おもとの育て方 7月 岡崎

 万 年青 夏 愛知県岡崎市 豊明園 栽培管理

 

2019年7月3日 豊明園第一温室 温室内は3日目の換水で管理しています。

アク水(灰汁)も換水じに行います。

2019年7月3日 豊明園第一温室 引越しおもと・江戸万年青の展示

2019年7月9日 豊明園 外展示棚

7月3日 よしづ・ダイオネットで遮光

 

7月11日 豊明園第二温室 全開

南日本では本格的な梅雨期です。オモトが高温多湿のため休眠に入り真夏です。できるだけ乾燥気味に管理します。風通しの良くしておきます。

 

潅水  水の管理

7月 水温が高くなるので、よしづをのせて管理しています。

7月22日 つまようじと富士砂の色の変わり具合を見て換水時をきめます。

まだ天候が安定せず、みずやりのいちばんむつかしい時期です。その日の天候と、鉢の乾湿によって判断します。温度と湿度の高い日は、水を控えて渇き気味にしておきます。しかし晴れた日はたっぷりと水をやります。高温情報が出るころの潅水は夕方にきりかえます。

7月22日 重さで水分量を記録 テストしています。

採光

7月11日 日差しがきつく早朝よりダイオネットを張る。

梅雨明けとともに日差しが強くなりますから、採光は朝のうち2時間くらいで充分です。あとはよしずやダイオネットなどで日覆いをします。

7月3日 太陽殿の虎(たいようでんのとら)虎柄の系統はなるべく採光の時間を長くとる。この場所は9時30分まで直射の場所で管理。採光時間は4時間30分。

通風

7月15日 扇風機で通風

この時期は「風でオモトをつくる」とまでいわれています。できるだけ風の通るようにし、オモトが蒸れないように涼しくしてやります。風通しの悪い場所では、オモトに赤星病やカイガラムシがつきやすくなります。また芋が蒸れて傷んだりもします。

施肥

7月29日 アク水(灰汁)潅水時に行います。

肥料は置き肥えは中止します。液肥はごく薄いものを月に2回ほど、灰汁(わら灰)をうすめて換水するときに混ぜておこないます。

病害虫の予防と駆除

高温多湿が病害虫にとっては最適な条件になり、オモトにつく害虫のすべてが、最も活発に活動する時期です。オモトにしょうじょうが出ていない場合でも予防の農薬散布が必要です。おもに出る病気は赤星病、害虫はスリップス・カイガラムシ・ナメクジなど。薬剤散布する場合薬剤はそれぞれ薄め方が異なりますから、注意書をよく読んで、濃度をまちがえないようにしてください。

7月8日 実が膨らみ始めています。実にも縞柄がわかるようになってきました。

 

7月9日 新芽が勢いよく伸びています。

 

7月22日 縞獅子の根っ子、元気に伸びています。子供が出てきたので下葉の色が変わってきています。

7月24日 愛玉殿(あいぎょくでん)の芋吹き 葉がしっかりしてきました。

7月5日 3月に種まきして葉がでてきました。

7月17日 実生、柄がはっきりわかる。

 

7月30日実生の鉢上げ

万年青(おもと)の別名は?

万年青は日本で様々な使われ方をしてきたので別名が多い

万年青(おもと)は、古くは薬草として、また、引越し万年青やお祝い万年青、生け花としても用いられてきた歴史があります。また、雪隠万年青(せっちんおもと)のように、外のトイレの脇に万年青を植えることで不浄な場所を清浄にする、という意味合いや、引越しの際にまず万年青を植える、入れることや、屋敷の鬼門の方向に万年青を植えるなど、風水でも大切にされた植物でありました。万年青の使われ方が様々なので、実は別名も非常に多い。植物の中でも一番なのでは?と思っています。

今、私たちが楽しんでいる園芸としての万年青は江戸時代の園芸ブームで大きく花開いたものです。

日本での別名

日本では、万年青、萬年青、霊草、老母草 冬不凋草 不老草 レイロ・リロ(藜蘆、藜芦、莉蘆、黎蘆)、縁起草、吉草、長寿草、辛抱草(しんぼうぐさ)、イワラン、於茂登、御許、ともよばれています。

万年青が常緑、長寿で生命力のあることから、万年青、萬年青、長寿草

冬も枯れない常緑から、冬不凋草、万年青

毎年下葉は落ちるが、同じように新芽がでて姿は変わらないことから 不老草

実が付いたとき、母(古い葉)が子(新しい実、葉)を守るように育つため 老母草

冬、他の植物が葉を落とすときも力強く常緑の葉が長く楽しめたことから長寿草

常緑で長寿なことや、風水として大切にされたことから縁起草、吉草、霊草

万年青を遊ぶ時、辛抱して増やしていけばいつか報われるというところから辛抱草

古くの薬草書からレイロ・リロ(藜蘆、藜芦、莉蘆、黎蘆)

原産と言われる地名から於茂登、御許  於茂登山、御許山がある

Wikiより 於茂登岳(おもとだけ)は、沖縄県石垣市にある標高525.5メートルのである。地元ではウムトゥダギと呼ぶ。『球陽』では宇本嶽宇茂登嶽と記されている[1]。於茂登岳は沖縄県の最高峰で、正保年間の『正保国絵図』に名前が記された琉球で唯一の山である。 古くから霊山として信仰の中心的存在であり、山名の「ウムトゥ」は「島の大本」を意味するともいう[1]。『

 

 

万年青の花言葉

(長寿) (母性の愛) (永遠の繁栄) (長命) (崇高な精神)

 

万年青と付く他の植物

万年青が古くから大切にされ、また姿が特徴的なので、他の植物にも万年青とつく植物があります。

砂漠万年青 奇想天外 ウェルウィッチア

紫万年青

濱万年青 浜万年青

眉刷毛万年青

 

 

中国では

万年青 マンネンチェン 冬不凋草(常緑で冬に枯れないことから)

中国では古くから薬草として用いられ、日本と同じく、原産地でもあります。

漢方では

和漢薬、和漢方、漢方では、万年青根、万年青葉、万年青実として使われます。

英語名・学名は

学名のRohdea japonica Roth

Nippon Lily

Japanese Sacred Lily

日本で神聖に扱われていた植物として伝わっています。

薬草、和漢方としての万年青 薬効 藜蘆は万年青? レイロ リロ


和漢方としての万年青

 京都の武田薬品薬草園の大判薬草図鑑には万年青は載っております。

 また、某薬品会社から漢方薬として使うため、万年青の芋を1万株依頼されたこともあります。私どもの芋では価格が高くなりすぎてしまい実現はしませんでした。

万年青は藜蘆なのか?

最古の生け花 池坊の資料

 下は文化8年(1811) 池坊の免許状の一つですが、万年青を藜蘆レイロと書いてあります。池坊専應口伝(1542)にも藜蘆として万年青の生け花がのっているそうです(そちらは私は現物をみたことがありません)。

万年青の生け花について

 また、いくつかの古書には藜蘆はシシノクビキ、ショロソウ、ホソバシュロソウ、バイケイソウであり、万年青ではないと書かれているものもあます。

 生け花で藜蘆とすると絵ものっており万年青に間違いないのですが、他では絵がのっていないことから正しいとも間違っているとも断定しにくいというのが実情です。

1603年 イエズス会の日葡辞書

1603年にイエズス会がキリシタン宣教師のために長崎で刊行した日葡辞書(日本語、ポルトガル語の辞書)には藜蘆、リロにヲモトと当てています。

1603年刊行の辞書なので、その当時の言葉の音(オン)や使われていたのかなどが分かります。

中日新聞 世界で4冊目の日葡辞書をブラジルで発見

 

室町時代の辞書より 藜蘆(万年青)

資料は国会図書館より

饅頭屋節用集

室町時代末期と言われる 奈良の菓子商で歌人・歌学者でもあった饅頭屋宗二(林逸1498~1581)が刊行した書物。唐宋の詩文や節用集などがある。

雑字類書

レイロと書いて万年青とよむ 室町時代中期

室町時代の辞書は節用書、類書といわれ、イロハ順で書かれる。万年青はヲモトという表記になるので、ヲを探します。

節用集 室町時代

室町時代は1336-1590(戦国時代まで含めると)

 

これら室町時代の辞書には藜蘆にヲモトとしてしかルビがふっていないため、藜蘆は万年青を指すと考えています。

藜蘆など多くの薬草や植物の「漢字」が中国から入ってくる際、非常に困ったと思います。薬草の知識、植物の知識、中国語の知識、日本のそれぞれの地域の言葉などすべてがそろわないと中国ではこの植物だけど日本では違った、や日本にはその植物がなかった、場所場所で名前が違った、ということがありうるからです。

江戸時代の薬草園・尾張藩御深井御薬園の薬草 藜蘆(万年青) 徳川八代将軍・吉宗の藜蘆について 

江戸時代の尾張藩御深井御薬園や徳川八代将軍・吉宗の藜蘆(万年青)についての考察です。趣味の山野草より
増補改訂 日本薬園誌の研究
昭和5年
著者 上田三平
  

万年青の薬効

万年青の来歴

中国や日本の古書にどのように万年青は載っているのか

万年青の薬効は?

花とくすり 和漢薬の話

難波恒雄
(株)八坂書房
1981年4月25日 初版発行

万年青の歴史年表

 
原色おもと図鑑より