万年青の管理 

万年青のお棚 春から秋までの管理

おもと自作棚について 6月下旬の写真 
単管パイプを使った自作棚
上は人が頭がつかえないぐらい、よしづ一枚を引き、春から秋11月終わりごろまでそのまま雨よけはせず、雨にはそのまま当てます。
単管パイプならほとんど工具要らずで自作できます。棚の上と下で日の強さを加減したり、午後から建物の陰になるようにします。
少し広くなると、場所ごとに日の当たる長さも違ってくるので、
羅紗や縞甲、太陽などは強め、獅子は中間千代田、大葉は少し弱め
で薄い葉の焼きやすい物は気を付けます。おもとは強いので、なれれば千代田でも羅紗のとなりでも十分育ちます。
棚の中から日が良く射す、明るいお棚

愛玉殿も新生殿も大勲も、日が強いので覆輪はとても深い、もともと棚入れ時から覆輪の深い系統を選んで棚入れしているので、より作っていく楽しみがあります。
棚の横
横に板を引き、その上に金枠を下にもおもと、時間帯によっては棚下にもしっかりと日が射す。冬場、霜が降りるようになってから、
いわひばをこの下に入れ、ビニールを被せて冬眠させる。おもともそうしてもいいかもしれません。
素晴らしい太陽の深覆輪
ここまで深くなります。手前にのっているのは、ワラ灰の使ったあとの袋、もったいないので置いているそうですが、その下に根が良く集まっています。
桑炭の中にも良く根が入っていますが、カリ分を求めてでしょうか

ワラ灰

豊明園では特に、夏と冬のおもとが休眠する時期にあげています。
これから8月にかけてと、冬、12月から2月です。おもとの成長が止まっている時にやっています。芋が締まり、葉がしっかりとします。

液肥

成長期にやっています。今も天気の良い日に薄~い液肥をやっています。3000~8000倍です。夏場は濃いものや、遣りすぎはよくないので、濃さに気を付けます。

万年青の実の付け方

 

 

おもとの花

美しさはないが、面白い形。正月には赤い実に。

皆さん、おもとって知っていますか?

生け花をされる方ですと、おなじみかも知れませんが、お正月に赤い実をつけて観賞される、祝儀のお花です。

おもと 品種 (大象観)たいぞうかん

万年青の花芽

華道の漫画にも取り上げられたり。この植物、お庭で自然と育ち、実のつくものですが、たまに、全く実が付かないがどうすればいいですか、というご質問を受けます。一番簡単な方法をご紹介します。答えは、筆でなぞるだけ。

万年青の交配

筆でなぜているところ。
これだけで、実が付く確率はかなり高くなります。ちょうど梅雨前の今の時期、おしべから蜜がでて、花粉(おしべ)が鮮やかな黄色になって準備が整います。ここで、さささっと筆でなでればまず受粉します。自然の中では、虫がかってに受粉してくれますが、部屋の中では、虫もいないので、筆でぞってやるといいでしょう。できれば肥料も少しあげたほうでいいですね。

万年青の花

万年青の花芽(はなめ) 

つくしのようなものが、おもとの花です。何気なく見ていたら見落としてしまうような、“花”とはいえないようなシンプルな花です。

おもとの花

おもとは、小さな花がいくつも集まって出来ているのですが、
その一つ一つから蜜が出てきます。真ん中柱頭、雌しべ(グリーン色) 雄しべ(黄色)柱頭を囲んでいる6つの花粉、写真では5つの花粉が開き残りの1つはまだ白い状態。上の花を見ると柱頭から少し粘液が少し見えています。

おもとの花芽(はなめ)

キラリ、と光っているのが見えるでしょうか? この蜜が出ているときが交配ができる合図です。鼻を近づけると、独特の匂いがあると思います。今、(5月30日)うちでは温室に実親が集めてあるので、温室に入るとすぐ分かります。柱頭の中心に粘液(透明)が見えます。回りに6つの雄しべが取り囲んでいます。
この蜜の出ているとき、柔らかい筆でなでてやると、交配します。朝、よく蜜が出ていると思うので、蜜が出ているときに何日かなでてみてください。
できれば、他のおもとの花芽をなでて、やると、他の花粉が付くので交配はしやすくなります。
(自家交配、近親交配より他の種類の方が受粉し易い)

万年青の花粉

おしべも白っぽいおしべから黄色くなってきて、花粉が見えると思います。
それを交配したいメス木へつけてやります。

おもとの花粉

黄緑色の雄しべを根元で切り取った写真で、
左側、2つのクリーム色の花粉袋「葯」が付いています。一つの花粉袋の真ん中に割れ目があるのが分かりますでしょうか?
右側、熟すとそこから裂けて中の花粉(右)が開きます。

おもとの根

おもとの植え替え

芋吹き 1年生   双吹き 芋吹きで芋の両側から二つの芽が出る事。奴吹きとも この木は砂吹かしで吹きあがる、新根の勢いも良い。

 

愛玉殿・国宝錦の吹き1年生
愛玉殿(あいぎょくでん)  1年生 奴吹き
左の「愛玉殿」は古根と新根が元気にしています。右の「愛玉殿」は古根が死んでいます。枯死した根っ子があると水の渇きが悪くなります。
 愛玉殿(あいぎょくでん)  1年生 奴吹き
生きた根っ子だけ残してあとは、枯死した根っ子を整理(取り去る)します。
元気な根っ子だけにすると鉢の中の乾き具合が少し早くなり変わります。
植え替え時に古い根を取り去りきれいにして、植え付けします。

おもと わら灰

わら灰
おもとの根っこからしっかりと珪酸分を吸い上げ芋の部分を丈夫にさせます。
ワラ灰は黒色の状態の時に取り出し水の中に入れ使っています。
黒色の灰の状態時、成分が高い。
わら灰
ワラ灰(10g入り×15袋入り) 酸性の用土を中和しカリ分を補給、芋腐れ予防。1袋を10ℓの水の中に入れ、軽く揉んで30分ほど置きその上澄み液を使用します。回数は月に1度の割合又は夏季の時期に回数を多くします。
 
アク水用ワラ灰 アク水用ワラ灰10gセット 10g入り×15袋  価格 1500円
10L 15回分 万年青の肥料は有機肥料が主流ですが油粕と骨粉主体の肥料は肥料の必須三要素の内、カリ分が不足気味になってしまいます。  また、カリ分は水に溶けやすく、一番に流亡しますので時々補う必要があり、昔からワラ灰を水に溶いたものを液肥として用いてきました。  カリが不足することにより、根落ちや古葉から発症する欠乏症や病気に弱くなるなど様々な障害が起きると言われています。  ワラ灰を使うことにより不足しがちなカリ分を補給して根腐れを防ぎ、万年青に活力を与えましょう。  ワラ灰はワラを焼いた物を暫く水に浸しその上澄みを如雨露で与えますがハス口(水が出る小さな穴)がワラ灰で詰まってしまうのが問題でした。 弊園の『アク水用ワラ灰』は目の細かいフィルターにワラ灰を完全密封しましたのでハス口が詰まりにくくなっており、使いやすく出来ております。  使用法 (10g入りは10Lに希釈すること、50g入りは50L) 1袋を所定の容量の水に入れ、袋が破れない程度に揉んで中の灰を水になじませて30分から半日ほど置き上澄み液を使い潅水してください。 一例として、春と秋の生長期に月に2度ほど与えるのをオススメします。人により年中使われる方も居られます。 ※注意事項 ※アルカリ性になりますのでその他液肥や農薬と混ぜずに単体でご使用ください。草木灰(アルカリ)と反応する化成肥料(硫安や酸性複合肥料等)が御座いますのでお使いの肥料の注意書きもよく御覧ください、置き肥は有機質肥料が安心です。 肌の弱い方はゴム手袋をご使用ください。冷暗所で保管してください。

おもとの病気

 

おもとの病気対策

左からスーパーⅠ(液肥)、合馬竹酢液、マルチケーミン(微量要素)の希釈

スーパーⅠ (液肥)肥料   価格 1200円     やりすぎに注意 3000~5000倍を週1回~2週間に1回 (32℃を超えたら2週間に1回ほどに控える晴れの日にやる)

合馬竹酢液 3000~5000倍を週1回~2週間に1回  価格 1500円

『竹酢液』(ちくさくえき) 竹酢液をおもとの水やり用の水に、3000倍から5000倍に薄めて、それをそのまま水遣りに使います。間隔は一週間ほど開けて使います。病害虫の出やすい、日中の温度が25℃から30℃になるときに
主に使っています。併用して、スーパー1、微量元素を使うと、おもとが丈夫になり、力がついてきます。病虫害対策・植物活性に最適。病虫害の発生が少なくなり農薬散布の回数が少なくなります。試験的に初めてからもう14年以上たちますが、虫が少なくなり、また実付きや、元気が良くなりました。すべての薬や、肥料にいえることですが、やりすぎは禁物です。気長にゆっくり育てていこうと思って使いましょう。

マルチケーミン  3000~5000倍を週1回~2週間に1回

微量要素 マルチケーミン 総合微量要素  価格 3000円
たとえば人間の食事のおかずの部分
根や芽が動いています。液肥スーパー1、マルチケーミン、竹酢液など灌水時に使用しています。希釈倍数を守る事。ラベル記載の倍数より3倍くらい薄めて使用しています。おもとは他の植物より成長が遅いからです。
注意早く効き葉の色艶が良くなる肥料、又中々子上げしないおもとに子供が出る肥料はおもとが長生きしないです。肥料濃度に注意。豊明園では有機質の遅効性の肥料をお勧めします。

ワラ灰 約1000倍を1週間に1回 アク水用ワラ灰 アク水用ワラ灰10gセット 10g入り×15袋 価格 1500円

主に夏と冬の休眠期に今は他の時期にもあげる人が増えたワラ灰も大切です。豊明園では年中使用しています。

健康体で、芋のしまったおもとにするにはワラ灰でK(カリウム)の補給と酸性に傾いた用土を中性にすることが大事。そうすれば肥料も良く吸えます。酸性に傾き過ぎると吸えない肥料がでてくるので、肥料のあげすぎやワラ灰を上げないと
おもとの調子が良くなりません。地域的に、アルカリに近い水が出る場所は、ワラ灰をあげなくても、また肥料を沢山あげすぎてもよくできますが、毎日の水がワラ灰と同じ効果があるのですね。

おもとの消毒について 

万年青植え替えの時の消毒

おもとの消毒について

おもとをきれいに育てるなら、定期的な消毒が必要です。春、秋の人も心地よいと感じる温度で、おもとは生長しますし、病害虫も活発になります。なので、春、秋はきちんと消毒をしましょう。

私たちでは約1カ月に1回、殺菌剤をしています。殺菌剤の袋には殺菌剤と書いてありますが、もう発生してしまった病気にはほとんど効きません。予防薬と思って使っています。なので、病気が出る前に消毒をするのが基本です。

病気は虫が媒介するので、竹酢液をその時期は週に1~2回、水やり変わりにやるようにしています。また、おもとの菌は水が多いと繁殖するので、葉に水がかからないように水やりをすることも肝要です。

秋、春の植え替えのときは、写真のように消毒液に数分、涼しいときはもう少し浸してしまいます。1000倍の殺菌剤ダコニールに展着液を入れています。この利点は毎月の消毒では根や葉の溝、隙間までしっかりとかからない場所もすべて消毒液に浸すことができ、完全に殺菌できます。薬害が怖いので、長く浸すことはNGです。特に暑い日にやる場合は気を付けます。

おもとの植え替え

植え替えの時期 について

 植え替えの周期は、一年に一回が一般的です。古い本をみますと、春秋と年2回の植え替えを推奨しているものもありますが、おもとが根付く暇もなく、また一番よい肥料のあげ時に植え替えをするので肥料の効きが悪かったり、効きすぎたりと、あまりよくないように思います。だんだんおもとがお棚に慣れてきて根落ちが少なくなったら、二年に一回、三年に一回にして、おもとにじっくり成長してもらいたいです。
 植え替えの時期は春もしくは秋に植え替えます。ベストのタイミングは、夏の暑さを乗り越えた秋の今。この時期が一番根を落としています。寿命や暑さで落ちた根をを綺麗に洗い、綺麗な用土で植え替えます。彼岸明けに植え替えをする方もいらっしゃいますが、ここのところの異常気象で暑さもあり、最高気温が25℃にまずならない時期が失敗しにくいです。
 植え替えの刺激は秋根を出させます。しっかりと秋根がでれば、来年の新葉はより多くでます。逆に、葉数の多いもの、親木は秋根がよく出てしまうことで下葉を落としてしまいますので、展示会直前や、なるべく秋も深まった頃にする方が葉をよく保ちます。おもとの数がある方では、若い木から植え替えをしていき、葉数の多いものを一番最後にしましょう。また、繁殖の割り子も、理想を言えばより寒くなっていく秋に割るのが理想です。
 秋の終わりから春の、気温が10℃をきってくる時にはおもとは休眠に入ります。そうなると根が伸びにくく、根付くのに時間がかかってしまいますのでそれまでには植え替えを終わらせます。
 植え替えを始める前までに、鉢、用土、植え替え道具の筆やランセットを揃えておきます。私たちでは用土に朝明砂(あさけずな)・矢作砂(やはぎずな)という乾きやすい川砂と、少し保水性の高いパミス(軽石)を使っています。水やりが多過ぎて根落ちが多い場合は、パミスの割合を減らして(例パミス4 川砂6)、川砂を増やします。逆に、水が少なかった場合は、パミスの割合を増やし(例パミス6 川砂4)、川砂を減らします。人の水やりの感覚はなかなか変わらないので、根の状態を見て、次の一年の用土を乾きやすかったり、乾きにくかったりと少しずつ変えています。
 お仕事が忙しく、夜中に帰って水やりをする時間がなかなかという方は、もう少し水持ちのするボラ土、日向土や、鹿沼土、赤玉土を混ぜ、水やりの間隔をあけて、忙しくて水やりを少しぐらい忘れても大丈夫な用土にしておきます。
 
植え替えのメリット
用土を綺麗なものに変えれる
万年青の大きさにあった鉢に変えれる
秋根がしっかりでやすい 
根が落ちやすい夏の後の根芋の状態を確認
新根が上からでてくるので、根上がりを防ぐ
用土をかえるチャンス
崩れた用土・肥料のカスを取り除く
植え替えのデメリット
下葉をおとしやすい 
肥料をしっかりやれない(春も秋も)

おもとの豊明園

 

おもとの地植え

おもとの地植え

私の住んでいる愛知県の多くの家では、おもとの植木鉢やおもとの地植えを見ることが出来ます。古くから引越しの際にオモトを最初に持っていきなさい、最初にオモトを植えなさいと言い伝えが残っているからです。地植えでは水やりはせず、雨水だけです。自然のおもとと同じ状態ですね。日は日陰になる場所がよいでしょう。

趣味者さんの中には、木を太らせるために地植えにされる方もいらっしゃいます。上の写真はこの地植えで木に勢いをつけ、鉢上げをする予定です。オモトが土に触るので病気になりやすいのと、根が棒根になって、枝根になりにくいのが欠点ですが、面白い育て方で、昔からの育て方です。

錦鉢にプラ鉢を入れて使いたい方へ ウチョウランなど

プラ鉢の形にもよりますが、写真の7センチのプラ鉢では、11.3センチの鉢にすっぽりと入ります。ですが、難しいのは、錦鉢はどれも手作りで、内側の径や底までのすぼまり具合が違っていますので気を付けて下さい
おもとの錦鉢は使いやすいように、よく育つように楽焼で作ってあります。ですが、プラ鉢ですっぽりと入ると日替わりで鉢を替えて室内に飾ったりでき、楽しみ方も広がりますね
豊明園