心をこめた贈り物に最適のおもと

おもと美人

江戸時代から万年青と美人はよく合います。おもと美人画を見たことのある人も多いでしょう。

華のある獅子を、短冊家の吉祥鉢に植えて

万年青の花言葉が、【長寿】と【永遠の繁栄】なので、長寿の祝い、結婚式、新築、引越し、お正月と祝い事に用いられます。

天福の霊草として、いけばなでは使われています。

おもとの実をつけるには

おもとの実 品種 錦秀の松(きんしゅうのまつ)      12月8日の写真

おもとの実をつけるには

来年のお正月に向けて、万年青に実をつけてみてはどうでしょうか?おもとは、4~8年で親になると言われていますが、なかなか毎年は実がつきません。

万年青の実を毎年楽しんでいる人は、万年青を3~8本立の大株にして、どれかが花芽がくるようにしています。

万年青の花

【花芽】がでてきたら、チャンスです。花芽が伸びきって、クリーム色から黄色に変わっていくときにおしべをめしべにつけてあげましょう。おもとは自分のおしべとめしべでも実がなりますが、他のおもとのおしべの方が実がつきやすいです。

上の写真のように、触ってもふにゃふにゃの柔らかい筆で、2つのおもとの花芽を撫でてやります。両方交互に撫でることで、片方の花粉がもう片方につきます。

おもとの花 中心がメシベで蜜が出ている状態(交配適期)

5~6月、1本の花穂に多数の花を咲かせる。仏炎苞のないミズバショウのような花。花を咲かせるには大葉系と薄葉系・実親系が主

 

交配は花粉のみを取りだしメシベにつける自家受粉よりも他家受粉のほうが実付きが良い

おもと 品種 国の花(くにのはな)  6月8日の写真

約2週間でめしべが膨らみ、青い実ができてきたら成功!肥料を切らさず、育てていきましょう。

花芽が出るのは力のある証拠ですが、人間の出産と同じで非常に体力を消耗します。花芽があるとわかったら、その木はちょっと多めの肥料をして、花芽を助けてあげてください。

始めよう!伝統園芸 万年青 より

おもと 品種 国の花(くにのはな) 7月10日の写真

熨斗葉(のしば)

江戸時代からのおもと  

品種 折熨斗 (おりのし)

この万年青が折熨斗芸の元になっているおもとです。中型ですが、きちんと折熨斗の芸が見えると思います。

古くは、天皇陛下お買い上げの万年青として、折熨斗縞(折熨斗に縞の入ったもの)とお多福が記録が残っており、由緒あるおもとです。この折熨斗も今の現役で実親として使えるだけでなく、価格はそこまでではないですが、今では非常に稀少な江戸万年青としても人気です。折熨斗芸は雅糸龍と比べて、繊細なイメージがあります。折熨斗芸がメインの品種も、数がそんなにあるわけではないので、集めていくと面白いでしょう。     熨斗芸を見せる品種 『翠峰』 『幽谷錦』 『天人冠 』

力和も熨斗芸も含めた多彩な芸をみせます。

熨斗葉(のしば)  品種 幽谷錦(ゆうこくにしき)
葉の縁が元から葉先にかけて祝儀に使う折熨斗のような形の葉を言う。熨斗芸とも言う。

熨斗葉(のしば)  品種 幽谷錦(ゆうこくにしき)
葉の両側の縁が熨斗を折ったように折れているもの。熨斗芸とも言う。
 

 

 

しかみ

しかみ  品種 国の花(くにのはな)
葉の葉脈に添って凹凸の見える葉。(全体に現われています)
しわのよる葉、地肌が荒れて見えます

群雀(ぐんじゃく)

群雀

読み
ぐんじゃく

別名
雀(すずめ)

意味
葉の先端にできるくちばし状の盛り上がり。
基本は純白ですが弱く触ったり強光に当てると茶色くなる。

群雀(ぐんじゃく)  品種 玉雀(たますずめ)
葉の先端に白く雀のくちばし状のように見える葉。
成長すると小さくなります。

白い雀はだんだんと茶色くなっていきます。(陽を摂りすぎると)

雀の白いところにティッシュなどを巻くことで正月にきれいで、大きな雀を見ることができます。

裏雅糸竜(うらがしりゆう)

裏雅糸竜(うらがしりゅう)  品種 金龍閣(きんりゅうかく)
葉裏に雅糸竜を見せる葉。多くの人がびっくりしてしまうこの芸。

葉の裏側の芸は、この裏雅糸龍や裏玉竜、また、逆鉾(さかほこ)も葉の裏に芸がでます。これら、葉の裏の芸が特徴の品種を大きくまとめて、裏芸品種と呼んでいます。万年青の芸は表に現れるものという常識を打ち破ったおもとたちです。

特にこの金龍閣は芸が強く、裏雅糸龍の代表品種です。強すぎて、葉の表がほとんど、もしくは、全く見えません。芸の力強さが特徴のこの品種は、裏玉竜も現し、迫力満点です。裏玉竜は雅糸龍の中にみえる、こぶのようなものです。もちろん、病気ではありません。

万年青の芸の奥行きの深さを感じられるおもと。非常に珍しいですが、ぜひ楽しんでください。

 

裏雅糸竜(うらがしりゅう)  品種 金龍閣
葉裏に雅糸竜(甲竜が筋状にいくつも現われる葉)を見せる葉。

稚葉(ちば)

稚葉(ちば)    品種 新生殿(しんせいでん)
葉繰りの最初に出る短い葉。本葉と本葉の境にでる短い葉。

この稚葉は、大葉から小葉まで、すべてのおもとででます。葉繰りの終わりに出る葉、ともいえます。他の本葉とは明らかに大きさが違うので、すぐにわかると思います。葉が2年、3年とたまってくると、間に稚葉が確認できるので、この木は何年葉がついてるね、とわかります。

おもとの耐寒性

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おもとの耐寒性

ついついおもとが可愛いので過保護にしがちですが、おもとは実は非常に寒さに強い植物です。

おもとを厳しく育てている方は、このように10センチ以上の雪にずっと埋まっていても大丈夫だとしっているでしょう。あまり寒さが厳しいと綺麗には育ちませんが、その分強く育ちます。昔、ハワイで育てれば年中育つので倍の速さでおもとが大きくなるといって育てた方がいましたが、なぜだか2-3年目くらいから調子が悪く、うまくいきませんでした。おもとは冬の寒さを必要としているのかもしれません。

アメリカでは、-25℃の環境でも元気に育っています。温かいところに育てているおもとをいきなり-25℃の環境にしてはさすがにおもとも参ってしまいますが、ずっと外で管理していれば、おもとも環境に慣れて、寒さ、暑さに適応します。

万年青が万年、青々と常緑を保つのも、冬の寒さに強いからです。多くの植物が秋から冬にかけ葉を落とすのに対し、万年青は冬こそ青々と元気になります。

古代の日本人は寒さ厳しい冬に、青々とした常緑を保つ姿に神性をみて、生花では正月、祝いの花に、徳川家康公は引越しの縁起物に、万年青を使いました。

万年青の名もそこから来ています。

万年青が縁起物として重宝されるのと、耐寒性は切っても切れない間柄だったんですね。

常緑で耐寒性に優れるおもと。是非冬のお庭や野山でおもとを楽しんでみてください。

おもとの鉢について

 

おもとの鉢について  

新生殿 (しんせいでん)

おもとでは、多くの趣味者が鉢も楽しむことが多いです。それは、展示会のため、というだけでなく、自分の部屋や玄関など、飾るときに美しくみせるためです。

古く、徳川家康公がおもとを楽しんだり、殿様、諸侯がおもとを楽しんだ時、そのためにわざわざ鉢を焼かせるほど、鉢にはこだわりをもっていました。室内のしつらえに合わせるためなのか、床の間に合わせるためなのか、非常に素晴らしい鉢が残っています。

万年青は室町や江戸時代では盆栽とも呼ばれていて、盆は鉢、裁は植物を現します。ただの盆、鉢だったのが、だんだんと装飾を施されるようになり、今の鉢文化に繋がっています。

江戸時代終わりごろの書籍には、おもととともに鉢を楽しむ姿が描かれています。

現代では、いつ、どれを部屋で楽しんでもいいように、化粧鉢や錦鉢とよばれる鉢で作られる粋な方もいらっしゃいますが、多くの方が黒鉢、プラスティックの鉢を使われていると思います。それでも皆さん、正月や、春や秋の植え替えの気候のいい日には錦鉢に植えて、将軍様が楽しんだように、おもとを愛でています。