太陽殿の虎(たいようでんのとら)

分類    大葉系統 覆輪系 虎
作出年代 昭和53年頃(年)
登録    昭和60年
作出者  小倉利夫
命名者   小倉利夫
登録者   森衙郎・河村好正・森健治

 広葉で、黄白色の大覆輪と白虎を現し、波を打つ葉型になる。
性質は強健で作り易く実付き良い品種。

元木の太陽殿(たいようでん)は大葉覆輪を代表する人気品種。大きく深く入る覆輪と、波打ち、葉幅広くのび、葉先の尖る姿は美しい。

大きく白い虎柄が現れ、華やかに太陽殿を彩る。太陽殿の濃紺と虎柄の相性も抜群。

名前がよいので、家康公のように、引越しやお祝いに贈っても喜ばれます。おもとの中でも大きな種で、もちろん赤い実もたくさんつきます。地植えにも向く。

 

おもとは一葉の中に森羅万象を現します

太陽殿は堂々としたその姿から太陽の名にふさわしい姿。

虎という白い大きな柄は、虎柄と言われ、虎にたとえられます。

 

楊貴妃 (ようきひ)

分類    薄葉系統 群雀系
作出年代 平成27年代(年)
登録    昭和55年
作出者   水野雅章(豊明園3代)
命名者   水野雅章(豊明園3代)
登録者   水野豊隆(豊明園4代)

砂子の女王 楊貴妃(ようきひ)

薄葉系、小型の砂子柄群雀系統。雀芸はほとんど現さないですが、砂子柄は鮮明で美しく、直線的で鋭さがあります。こういった柄物には珍しく、葉肉が厚く、芸も現すのも見逃せないところ。名前の通りの美しい品種です。ここ数十年、「小型の美麗品」があまりなかったので注目度がより高くなっています。まだまだ数は少ないですが、性質は強健で、割り子でよく殖えるので入門者でも安心。砂子柄全般にいえることですが、肥料、採光は強めにした方が柄が鮮明になり、葉も厚くなります。葉焼けしにくいので、春からしっかりと日光を採ります。

 砂子斑をもつ品種は少なく、大葉では 阿賀野川(あがのがわ)、獅子では、砂子獅子(すなごじし)、中葉に、錦昇龍(きんしょうりゅう)、同じグループの群雀系統では白鶴(はくつる)、玉雀(たますずめ)、錦王雀(きんおうじゃく)、瑞雲海(ずいうんかい)、などありますが、どれも古い品種で、今では砂子斑を持つ新品種や、新品種を作出する実親(交配親)がほとんどなくなっています。特に砂子群雀と呼ばれた群雀のグループは主に愛知県幡豆郡(現西尾市)で作出され、流行が去ると作出した親までなくなってしまいました。

 今では面白い話ですが、柄の中にも格付けがあり、作出がとても難しい千代田斑や、突然変異でしか生まれない図柄や虎柄が最上で、縞柄、胡麻斑、曙柄、などがあり、矢筈柄や砂子柄はとても丈夫でよく殖えるということで入門向けに見られていた時代もありました。が、今またその丈夫さや美しさが長所となり、おもと界全体として見直されつつあります。

 古くからおもとの流行の歴史を見ていくと、無地物ともよばれる地味なものや、芸を楽しむ羅紗が人気の時代と、こういった砂子柄や図柄、縞柄、虎柄などの美しさ、綺麗さのある柄物おもとが人気の時代が交互に昇ってきています。渋く芸を楽しむおもとと、今、人気がゆっくりと盛り上がってきた砂子柄のように華やかで美しいおもと、両方を楽しめる良い時代になりました。

 

大像観 (たいぞうかん)

分類    大葉系統   江戸おもと
作出年代  江戸時代
登録
作出者    (不詳)
命名者
登録者
作出地  

広い葉巾は少し波葉を見せる。
雄大な品種、性質は中品種。

大象観とも       たいしょうかん たいぞうかん

江戸時代からの品種で、生花を池坊で楽しんでいる方ではなじみ深いかもしれません。池坊では七種花伝という大切な七種の生花を選んでいて、祝いの花、正月の花、結婚式の花に万年青を使っています。

その時に使うのが縞のない、青いおもと。深い青に、赤い実が映え、縁起のよい取り合わせになっています。江戸より古くは、万年青は老母草と書いて、オモトと呼んでいて、様々な説がありますが、青い葉が赤い実を包んでいる姿が、母が赤子を包んで守っているように見えるからだとか。広い葉の大象観らしい描写です。

現在も正月前になると生花用に花屋さんで扱われます。マニアの間では、大象観に縞の入ったこの品種が人気です。非常に珍しく、まず手に入りません。

大葉系統を植えるのに楽鉢と迷うのがこの薩摩鉢。古さもあり、味があります。

 

 

岳陽 (がくよう)

分類    羅紗系統
作出年代 昭和58年代(年)
登録    昭和55年
作出者   水野雅章(豊明園3代)
命名者   水野雅章(豊明園3代)
登録者   芦田潔・水野雅章(豊明園3代)
作出地   豊明園

小型種で葉繰り良く、盛り上がる地合いに彫りの深い起伏激しい総雅糸竜でゆず肌地、肉厚の雅糸竜が魅力、性質は普通品種。
実親「三河大宝」に「太陽」を交配して作出しました。

1年生 芋吹き

 

長春閣 (ちょうしゅんかく)

分類    羅紗系統
作出年代 昭和41年代(年)
登録    昭和55年
作出者   水野淳蔵(豊明園2代)
命名者   水野淳蔵(豊明園2代)
登録者   水野淳蔵(豊明園2代)
作出地   豊明園羅紗の高級人気品。おり下げの良い美しい葉姿が魅力。細かく繊細な雅糸竜が、全面にかかり、気品あるおもと。大宝F1と晃明殿の交配。

性質は、丈夫で、採光は充分に。芋吹きが多い。芸最上の作りがいのある木非常に丈夫、雅糸龍 がしりゅうの美しさで右にでるものない、葉肉の厚さも特筆すべきポイント

羅紗芸の中でも人気の芸は、この長春閣に代表される、雅糸龍です。おおくの羅紗実生家が、雅糸龍のすばらしいものを目指して交配を重ねます。羅紗の雅糸龍で、もしこの長春閣を超えるものができれば、その木はまず羅紗のトップの人気になるでしょう。今の雅糸龍の芸で最上のおもと、長春閣。葉の厚さ、雅糸龍の美しさ、太い腰から鋭い葉先にかけての雅糸龍はほれぼれするようで、ある人には日本刀を思い起こさせます。若い頃の芸も楽しく、毎年よくなっていく、厚くなっていく葉には期待が膨らみます。

葉幅もあり、小型でありながら迫力は十分。緑の芸術として、作っていきたい品種です。

 

白蝶 (はくちょう)

分類    薄葉系統  矢筈系
作出年代 不明
登録    昭和6年
作出者   不明
命名者    水野淳治郎(豊明園初代)
登録者    水野淳治郎(豊明園初代)
作出地   愛知県 

蝶が羽を広げた形になる、白い柄は矢筈柄、甲竜や剣葉を見せる。5月6月の新芽が伸びてくる頃採光を十分すること、9月後半まで朝日を当てて管理すると白さが鮮やかになります。葉姿と名前がマッチするおもと、稀少品種

非常に古い品種。今お持ちの方は皆から尊敬される相当なマニアです。中型で、鉢は3.5号から大きく株にしても4号ほど。10.5センチから12センチの直径の鉢に収まります。日本全体の温暖化や日差しの強さで、この矢筈系統や曙系統は柄が出やすく、楽しみやすくなっています。気温が上がるほど、また、日に当てれば充てるほど、これらの系統は柄がでます。葉の薄めのものは多少気にしますが、この白蝶は葉肉が非常に厚く、新芽の動き出すときから伸びきるまで、しっかりと日で“あぶって”あげましょう。あぶり出しのように柄がでてきます。その時に、朝日が当たる場所に置ければベストです。どのおもとも朝日が好きなので、朝日が一番よくあたる場所がそのお棚の持ち主の一番好きなおもと、とも言われます。

朝日は昼間の光に比べて、光はしっかりと当たりますが、葉が焼けることはありません。

四君子 (しくんし)

分類    薄葉系統  獅子系
作出年代 昭和36年代(年)
登録    昭和58年
作出者   水野淳蔵(豊明園2代)
命名者   牧野博(埼玉県)
登録者    牧野博
作出地   愛知県 命名者

おもとの系統の中で、初心者さんに真っ先に覚えてもらえるのが獅子系統です。くるくると巻く、可愛らしい姿は女性や若い方に人気で、引越しおもとなどでもよくでます。そんな獅子の中でも、芸の素晴らしいものは『四君子(しくんし)』です。でた当初は、その気品のある芸、巻きの魅力に、獅子のスーパースターと呼ばれました。

獅子系の代表品種。粗い地合いを持ち、若いうちは高い甲竜を現し、成長するにつれ低い総雅糸竜を現す。巻き方は強く、折れ曲がるような‘角巻き’をみせて力強い。姿は乱さず、きめの細かい地合いは繊細で上品な容姿となり一見して判別がつく

四君子は、豊明園2代目の水野淳蔵が昭和36年に麒麟獅子×晃明錦の交配で作出。 当歳で、命名者の牧野博氏(埼玉県)に棚入れしたが、価格で1万円!当時では破格の値段で、業者仲間には高すぎる、良くならない、といろいろ言われたそうです。牧野氏は東京大学出身の医学博士で、水野淳蔵とは同い年。気も合い、ともに名もない実生時代から、四君子を伸ばしていきました。

獅子芸

寿岳 (じゅがく)

分類    羅紗系統  胡麻斑系 
作出年代 昭和45年  
登録    昭和61年
作出者   水野淳蔵(豊明園2代)
命名者   水野雅章(豊明園3代)
登録者   寿岳推奨会 

作出地   愛知県

 

 

 

寿岳(じゅがく) 5年生 鉢3.7号
柚子肌の地肌に胡麻斑を現し雅糸竜、甲竜を見せる品種です。
『福寿龍』×『金晃明』の交配により生まれ、培養を重ねるうちに王者の貫禄が備わった。
培養は採光を充分おこない管理、繁殖は普通。

ゴマ羅紗の王者。

江戸時代の万年青趣味に通じるものがあるのか、万年青の緑、葉の厚み、貫禄を楽しむ。ゴマ斑をもち、黄金の胡麻を葉に散らし、独特の地合いがあります。胡麻羅紗の王者と言われるゆえんも、その地合いの素晴らしさから。ドキッとするような地肌は美しく、いつまでも眺めていたい。加えて、その地合いを引き締めるかのような雅糸龍は力強く、深い渓谷を思わせます。胡麻羅紗のレベルを上げ、裾野を広げた立役者。作出され50年近くたった今でも、人気もあり希少ですが、色あせない魅力を楽しんでみてください。

 

 

太陽 (たいよう)

分類    薄葉系統   
作出年代 昭和48年(1973年)  
登録    2001年
作出者   水野淳蔵(豊明園2代)
命名者   水野雅章(豊明園3代)
登録者   水野雅章(豊明園3代)
作出地   愛知県 豊明園 

 

堂々とした迫力の『太陽』太陽系統(縞甲系統)の人気品種です。巾の広い葉に、深い覆輪、黄金色に輝く雅糸竜が昇り展示会でも、お棚でも、主役になれる木です。

幅広で立ち葉性の葉姿には迫力があり ます。黄金の総雅糸竜は細かいながらも低く荒々しく、波を打ったような特徴的な葉芸を見せる人気品種。

最初はみおやとして頭角をあらわした太陽覆輪がまわり、表情がかわり、登録されることにそれでも、実がなると楽しみで、ついついつけてしまいます『岳陽』 がくよう を生んだ親

紅流し (べにながし)

分類    薄葉系統   江戸おもと
作出年代 江戸時代
登録    
作出者   不明
命名者   不明
登録者   不明
作出地  不明

 

紅流し(べにながし) 5年生 鉢 3.8号

緑色の葉は光沢があり葉縁に波葉をを見せる品種。
やや垂れ葉のゆったりとした葉姿の魅力の品種。

背筋の葉脈は12月頃より赤く紅をさす。秋から冬にかけて寒風にあて
又霜にも当てると紅が現れます、性質は強い。紅を現わす系統は数少ない稀少品種。