万年青を枯らす原因、理由 初心者、中級者、上級者 他の植物をやっている人

万年青を枯らす原因、理由 初心者、中級者、上級者 他の植物をやっている人

ついついやってしまう失敗

前の記事 万年青が枯れる原因、理由と枯らさない方法

植物を好きな方で、植物を枯らしたことがない人はいない

万年青は日本に自生している植物で、かつ、万年、青いという名前の通り、常緑の多年草、寿命も樹木と同じほど長いです。なので、枯れないと思われている方もいらっしゃいますが、そこは植物、生き物にはいつか死があります。人による、枯れる理由を15年お客様と自分の万年青たちをみて、いくつか傾向があるのでご紹介します。

創業120年を超えるノウハウを持った私たちでも万年青を枯らすこともありますし、50年、80年と万年青を趣味にしている大ベテランや長老でも枯らしたことがあります。植物を好きな方で、植物を枯らしたことがない人はいない、これもまた事実。是非、枯れたことから何かを学んでいきたいと思います。

初心者の枯らす理由

初心者の枯らす理由は、やはり右も左もわからないこと。丈夫な品種を選んでも、水やりのタイミング、肥料のタイミング、植え替え、置き場所など、万年青に最適な場所が、自分のお棚のどこなのかがまずわからないからです。私たちもこのHP上に多くの情報、いろんなケースを載せて紹介していますが、お客様の場所、日当たり、風通し、万年青の状態はどれも違います。えいやとやってみて、1年育てばだんだんと勘がついてきて、ここまではよいな、と分かります。

ベテランも初めての場所では初心者と同じ

では、賞を取るような30年以上のベテランが新しい場所に引越して、最初からうまくできるか、というと、全く違います。基本はできているのでそこそこの出来にはなりますが、今までの場所のようには、まずうまくいきません。どんなに上手な人でも、その場所に少しづつ合わせて最適化していきます。

私たち万年青の豊明園も、初代の頃は愛知県のJR岡崎駅のすぐ近くで商売をしていましたが、今の場所に豊明園2代目3代目が引越してきて、一年目は葉が焼けるわ冬は寒くて凍るわで大変だったそうです。そういった失敗をへて、ひよけから風当たり、置き場所を少しづつ変えてきました。

 2-3年目の初心者の枯らす理由

限界を見極めようとする、気候の違い

おもとを一年育ててみるとだんだんと分かってくるので、もう一歩肥料を多く置いてより上手に作ろう、という考えもでてきます。水やりももっと葉をださせたいということで、水も多くなったり、様々に万年青の限界を知ろうと思います。ここで枯らしたり、根腐れなどを経験して、これ以上はだめかもと分かってきます。

 万年青栽培は毎年一年生

また、一年目と次の年で気候が変わっていく年があります。万年青栽培は毎年一年生という格言もある通り、気候が変わればベストな水やりや肥料も変わっていきます。夏の暑さ、梅雨や長雨、冬の寒さ、風、季節外れの高温など、毎年異常気象の昨今です。どれも、一番良いものを目指さず、7分目、8分目を目指してやりすぎに注意して作れば、上手にいくでしょう。

中級者

酸いも甘いもわかってきます。万年青をよく作る楽しさも味わい、また、万年青がうまく作れなかったり、もしかすると倒してしまう悲しさ、悔しさも味わうでしょう。ですが、失敗の経験から、ここまでやってはだめかなという基準もできてきます。

ここまでくると、枯れる前兆、根が傷む前兆をかすかに捉えれるようになります。植物の「これはやめてくれ~!」というサインをキャッチできるようになって、対策ができます(たいていは私たちが何かをやり過ぎているのでそれを減らしたり、やめたりします)。

 好きな品種は強い?弱い?

初心者の時もそうですが、自分の好きな品種が弱い品種ですと難しくなります。日本に自生している万年青の品種の90%は丈夫ですが、いくつか水やりや肥料は控えめにした方が良いものもあります。中級者になりますと自分の好きな品種をやってみたいと難しい品種にチャレンジすることもあるでしょう。丈夫な品種、枯れにくい品種ならOK!弱い品種ですと今までのように思ったようにいかず、失敗することがあります。

 品種に合わせたお棚作り

自分の集める品種が強いのか弱いのか、ということを経験すると、万年青によって自分の棚や水やり、仕事の合間に世話ができるかなどがよくわかってきて、ある人は自分のお棚でよくできる品種をそろえるようになったり、お棚の中でも日当たりの良いところにこの品種、悪いところはこの品種と場所分けもできてきます。

逆に、特に丈夫といわれる品種でも、自分の棚だとなぜかできない、また、弱い品種と聞くのに、自分の棚ではなぜかできる、ということがあります。これこそ、棚に合わせて品種を考える面白さです。

ちょっと長くなりそうなので、上級者のからす理由はまた別に用意します。

初級者、中級者のまとめ

初心者はまずは基本通りにやってみましょう。ベテランでも初心者でも、初めての場所はえいやとやってみないとわかりません。

小さな失敗、大きな失敗をすることで万年青の限界が分かるようになります。

気候は毎年違うので、万年青栽培は毎年一年生です。

自分の好きな品種は一般的に、弱いのか、強いのかを知りましょう。

強いもの、弱いものでも、自分のお棚に合う合わないがありますので心得ておきましょう。

 

●動画解説 【万年青の育て方 トラブル編】万年青を枯らす理由④初心者・中級者の枯らす原因、理由

【万年青の豊明園】【Why Beginners and Intermediates kill OMOTO?】

 

今まで、万年青が枯れてしまう理由、枯らさないためには、ということで、肥料、水やり、薬害や、初心者さん、中級者さんだからこそやってしまう失敗についてみてきました。それぞれ動画がありますので、興味のある方は見てみてください。

今回は、初心者さん、中級者さんの失敗の原因の次、上級者さんの失敗の原因についてご紹介します。

上級者

中級者、上級者になれば、自分のお棚で殖えた万年青も多くなります。どんなお棚でも、どんな品種でも、自分のお棚で殖えた万年青は枯らしにくいです。私たち豊明園でも、枯らしてしまうときは、新しく他所の棚から買い付けをしたときに枯らすことがあります。逆に自分のお棚では、万年青の豊明園伝統のスパルタ作りで私たちの辛い水やり、薄い肥料に慣らしてあるので枯らすことはありません。

なので、上級者になれば、もうちょっとやそっとのことでは枯らさないと思うでしょう。

昔の方法に固執

今まで自分のお棚で枯らしていない、うまくいっているからこそ、逆に昔の方法に固執してしまって、失敗することがあります。ここ10年ほどの気候の変化によって、昔の水やり、肥料などのベストの時期ややり方も変化していますが、ベテランさんほど昔との変化が大きく、対応しずらくなっています。万年青の状態、気候をみながら軌道修正していきますが、昔からの手癖をかえるのは簡単ではありません。やはりここでも万年青栽培は毎年一年生ですね。

じゃあそんなときはどうするか?

習慣を変える

手癖はなかなか変えれない、ということについて。初心者さんなら、水やりの時間や肥料のタイミングなどは毎回考えてやっているので今の気候に合わせれますが、5年、10年過ぎると習慣になっているので、自動的にこの時間なら水やり、この時期に遮光ネットをかけて、防風ネットをかけて、肥料をやってと体が動いてしまいます。それ自体はいいことなのですが、気候がここまで変わると逆にその経験が邪魔をしてしまいます。

例えば、最近、夏の暑さがひどくなってきていますが、昔と同じ水やりでは多すぎたり、昔は夏の休眠期がなかったのに、今は休眠するおもとがでてきたり、5月の日よけも、今までは1枚で良かったものが、日差しが強くなってきて、2枚は必要になってきたりといった気候と管理の変化です。

用土、鉢を変える

また、手癖や自分の万年青の育て方の習慣はなかなか変えられないし、ストレスになるので、用土や鉢を変えて、今までの水やりのまま、水持ちのよいものから悪いものにしたり、肥料のもちのよいものから悪い用土に変えたり、鉢を通気のよいものに変えるなど、そちらを変えていった方が、ベテランさんには手癖、習慣はそのままで、気候に対応しやすいでしょう。

 希少種、超レア、歴史保存種、難しい品種

自分のお棚に合う品種だけをやれば失敗しないものを、日本に数本しかないものや、超希少種(希少種は性質が弱いので希少種になっているものもある)、歴史保存種など難しいものを育てたくなります。育てたことのある栽培者がいない、つまり説明書のない万年青を、万年青と話しながら(!?)育てていくのはやっぱり面白い。その挑戦の面白さは万年青を始めた初心者さんと面白さは同じかもしれませんね。

また、人によっては、これを自分で育て、殖やさないと万年青界にとって大きな損失だ!と大げさに考えてプレッシャーで調子を崩してしまう人も。大袈裟ですが、希少種で素晴らしい品種ほどこれはあり、過去の文献には最高の品種や、みんなが待ち望んだ新品種が1本も増えずに、、という記事は多く見つけることができます。

 高級品 気に入ったもの

高級品は希少価値が高いので、値段も高いですが、同じく説明書がないので難しいです。高級品の魔力で、高いと思うとついつい水やりも多く、肥料も多くなり失敗してしまうことがあります。これは、100万円などの高級品ではなくても、自分のお棚の一番高いものや、一番気に入っている品種も同じく、水やり、肥料が多くなってしまいます。ベテランになればなるほどこの心理を分かっていて、大好きな品種なのに、わざと横目でしかみないようにして、可愛がり過ぎないようにします。

 

上級者 まとめ

自分で増やしていったおもとは枯れない

自分のお棚で、気候がどう変化しているのか知って、水やりなどの習慣を変えるか、用土、鉢などの万年青の環境を変えて、気候に対応しましょう

高級品、気に入ったものは絶対に水やり、肥料を忘れないので、あえてスパルタ作りを意識しましょう。

ゆくゆくは、日本に自分しかもっていない、説明書のない万年青を、万年青と直接話をしながら、作り上げてみましょう。

 

他の植物をやっている人

他の植物の育て方の癖

他の植物をやっている(いた)人は、それぞれの植物の育て方の癖を持っています。盆栽ですと、夏の朝晩の水やりだったり、菊ですと、暦通りの育て方、伝統園芸の古典ラン(東洋ラン、富貴蘭、セッコクなど)をされる方は水やりの頻度が少ない、施設で夏や冬の管理が必要な海外の植物、ランですと温度管理など様々です。

万年青と他の植物の育て方で違うところ

ほとんどの場合、やはり植物の勘所を押さえてらっしゃるので、万年青もぐんぐん育っていきます。また、その植物で用土などの資材に凝った方ですと、すぐに自分のお棚にあった、かつ、自分の水やりに合った用土、鉢、などを揃えて上手に育てられます。

風通しなどの環境で一概には言えないのは分かった上で、ここで、万年青の育て方が他と違うところを紹介します。

盆栽の場合

盆栽ですと、夏の朝晩の水やりが万年青の育て方と違うところかもしれません。盆栽のように浅い鉢に、細い根の多い樹木を育てているので、水切れは致命傷になってしまいます。逆に、万年青は真夏に休眠をして水やりを減らすこともあるので、育て方が全く逆です。

その理由は、万年青と盆栽で、鉢と植物の大きさの違いを見ればよくわかります。万年青の方が、植物に対して鉢が大きく、その分、水も保つので、盆栽の方が万年青を楽しむとき、夏に水やりが多くなりすぎてしまうことがあります。夏の高温と休眠期は、万年青を枯らす原因 水やり に詳しいので省略しますが、万年青の年中を通して枯らす原因の1位が夏場の水のやり過ぎなので、夏場の水やりさえ気をつければ、皆さん展示会でも上位に入っている方も多いです。

 

菊の場合

日本の伝統園芸の海外の人気

菊は日本の伝統園芸でも特に海外の方に人気があります。私がアメリカに研修にいたときにこぞって日本の菊栽培をアメリカの人が真似をして、またアメリカ式に楽しんでいました。盆栽や、他の日本の伝統園芸は今、海外で非常に人気が高まっています。

菊の育て方 短日植物と暦

菊は特に暦を大切にされるお客様が多いです。短日植物である菊は、暦、太陽の日の長さを感じ取って秋に花を咲かします。なので、暦通りに作業をしていくと素晴らしいものができるように【江戸時代から!】マニュアルができているので、皆様暦通りに育てていきたいのです。

逆に、万年青は観葉植物、葉を見る植物で、花や実も楽しみますが、多くの人にとって葉がメイン。なので、昭和のころの万年青の育て方の本をみて育てていると、今の気温の高さや環境の変化に対応できずに、万年青では失敗してしまいます。

その年の気候、特に現在の夏の暑さに対応して、今の管理を臨機応変にすることで、上手に万年青を育て上げることができます。特にきっかりとした性格の方が多いので、気候に対応してコンスタントに良作、最上作へとステップアップしやすいです。

伝統園芸のランの場合

富貴蘭、セッコクですと水苔巻きが主流なので、水持ちは非常に良い。したがって、水やりの頻度も少ないです。また、東洋ランでは水持ちの良い用土を用い、遮光をしっかりとするので、やはり水やりの頻度は少ないです。

万年青栽培で一番失敗する、夏の水のやり過ぎで失敗される方は本当に少ない。なので、両方育てる方も今は特に多くなってきました。盆栽、菊は日を欲しがりますが、これらの伝統園芸では日よけネット、遮光ネットを使うのでそれらも代用でき、同じ場所で育てられます。

水持ちがいいので、水やりの頻度が少ないため、夏には失敗しませんが、逆に、春秋の新根の伸びるころの水やりも少ないため、新根が降りにくいことがあるかもしれません。そこに注意するぐらいですね。冬、富貴蘭では完全にカラカラにすることもあるでしょう。万年青はそこまでしてしまうと水切れによる葉焼けが起こるので、そこを気をつけます。

海外の植物の場合

今、非常に多くなっていますね。植物マニアの方で、特に凝った方ですと施設もプロ並みのものを揃えて楽しんでいる方も多いでしょう。温度管理、湿度管理にシビアなもの、夏に水を切ってしまうもの、など日本とは全く違う場所の自生地に合わせて環境から作りこんでいくので、非常に丁寧に事前準備をされます。自分の棚に合うのか、育てられるのかがよくわかっている方も多く、自生地 はこのような場所ですよと言えば、すぐに準備ができます。万年青の場合は日本に自生しているのでそこまでシビアな温室管理は必要ありませんので、あとは育てている植物との環境の相性になってくると思います。

 

 

 

前の記事 万年青が枯れる原因、理由と枯らさない方法

万年青が枯れる原因、理由②水のやり過ぎ 枯れないようにするための方法、対策

万年青を枯らす原因、理由 初心者、中級者、上級者 他の植物をやっている人

万年青のトラブル編  豊明園リンク集

万年青 葉枯れ おもとの葉色が変わる  

万年青の葉落ち 自然の葉落ち

万年青が枯れる原因   

万年青の病害虫 病気、虫について リンク集

 

おもと 動画 Youtube

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おもとの育て方 8月 岡崎市

万 年青 夏 岡崎市 豊明園 8月の栽培管理

 

気温と地域で変わる休眠期・水やり

気温と地域 休眠期との関係

暑い地域 最低気温が25℃以上

8月は暑さが一番強く、また長く続く月です。太平洋側でも特に暑い場所では8月は常に最高気温35℃以上、最低気温も25℃から下がらない地域もあるでしょう。このような地域ではほとんどの万年青が夏の休眠期に入ってしまい、葉や根の生長を止めてしまいます。生長せずに呼吸だけをしている状態なので、水も生長期と比べると頻度が少なく、肥料も切ってしまう方がほとんど。盆栽では真夏は朝晩水をかけて、という方もいらっしゃるようですが、万年青は休眠期に入っているので水をやっても吸い上げず、蒸れ、水のやり過ぎによる根腐れの原因になってしまいます。

ここで注意しているのが、真夏でも元気のよいもの、若いものは生長を止めない鉢があること。休眠期に入っている鉢とまだ生長している鉢では水の乾きがかなり違ってくるので、どちらに合わせるのかが肝。休眠期に合わせると水が少なく生長を止めてしまいますし、生長期の鉢に合わせると休眠期は秋の植え替えの際には根はかなり腐っているでしょう。一鉢づつ水やりができればベストですが、生長しているものを揃えてそちらだけは水の乾きを丁寧に見ていくことがいいのではないでしょうか。

 

涼しい地域

逆に、昼間は同じように暑くなっても、夜間はエアコンを入れなくても大丈夫という地域もあると思います。そういった地域では夜間の気温が万年青の生長期のベストな気温になっています。生長しているうちは夕方しっかりと水やりをして、根、葉の生長を止めないようにしましょう。そういった地域ではついつい肥料が多くなりがちで、肥料で根を傷めることがあります。昼間はかなり暑くなるようでしたら、肥料も控えめにしていった方が安全です。

 

休眠期と温度、湿度

気象庁の過去の気象データから、東京8月の日の最低気温24.18℃最高気温31.56℃、平均気温は27.34℃(2015-2019の5年平均)、暑いときは、最高気温が1995年33.7℃、2010年33.5℃のような特に暑い年もありました。また、湿度は79.2%と80%の湿度があります。

岡崎では、

降水量
(mm)
平均気温
(℃)
日最高気温
(℃)
日最低気温
(℃)
平均風速
(m/s)
日照時間
(時間)
128.1 27.0 32.3 23.0 1.5 206.4

 

私たちの外棚、温室では風が止まるときがあり、そんな時は40℃にもなるほど高温になり、おもとより先に人が参ってしまいます。また、湿度も100%近い過ごしにくい日が多くなります。

万年青は、経験則になりますが、気温が30℃を超えだすと、かつ、湿度が85%を超えてくるとだんだんと休眠期に入るような気がしています。気温が高くても湿度が低かったり(冬、春の乾燥した日の日差しの強い日)、湿度が高くても気温は低い梅雨のようなときは万年青は動きやすいです。高温と多湿の両方揃うことで、万年青は休眠期に入るようです。また、最低気温が25℃以上の日が続くと万年青にもよくないように感じます。

生長していない、休眠期に入ったと思ったら、まず水やりを控えめにしてください。

 

8月3日 日差し、よしづで調整しています。

気温が上昇して、真夏日や熱帯夜になりますと、オモトは成育が停滞して、休眠状態になります。この時期はできるだけ涼しい環境にして管理します。

 

8/20からの気候の変化

ここから、真夏のただ暑い時期から、秋へ変化していきます。8/20前後を境に、だんだんと根の吸い上げもよくなり、新根、根毛も活発になり、乾きがよくなります。この時期から乾かせすぎると新根の動き、根の動きが悪くなるので気をつけます。

病虫害も、季節の変わり目で出始めます。まだ目に見えて変化、被害はありませんが、ここで消毒をしておかないと、9月に大きな被害になるので、殺菌剤、殺虫剤をしておきます。

 

潅水

8月24日 オモトの抜き水、鉢底から水がでるまで。

夕方の潅水になります。月の前半は渇き気味にして管理します。15日をすぎると少し気候がかわり渇き具合が早くなります。

夕方の水やり

暑い時期では、朝の水やりの水が、昼間の日差しで暖まり、鉢の中が煮えてしまうことがあります。そんな場合は、早朝の5時ぐらいに水をやり、日が強くなる8時までには水がしっかりと切れているようにしたり、夕方に水をやって、逆に鉢の温度をさげてやることもよいと思います。

雨をあてるか?

8月の雨で、どしゃ降り、大雨、長雨は少しは万年青に当てますが、あとはビニールを引いて、長く雨に当てすぎないようにします。小雨でしたら、一日中当てることもあります。

雨はしっかりと鉢の中の水、空気が入れ替わるので、私たちは大切にしています。

採光

8月12日 よしづやダイオネットで遮光

日光は朝のうちほんのひとときだけあたるようにし午前8時頃までにはよしづやダイオネットなどて日覆いをします。日差しの強い場合は2重にする場合もあります。

逆に、冷夏や雨がちの夏では、日を良く採ってやりましょう。そんな年では万年青は日照不足になり、徒長の原因になってしまいます。

8月25日 福の光(ふくのひかり)採光の仕方で柄の出方がかわる。

通風

8月13日 ダイオネットで遮光、窓を全開して通風をはかる。

強い日差しをさえぎっても、オモト棚に風が通らなくなってしまったのでは、なんにもなりません。遮光と相まって、通風の効果が上がるように配慮し、真夏を涼しくしてやります。

施肥

アク水 ワラ灰

夕方の潅水時に灰汁水を混ぜてやります。月4回程度行います。

液肥、微量要素、竹酢液

極々薄い2万倍ほどの液肥・スーパー1や、微量要素のマルチケーミン、竹酢液も月に2度ほど行います。

液肥はその年の気候によって回数を減らしたり、増やしたりします。濃度は薄いままです。

オモト病害虫の予防と駆除

8月25日 農薬散布。葉の表・裏側・前面に霧状に散布、付着させます。

高温多湿が、オモトにとって致命傷といわれる青にえ・芋腐りと根おちの原因になります。オモトの栽培棚を涼しくしてやることや、鉢を渇き気味にすること。また灰汁水を与えることが芋腐れや根おちをさせないためにのなによりの予防法です。

まず、薬で抑えるより、健康的につくることで、健全に生長。肥料が多い、水が多すぎる、と夏の暑さや病気に弱くなってしまいます。

 

下葉の変化

8月

8月14日 下葉の葉色ががわる、新根が出て葉を破っているため赤く葉が変わります。

 

 

8月10日 芋吹き、元気よく新根が伸びています、砂から持ち上がってしまいました。植え替えして直します。

 

万年青の実

8月11日 BO10 実が大きくなり、実にも縞柄がわかります。

8月28日 種が膨らみ、皮が破れる。日照が強いと表皮が堅くなりその時、雨などがふり湿度が高まると、中の種が膨らみ皮が破れます。8月中頃から雨に当てないようにすると防げます。

 

実生について

8月24日 千代田実生 柄がよくわかります。

 

8月27日 実生、はきり分かるようになり選別します。

 

おもとの生長

8月12日 元気にしています。白い粒はカリ分の補給

8月26日 雨上がり

 

植え替えについて

植え替えのベストな時期は春と秋の生長期の少し前です。

なぜ少し前かというと、植え替えをすると万年青が新しい用土に慣れるまでに時間がかかり、その分、生長を止めてしまします。

8月はさすがに早すぎるので一般のお客様にはおススメしていません。秋の植え替えなら、9月の彼岸か、最近の暑さを考慮して10月ごろがよいでしょう。

豊明園では万年青の数が多いので8月終わりから秋の植え替えを始めます。植え替えの刺激で秋の新根が降り始め、下葉が非常に落ちやすくなります。その代わり、9-10月の秋の生長期には根も十分あるので、生長もしっかりとします。

植え替えは、美術木で葉数のあるものは展示会の直前、数日~1週間前がベスト。

若木など新根が降りやすく、また、多少葉が落ちたところですぐに新しい葉がでてくるものでは生長期に入るところか、少し前に植え替えしてもよいです。ですが、一番安心で、安全策なのは春、秋の生長期。

 

冷夏の場合

私たち万年青の豊明園の愛知県岡崎市では、夏は9割は暑さと湿度、風が止まることへの対応ですが、極まれに冷夏も訪れます。そんなときはまず日照も足りないので、日よけのタイミングも変わってきます。よく日に当て、健康的に育てること。また、肥料も涼しいのでやりたくなると思いますが、やりすぎず、ごく薄い1万倍以上の肥料を、日の良く出た日に。もしかすると、夕方の水やりにしなくても朝の水やりで対応できてしまうかもしれません。普段は万年青の休眠期を気をつけますが、夏中生長する場合は、水を切らさないようにしましょう。風が通るようなら、扇風機なども無駄になります。

いきなりガラっといつもの暑さに戻るといけないので、肥料のやり過ぎは気をつけましょう。

 

8月の万年青の育て方 注意点

7月に同じ。 万年青の育て方 7月 おもとの採光・水やり・通風

ホースの水、薬害、肥料のやり過ぎ。この8月の注意点に書いてない注意したいことも書いてあります。

8月の育て方で、失敗するもとは、夏の暑さ、直射日光の強さと気温の高さという環境です。

夏の暑さ ホースの水、鉢の中の水

夏の暑さで、ホースの水が熱くなっていて、それを万年青にかけて傷めてしまう、また、万年青にかけた水が熱い日差し、高い気温で鉢の中で高温になってしまい、鉢が煮えてしまうことがあります。

ホースの水は、水やりをする前にしっかりと水を出して、冷えた水になっているのを確認することで、問題ありません。

水やりの水が鉢にたまり、その水が煮えてしまうのを避けるために、暑い昼間や、その前に水をやるのは控えます。本当の早朝5時や、夕方、夜に水やりをして、日差し、直射日光が当たる前に水がしっかりと切れているようにしましょう。ここでしっかりと水が切れているというのは、カラカラに乾燥させる、という意味ではなく、適度な水の量、という意味です。

液肥、薬剤は使い切る

極々薄い液肥などをやられる方は、温度の高さですぐに腐っていきます。傷んだ水を上げるとやはり万年青によくないので、液肥は使い切って、きれいに洗います。また、農薬、他のものも、夏場は特に使い切り、清潔にすることを心がけます。盲点なのは、ホースの中に液肥などが残っていること。液肥をやったホースは、綺麗な水で流しておきましょう。じょうろなども同じ。

芯の水

同じく、水やりに関わることですが、万年青によっては、水をやったあとに、葉の芯に水がたまるものがあります。そういったものでは、夏の暑さで芯の水が熱くなり、新芽が傷む、病気になることがあります。水をやったあとに芯の水を筆やティッシュペーパーで取り除くことや、水やりの時に葉や、芯に水がたまらないように鉢の用土にだけかけることで防げます。水やりの時の注意点の他にも、強い直射日光が芯に当たるのを防ぐために遮光をする、建物の陰におく、風を通して、涼しい場所にすることもお勧めです。

また、芯に溜まるのが、水以外にも、液肥、薬剤などがあるので特に注意します。

夏の植え替えのしにくさが、手遅れになることも

この時期は、何か変だな、と思っても植え替えしにくいのも難点の一つです。春や秋なら、何かおかしいと思ったときにすぐに植え替えをして、芋根、用土の状態も調べることができます。夏場がそれが躊躇してしまいます。何も状態が悪くなく、ただ葉が黄色くなっているだけで植え替えをして、下葉がもっと葉が落ちる、ということを避けるためですが、ここは直観に従って、おかしいと思ったら植え替えや、根芋のチェックをして、調べることをお勧めします。調べてみて、結局状態がよいなら、その万年青が数枚、葉を落とすだけで自分の経験になります。やはり水が多くて根が傷んでいるなど原因が分かれば、それからの水やり、環境などを変えて、よくすることができます。

 

8月の育て方 注意点のまとめ

・ホースの水をしっかり確認すること

・直射日光や日が強くなる前に、鉢の水がきちんと切れていること

・液肥、薬剤は使ったら、使い切る事

・葉の芯に溜まった水、液肥、薬剤に注意すること

・夏場の植え替えは、葉が数枚落ちるリスクと天秤にかけて、大事になる前に躊躇なくすること。

 

●動画解説 【万年青の育て方】8月の注意点 ホースの水、芯の水、調子が悪いときの植え替え

【万年青の豊明園】【Points of OMOTO in August】

 

●動画解説 【万年青の育て方】8月の管理の基本 植え替えは×、万年青の休眠期、8/20 日よけ、病害虫、冷夏

【万年青の豊明園】【How to Grow OMOTO in August】

次の記事 万年青の育て方 季節の管理について

おもと春の管理

万年青の育て方 3月 オモトの採光・植え替え・種まき

万年青の育て方 4月 おもとの採光・肥料・芋吹き

万年青の育て方 5月 万年青の採光・肥料・交配

万年青の育て方 葉焼け オモトの日焼け

万年青の種まき おもとの繁殖 3月種まき

 

おもと夏の管理

おもとの育て方 6月 万年青の採光・水やり・肥料

万年青の育て方 7月 おもとの採光・水やり・通風

万年青の育て方 8月 オモトの採光・水やり・通風

万年青の置き場所  6月 自作棚

万年青 の育て方 夏から秋の管理       オモト・採光・水やり・根っ子

夏の栽培 注意点 芯の水が煮える オモト直射日光

 

おもと秋の管理 

万年青の育て方 9月  万年青の採光・水やり・肥料・台風

おもとの育て方 10月  おもとの採光・水やり・通風・展示会

万年青の育て方 11月  11月オモト・採光・施肥・根っ子

岡崎 万年青の根っ子      10月の根っ子

万年青の管理  水苔・植え替え

 

おもと冬の管理 

万年青の育て方 12月岡崎 オモト潅水・採光・防風・防寒

万年青の育て方 1月 岡崎 オモトの実・寒さ対策

万年青の育て方 2月 岡崎 オモト冬の管理・根・肥料・水やり

冬の寒さ対策       12月凍る場合の寒さ対策

おもとの耐寒性      アメリカ・ロングウッドガーデン

おもとの耐寒性      寒さに強い植物

 

 

曙 (あけぼの)

曙 基本情報

分類    大葉系統  曙系  江戸おもと
作出年代  藩政時代
登録    昭和40年
作出者
命名者
登録者    日本萬年青連合会
作出地    鹿児島県

曙 (あけぼの) 鉢 7.0号

葉長50㎝、葉幅9㎝内外の大型種。古くから鹿児島地方に存在していた品種。葉は緑色で光沢があり、葉の中央部はふくらみ、葉先はすらりと尖っています。卵黄色の斑が葉の中央より下部に現れ、採光が強いと白色の中透けとなって良く残ります。採光が弱いと、中透けは出にくくなります。

 

NHK趣味の園芸 で放映された『曙』あけぼの

曙 (あけぼの)

(太鼓胴蔦花楽鉢) 江戸 中・後期

NHK趣味の園芸 で放映された『曙』あけぼの

大江戸花競べ 十二選 第7回
万年青(オモト)雅なる”葉芸”の競演  講師 豊明園 水野豊隆

2019年10月27日 日曜 午前8時30分から3回再放送

撮影場所 愛知県岡崎市 岡崎城・岡崎公園・豊明園

大葉おもとは、別名「薩摩おもと」とも呼ばれており、現在でも九州地方でさかんに栽培されています。江戸時代に各藩がその地方独自の産業を発展させてきましたが、薩摩藩が独自の産業、藩の美術品としておもとを門外不出のものとしたと伝え聞いています。そのため、今でも鹿児島ではおもとはとても大切にされ、武家屋敷などに植えられています。

曙 (あけぼの) 2年生

大型種で農緑色の葉に卵色の曙色現す。性質は強健で作りやすい品種。採光を強く採ると写真のような色に出来上がります。又日光が不足する場合緑の葉が多くなります。露地植え可 実付き良い品種。

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ホームセンター、園芸店で販売されているおもと

あけぼのおもと・宝船おもと