万 年青 春 岡崎市豊明園 栽培管理
こんにちは、万年青の豊明園です。今回は、【万年青の育て方】4月の栽培の基本についてお話します。トピックは、
索引
4月の管理について
4月は一気に春らしくなる季節です。気温も高くなり、春の植え替えをしたり、芋吹きや割り子、株分けや、種まきの季節でもあります。生長に向けて万年青は3月以上に水も肥料も欲しがりますので、しっかりと与えます。また、気温がでてくるということは、病気や害虫も出てきますので、殺菌剤、殺虫剤を定期的に散布し、防除しましょう。それぞれ私たち万年青の豊明園がどのように管理しているのかもお伝えします。
置き場所 防風と防寒
この時期、昼間は暖かくても、まだまだ朝晩は冷え、春の風も吹くでしょう。冬中、外で管理した強い木はへっちゃらです。ですが、室内や温室などで育てている木をいきなり外に出してしまうと、日の強さ、風や水切れによる葉焼け、葉折れをするものがあります。私たち万年青の豊明園では、鉄線の花、クレマチスの花が咲くころに温室にあった万年青も外に出すようにしています。4月下旬からゴールデンウイークごろでしょうか。
現在は、10年前とくらべても冬から春にかけて気温も暖かくなり、ほとんど温室内に取り込むことはなくなりましたが、冬場に植え替えた万年青は鉄線の花の後に外に出すようにしています。
冷たい風
寒さでまだ根づいていないオモトや、葉の薄いオモトを、この冷たい風にあてますと、必ず葉焼けをおこして、みにくくしてしまいます。また草勢も衰えます。したがって、風の強い日は、寒冷紗・不織布などで囲うなどして風よけをしてください。
4月23日 日差しがきつい場合ダイオネットを張ります。
4月28日 鉄線の花が咲く頃オモトを外棚に出します。
上旬は、ときに、まだ冷たい風が吹くことがあります。根づいていないオモトや葉の薄いオモトを、この冷たい風にあてますと、必ず葉焼けをおこして、みにくくしてしまいます。また草勢も衰えます。したがって、風の強い日は、寒冷紗・不織布などで囲うなどして風よけをしてください。また上旬は冷え込むことがありますから。注意してください。
採光を十分にとり、通風をはかります。
4月12日 柔らかい日にあて管理
4月13日 豊明園の外棚 50%のダイオネットを張ってあります。
4/12 春の柔らかな光を浴びて、本格的な生長期に入ります。冬の防寒のための不織布も取り、市松の50%の日よけネットで日射しの強い陽はカットします。まだ春の寒さが来ることがあるので、防風ネットだけはして、窓も締め切らず、温度が上がり過ぎないように気を付けます。
4/3 菜の花が満開 ミツバチが可愛い
採光 日当たり
4月16日 午前中の日を充分とります。
植え替え後、1週間ほどの間は日陰に置きますが、10日も過ぎれば朝の光にあて徐々に日照時間を伸ばしていき、採光します。この時期の太陽光線は、オモトの生育にたいへん有益で、新しい根を出したり、古い根にも継ぎ根をし、また芽当たりも充実してきて、株自体がふっくらとふくらみ、葉の付け根が割れるなど、盛んに活動します。
10年以上前は、午前中いっぱいの日に当てるようにしていましたが、少し光線が強く感じ、朝の3時間ほど日にあて、10時前後に50%の寒冷紗を引くようにしています。
灌水 水やり
水やりは晴天の日の朝にたっぷりとやり、植え込みの表土を見て水やりをします。とくに植え替えをしたばかりのものは、絶対に水を切らさないように注意してください。そのため植え替え後1週間ほどの間は、オモトを風のあたらない日陰に置いてやります。
この時期は根が伸びるので、水を切らさないように早め早めの水やりを心がけましょう。
施肥 肥料
液肥 (マルチ・ケーミンやスーパー1)うすめて使います。液肥は濃さを調節できるので、生長期に合わせて使えます。この時期、私たち万年青の豊明園では、5000倍から1万倍にして液肥をやっています。
肥料は植え替え後、15日ほどすぎてから与え始めます。液肥の場合は晴天の午前中におこないます。
日を替えてワラ灰もやることで、K分の補給や芋を締める効果もあります。水苔や肥料を置くことで酸性に傾きやすい鉢内を弱アルカリ性のワラ鉢が中和していくことも期待できます。
4月2日 肥料は鉢の縁に置きます。
4月の肥料は万年青の今年の生長を左右するとても大事な肥料です。万年青は他の植物と比べて年に出る葉数が1~4枚ほど、つまり肥料はとても少なくても育つ植物で、ゆっくり成長し、長く生きます。肥料を多くやったところで葉数が倍になる事はありませんが、適度にやれば、葉数があと半枚から数枚、葉巾も引き、芸も充実します。逆に多すぎると肥満体になり、病気や夏の暑さに弱い万年青になってしまいます。
オモト植え替えと繁殖の適期
4月6日 芋吹き
4月27日 芋吹き
サクラの咲く頃が、オモトを植え替えるのに最も良い時期です。また、芋吹き、割り子、種まきなど増殖の作業をする適期でもあります。
春の陽気で、植え替えや株分け、割り子、芋吹きをした後に、すぐに根がでて活着するので、ベストな時期です。根がしっかりと活着し、根付くまでの期間に風や日に当てすぎてしまうと傷んでしまいます。冬場は寒いのでその活着に時間が掛かります。また、春や秋でも、植え替え後すぐは活着していないので万年青に優しくしてあげてください。
4月12日 ダイオネット越しの採光
4月11日 縞獅子の根っ子
おもと病害虫の予防と駆除
4月30日 赤星病
病気はまだ発生しませんが、あたたかいハウス内では赤星病が出ることがあります。予防消毒して発病を抑えます。また害虫は発生し始めると一気に発生しますから早めにオルトランなど持続効果のある薬剤を散布してください。カイガラ虫やスリップスなどが活動し始めますから、気を付けなければなりません。とくに、スリップス(アザミウマ)は新芽の出始めた柔らかい葉が大好物です。新芽が伸びる前にきちんと殺虫剤をしましょう。
愛知県岡崎市 おもと展示会
4月 毎年第三 (土)・(日) おもとを楽しむ会
春のおもとを楽しむ会、出品は無料 一般参加受付します。事務局の豊明園に連絡ください。℡0564-51-4714
愛知県岡崎市 おもと展示会風景
植え込み無料・オモトの品種の鑑定もします。 自分のオモトも植え替えできます。
岡崎市 場所 おかざき農遊館 展示室 電話 0564-46-4700 愛知県岡崎市阿知和町字乗越12番地 春の展示は培養鉢で出品可能です。いつもの状態を一般の方々に見ていただきます。又出品作品は趣味の山野草に掲載されます。
●動画解説 【万年青の育て方】4月の栽培の基本 植え替え、株分け、芋吹き 置き場所、水やり 日当たり 病害虫予防 肥料
【万年青の豊明園】【How to Grow OMOTO in April】Rohdea
4月の万年青の管理 注意点
風、日、温度による水切れ
風
2月くらいから、4月にかけて雨が少なく、乾燥した風が吹きます。温度が低い時は特に根も水の吸い上げが弱いので、水切れを起こし、葉先が枯れこんできます。1枚だけ、とかではなく、全体的に葉先が枯れてくるのが特徴です。
対策 冬から春にかけて風がよくあたるお棚では、不織布などで風よけをするか、水切れを起こさないように頻繁に水をやったり、苔を厚く載せてもよいでしょう。
日
2月から4月にかけて、この時期にしては日が強いな、と思うことがあります。日が強すぎて、葉先や覆輪、図斑、虎斑など葉の白い部分が葉焼けします。
水切れも、この日焼けも、症状がすぐ出てこないので、2-4週間後にあれ、なんか葉が焼けてるな、と気づき、そこから水切れの度合いによって葉焼けが進行度は変わります。時間差で症状が現れるので、あれ、あの時日が強かったのかな、日よけや風よけをしとけばよかった、、、水をもっとしっかりやっておけばよかった、、と後で後悔します。
対策 日が強い場所は、日よけをして焼かないようにしましょう。最近は昔と比べて日が強いと感じますので、今まではよかったからと油断せず、今の気候に合わせて年間管理もその年の天気に合わせていきます。
温度
温度が上がると、根が水の吸い上げもしやすく成り、鉢の乾きも早くなります。私達万年青の豊明園では、1月の寒い時に2週間に1回の水やりだったものが4月には毎日水やりをやるときもあります。梅の咲くころから初夏までは根がよく伸びて水を欲しがるので、水切れをさせないようにします。3-4月で温度が上がるにつれ、どんどん乾きが早くなり、ここで水やりを忘れてしまうと水切れを起こし、葉焼けが起こります。
対策 春から初夏の根の伸びる時期、万年青の生長期は鉢を乾かしすぎないようにします。真冬や真夏の万年青の休眠期にはよく乾いたら水をあげますが、春の生長期はたっぷりと、鉢が乾き切る前に水をあげると根がよく伸びるでしょう。
肥料切れ
4月の半ばになれば多くの万年青の芽が動き出し、覗いてきます。実親や大葉などの大きな万年青では、花芽は去年の秋から動いています。
新芽や花芽は栄養が一番いります。ここで肥料が切れると、新芽の葉数が減る、大きさが減る、下葉が落ちやすいなど、いいことはないです。
対策 生長期の2月・梅の咲くころ、3-4月・桜の咲くころ、5月・鉄線の咲くころに肥料をあげることで肥料切れを防ぎます。
下葉が枯れる
肥料切れでお話したことと被りますが、この時期、新芽が動くので栄養がすべて新芽に集めてきます。その時、外から栄養が取れない、肥料が少ないとなると、下葉から栄養を新芽に回します。主要の栄養である窒素・リン酸・カリだけでなく、鉄、ホウ素、マグネシウム、マンガンなどの微量要素が新芽に回されて、下葉の栄養がなくなり、枯れていきます。新芽が展開するのに下葉からぶんどってこなくてよいように、肥料を適度に与えましょう。
また、春から秋までは生長期で、下葉は寿命がきたら枯れていきます。4月に下葉が枯れなくても、その年中に絶対に下葉は枯れるので、基本的には成り行きに任せましょう。
対策 肥料を適度に。
植え替えでラベル間違い
春の植え替えの時期は、年度が代わる時でもあるので、皆さん時間がなく、バタバタっと植え替えをして品種が分からなくなる、ラベルを間違えてつけてしまうことがあります。数が多く成ったら、その都度ラベルをつけ、写真も撮っておくとよいでしょう。特に羅紗は若苗の頃は似たような品種も多く、こんがらがることがあります。
対策 植え替えの前に写真、同じ品種づつで混ぜない、葉裏に品種名を書く、少ない数で植え替えをする。
病害虫の発生 スリップス 赤星病 葉食い虫
スリップス あざみうま
4月、暖かくなり病害虫も活発になります。新芽の出始めですが、その柔らかい新芽が大好物なのがスリップス・あざみうま。非常に小さな馬面の虫で葉元の間に潜み、暖かくなると新芽を食べ散らかす。大葉、中葉などの葉が薄めで綺麗なものほどやられると目立ってしまう。
対策 オルトランをこの時期まくことで、発生を止めます。
赤星病
葉先などに赤い斑点ができます。こちらも暖かくなるとでてきます。
対策 殺菌剤を冬から定期的に散布してください。見つけ次第即切り取り。殺菌剤を散布しても一度かかると元には戻りません。殺菌剤は予防薬なので、出てくる前に散布しておきましょう。
葉食い虫 桑葉虫
カナブンをずっと小さくしたような甲虫 昆虫です。万年青の葉には狭心症の薬にもなるロドキシンが含まれますが、薬にも、毒にもなります。鹿、猪などの動物や虫も多くは万年青を食べませんが、葉食い虫は万年青の縁を食べに来ます。
対策 見つけたら即捕獲。
4月の万年青のトラブル 注意点とその対策 まとめ
・風、日、温度による水切れ 風、日を適度に防ぎ、鉢の乾きに注意して水をしっかりやろう
・肥料切れ 生長期は肥料を適度にやろう
・下葉が枯れる 基本的に落ちるので気にしないが上手に肥料をやることで下葉がお
・植え替えでのラベル間違い ゆっくり、すこしづつしよう
・病害虫の発生 スリップス 赤星病 葉食い虫
殺虫殺菌剤を上手に活用し、綺麗なオモトをつくろう
●動画解説 【万年青のトラブル】4月 水切れ、葉焼け、赤星病、スリップス、肥料切れ、下葉が落ちる 植え替え 病害虫
【万年青の豊明園】【How to Grow OMOTO in April】Rohdea
●動画解説 【万年青の日常管理】4月の晴れの日、雨の日 雨に当てる?病気は?日よけはいつ張る?肥料は?
【万年青の豊明園】【How to Grow OMOTO in April】Rohdea 万年青の育て方