大像観 (たいぞうかん)

分類    大葉系統   江戸おもと
作出年代  江戸時代
登録
作出者    (不詳)
命名者
登録者
作出地  

広い葉巾は少し波葉を見せる。
雄大な品種、性質は中品種。

大象観とも       たいしょうかん たいぞうかん

江戸時代からの品種で、生花を池坊で楽しんでいる方ではなじみ深いかもしれません。池坊では七種花伝という大切な七種の生花を選んでいて、祝いの花、正月の花、結婚式の花に万年青を使っています。

その時に使うのが縞のない、青いおもと。深い青に、赤い実が映え、縁起のよい取り合わせになっています。江戸より古くは、万年青は老母草と書いて、オモトと呼んでいて、様々な説がありますが、青い葉が赤い実を包んでいる姿が、母が赤子を包んで守っているように見えるからだとか。広い葉の大象観らしい描写です。

現在も正月前になると生花用に花屋さんで扱われます。マニアの間では、大象観に縞の入ったこの品種が人気です。非常に珍しく、まず手に入りません。

大葉系統を植えるのに楽鉢と迷うのがこの薩摩鉢。古さもあり、味があります。

 

 

紅流し (べにながし)

分類    薄葉系統   江戸おもと
作出年代 江戸時代
登録    
作出者   不明
命名者   不明
登録者   不明
作出地  不明

 

紅流し(べにながし) 5年生 鉢 3.8号

緑色の葉は光沢があり葉縁に波葉をを見せる品種。
やや垂れ葉のゆったりとした葉姿の魅力の品種。

背筋の葉脈は12月頃より赤く紅をさす。秋から冬にかけて寒風にあて
又霜にも当てると紅が現れます、性質は強い。紅を現わす系統は数少ない稀少品種。

 

 

 

江戸残雪(えどざんせつ)

江戸残雪(えどざんせつ)
別名 宗石の虎(そうせきのとら)立ち葉で葉巾が広く濃緑色の葉に白い虎が美しく現れる品種。
性質は強健で少し日光を取ると白く柄がはぜます。古典品種、数が少なくなっています。 江戸時代鹿児島に伝わる珍しい品種。
江戸時代の千駄ヶ谷(現・渋谷区)に住まいの医師・高坂宗碩氏
が紹介したことからその名があります。
播磨明石藩主・松平平衛督直昭候の江戸屋敷で『宗石』に虎斑が出たと伝わっています。参勤交代時に江戸から鹿児島の島津藩へ持ち帰って愛培したことから『江戸残雪』の別名で呼ばれています。

古くに薩摩藩の武士が皆おもと好きで江戸から持ち帰ったと言われている貴重でかつ希少日本の心を映すおもと鎌倉、室町から江戸の武士文化はおもとのすっとした凛々しさとマッチしたようで武家文化とおもとは様々な言い伝えが残っています。また、薩摩藩のある鹿児島では武家の家にはおもとがあると言われおもとは武士の心、いつ主君のために命を賭しても構わないというに 寄り添う植物です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

金鶏 (きんけい)

金鶏 きんけい
江戸時代からのおもと数は多くなく、歴史があり希少な品種。
江戸時代、明治時代の文献にも多数出てくる人気の品種。
なぜ人気だったかというと、この金色の斑が実生で出すことができず、
初心者でも簡単に見分けができたから。
濃緑色の葉に黄金色のちり斑を現す。春先から採光を強めに管理すると鮮やかさが増す

豊明園初代は特別な識別眼なしに特徴をはっきりとわかるおもとを特に大事にしていた人でした。
豊明園初代が大切にした根岸松の図や新生殿、愛玉殿、剣舞、天光冠、雪中の松、寿、錦昇龍、白雀、白蝶、錦王雀の図などどれも初心者でも一発でわかる品種です。
その当時、符丁おもとともよばれる、ラベルがないと誰も識別できないおもとの売り買いが流行っていて、豊明園初代は分かりやすい、楽しいおもとを志したのでした。
形も素直で美しく、柄も楽しめる金鶏。江戸時代からの歴史もあり現在貴重になりつつあります。
 

日月星 (じつげつせい)

分類    薄葉系統  一文字系 江戸おもと
作出年代 安政年間
登録    昭和9年
作出者   三河屋某(愛媛県)
命名者   
登録者   日本萬年青連合会
作出地   

 

 

 

 

 

濃緑色の葉に深い覆輪を見せる品種。葉数が多く出て、葉が巻き込む(筒葉)が特徴。採光を強めに管理すると葉巾が広くなり又子が繁殖しやすくなります。

江戸時代からのおもと江戸珍品
世が世なら、100萬円と言われても安いといわれたおもと。
おもとの価値は歴史的価値や芸や形の質の高さ、おもととしての完成度や繁殖のよさ、丈夫さが加味されて決まってきます。
江戸時代、原種のよく見る青いおもとが主だった時代、この『日月星』の姿は品があり、葉の美しさは武士道にもかない喜ばれ、おもと数寄者 趣味者を魅了しました。この『日月星』が素晴らしいのは形、芸というだけでなく、実をまいてもこの独特な日本刀のような葉がでないことが人気の続く要因でした。
新生殿や天光冠、根岸松の図、楊貴妃、四君子、太陽など
オンリーワン、唯一無二の特徴をもつ木は時代を超えて愛されます。

根岸の松 (ねぎしのまつ)

分類    薄葉系統   江戸おもと
作出年代 安政4年(1857)
登録    昭和9年
作出者   篠常五郎
命名者   篠常五郎
登録者   日本萬年青連合会
作出地   

 

 

 

濃緑色の深覆輪に明るい根岸斑を見せます。
葉は中立ち葉で葉先は尖ります。子出し良く実付き良い品種。
性質は中、肥料やや多目・日光中。

「根岸松」は江戸時代には鉢に画かれている「根岸松」と書かれています。
「根岸の肴舎」

江戸おもととして非常に有名。今は多くの人が楽しんでいる千代田系統の元祖がこの根岸の松(ねぎしのまつ)です。今年が2018年なので、もう161年もたっているのですね。江戸万年青である五大州や残雪などの縞や図、金鶏のべっ甲柄などはありましたが、この根岸斑は当時なく、完全に新しいものでした。今の千代田系統の素晴らしい品種や、千代田獅子、千代田羅紗などの派生系統もこれがなければ生まれていないわけで、万年青界においては最重要な品種です。根岸の松のためだけに作られた写真の鉢も、それだけの価値のある「根岸松」だからそこ、と言えるでしょう。作りも最上級です。
写真のように実も付くので、交配も楽しめます。同じように千代田の松や千代田系統もある程度の大きささえあれば、実がつくので、まいてみる価値が大いにあります。
非常に丈夫ですが、やはり根岸斑のある白い部分は濃紺の地より焼きやすい。私どもは夏場直射日光をとってお客様ものためにも、おもとのためにも、丈夫に作りたいと思っていますが、手にした最初は直射は気を付けて。暗い場所はよろしくないですが、直射を避けた方がよいでしょう。また、寒風、強風も白い部分をやくので冬場は気を付けます。

福包 (ふくづつみ)

分類    薄葉系統    江戸おもと
作出年代 江戸時代
登録
作出者   不詳
命名者
登録者
作出地  愛知県

 

葉姿美しい 縁起良い名前『福包』に 愛嬌ある福福しい葉姿が人気
引越しおもと・お祝おもとなど お部屋の観葉植物に最適、丈夫な品種 特徴がはっきりした品種が人気

「福包」は愛知県豊橋の殿様が作出し世に広めたおもとです。
江戸時代優雅に萬年青を楽しんだ大名が、三河吉三(豊橋)七万石の最後の藩主・松平(大河内)伊豆守信古である。吉田(豊橋)藩松平氏は、もと三河の国宝飯郡長沢村からでたので長沢松平氏と称したが、その嫡流が絶えたため、同じ三河の国額田郡大河内村から出た大河内氏か跡を継ぎ、大河内松平氏といわれるようになった。この家を有名にしたのは、徳川三代将軍家光のとき、三十年間にわたって老中職を勤め、人をして智恵伊豆といわしめた松平伊豆守信綱を出したからである。
大河内信古は、安政六年(1859)から年(文久二1862)にかけて寺社奉行であった。萬年青との関わりについては、現在でも稀に見ることの出来る珍種「福包」が、この人の作出とされている。