、健康には育ちます。不足しすぎには気を付けてください。

2番目は、逆にN過剰です。万年青の葉が特に黒ずんだように色が濃いです。ただ色が濃いだけなら、葉数も多くなり、問題ありません。1歩進んで、病気に弱くなる、根芋が傷みやすいという症状が出始めたら、一度立ち止まって肥料を見直しましょう。日光を良くとることで、Nを消化することも大切です。

3番目はK不足でしょうか。K不足のため、根が健康的に伸びず、病害虫に弱く、根芋も傷みやすいです。

これだけいろいろと植物の必須元素のお話をしてきて、結局NとK!?と思うかもしれませんが、実際の万年青の生育不良、生育障害の8-9割はN不足、N過剰、K不足です。中量要素や微量要素が不足になることはありますが、実際の原因は特定はしにくく、基本のおまかせ、マルチケーミン、液肥と、ワラ灰によるPH調整をするのが一番の近道です。

是非、こういう症状が出て、こうしたら治った、もっと悪くなったという万年青の実際を深く知りたいので、もしそういった症状や、改善策をしっているよ、という方がいらっしゃれば教えてください。

 

 

 

生長が悪いのはpHのせい?

についてお話していきたいと思います。

トピックは、

pHって何?

phが違えば吸えない栄養がある?

油かすの有機肥料は酸性?解決方法はワラ灰?

まとめ

です。もしかすると、自分の万年青の生長が悪いのはpHのせいかもしれません。今回の記事で、pHと肥料の関係が分かります。

では、いってみましょう!

 

pHって何?

pH、ペーハー、というのは、H+ 水素イオンの量を現し、簡単に言えば、酸性、中性、アルカリ性か、ということです。

pH7は中性で、数字が小さくなると酸性になります。例えば、(コーヒーのブラックはpH5の弱酸性)、お酢はpH3,レモンの果汁はpH2、胃の中の胃酸や劇物の硫酸、塩酸はpH1になります。(酸性温泉で有名な草津温泉pH2や玉川温泉はpH1.2になります。)

逆に、アルカリ性をみると、石鹸水はpH10、家庭用の塩素系漂白剤やカビ取り剤などはpH13になります。

酸性が強ければ、レモンや御酢のように、文字通り酸っぱく、チクチクするような感じに。アルカリ性が強ければ、石鹸水のように、苦みがあり、触るとヌルヌルする、といったイメージです。

 

phが違えば吸えない栄養がある?

これは、1970年にBacmanさんたちが調べた、植物の栄養とpHの関係です。

Bacmanら 1970年

こちらを見ていただくと、pHが中性に近い6-7ですとほぼすべての栄養を植物は吸えますが、酸性に偏ったり、アルカリ性に偏ると吸えない栄養が出てきます。

例えば、pHが5の弱酸性になると、三大栄養素のN窒素Pリン酸Kカリや、次に必要なCaカルシウム Mgマグネシウムなども吸収しずらくなってしまいます。逆に、微量要素と呼ばれる金属系の栄養素、鉄、マンガン、亜鉛、銅は吸収しやすくなりますね。

また逆に、pHが8の弱アルカリ性に傾くと、Pリン酸や、Bホウ素などが吸収できずらく、特に金属系の微量要素 鉄、マンガン、亜鉛、銅は吸収が難しく、欠乏症が出てくるかもしれません。

このように、pHが弱酸性や弱アルカリ性に変化することで、万年青に必要な栄養が吸収できなくなります。

 

油かすの有機肥料は酸性?解決方法はワラ灰?

万年青によく使う油かすの肥料は、用土を酸性に傾けるので、どうしても三大栄養素のN窒素Pリン酸Kカリや、次に必要なCaカルシウム Mgマグネシウムが吸収しずらくなってしまいます。

ここで、江戸時代からの万年青愛好家の知恵の、ワラ灰を私たちは使っています。アルカリ、という言葉の語源もアラビア語の植物の灰という所から来ていますが、ワラ灰を溶かしたアク水を万年青にかけることで、Kカリ分と、酸性に傾いた用土を中性に戻す効果を期待しています。

 

アク水用ワラ灰10gセット 販売しています。いくつか量に種類あり

おもと わら灰 灰汁(アク)水について

 

 

まとめ

pHって何? 酸性、中性、アルカリ性の度合いです。

phが違えば吸えない栄養がある? 植物には、弱酸性になることで三大栄養素のN窒素Pリン酸Kカリが吸収しずらくなったり、弱アルカリ性になることで、Pリン酸や、Bホウ素、特に多くの金属系微量要素が吸収できなくなります。

油かすの有機肥料は酸性?解決方法はワラ灰?

油かすの有機肥料は用土を酸性にします。私たちはワラ灰を定期的にかけることで、酸性に傾きやすい用土を中性に戻すようにしています。

(Bacmanら 1970)

 

今回、phによって、植物が吸収しにくい栄養が
あることを紹介しました。
ワラ灰などでph調整を行うことで、
栄養も吸収しやすくなります。

もし万年青の生長が悪いな、と思ったら、
phにも一度目を向けても良いかもしれません。
万年青愛好家さんの参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

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