万年青が枯れる原因、理由と枯らさない方法

植物 万年青が枯れる原因、理由

よくある失敗

 

おもとが枯れる原因

 おもとが枯れる原因  肥料

肥料の濃さ

よくある失敗としては肥料やけを起こされる方が多いです。肥料の裏書き通りに施肥すれば安全だと思い、失敗をしてしまいます。普通の草花は枝葉を茂らせ花を沢山咲かせますが、おもとは毎年数枚しか 葉っぱを付けないのであまり濃い肥料は必要ありません。特に化成肥料の場合パンジーなど花を多く付 ける物を目安に設定していることが多いので、同じサイズの鉢でも肥料の要求量はおもとと桁が違います。

濃い施肥をすると初めは葉っぱの緑が冴えて一見順調なように感じることがありますが、肥料やけを 起こしたり、芋が腐ってきたりして夏に急速に枯れてしまうこともあります。

  濃いとなぜ枯れる?

ナメクジに塩をかけると、ナメクジの水が抜けるように、濃い肥料をかけると根から水が抜けていきます。根に肥料を吸わせたいのに、高濃度の肥料が、逆に根の水分をすっているのですね。そのため、ごく薄い肥料にした方が、肥料の吸い上げはよくなります。

  肥料の時期

肥料が薄くても、夏場の暑い時期にやってしまうと肥料痛みを起こします。暑さで水の吸い上げがよいので、鉢の中の水分が急に少なくなることがあります。そんなとき、肥料の濃さが濃くなり、傷みにつながります。(例えば、夏の朝に水が10あって肥料が1だったのが、昼間では水の吸い上げで水が2に肥料が1になり、濃度が相対的に非常に濃くなってしまう) 肥料を煮詰めたような状態ですね。

 

 

  肥料の載せ方

玉肥は鉢の縁側に置き複数置く場合は1週間以上してから反対側に置く、生育期に細く長く効かせます。

置き肥えなら有機肥料の小さめの玉肥えを一粒ずつ時期をずらして置いたり、液肥なら規定量の半分 以上薄めたものを、いずれもおもとが活発に生長している期間のみ与えるのが無難です。

おもと用に長年使われている有機肥料早く効き、 薄めれる液体肥料と長く効く玉肥。玉肥は鉢の縁側に置き複数置く場合は一週間以上してから 反対側に置く、生育期に細く長く効かせる

肥料について深く知りたい方は

 

●動画解説【万年青の育て方 トラブル編】万年青が枯れる理由①肥料の濃すぎ、やり過ぎ

【万年青の豊明園】【Why OMOTO die with Fertilizer?】

 おもとが枯れる原因  水遣り

2例目として水やりの塩梅が分からず弱らせてしまう方も居られます。水やりは鉢の芯が乾かない程度のタイミングで抜き水をすれば大丈夫です。注意したいのは、桜の咲く頃から梅雨までは葉の付け根 から新根がおりる時期です。ある程度の深さまで伸びきる前に乾くと、新根が止まり来年からの出来が 悪くなってしまいます。風により表面だけ早く乾いてしまう場合もあります。そういった場合は振り水 と言って表土が湿る程度の水をあげる方法で対処すると良くできます。

潅水の時期 表土の富士砂の色変わりで換水の目安を見る。楊枝、竹櫛を抜いてみて湿っているか確かめる。

環境や植え込み材料などで漼水の間隔は違ってきますし、観察してみると元気に生長している鉢ほど 乾きが早くなっているはずです。乾燥すると根止まりしてしまいます。が伸びるまで養生しましょう。

日光と温度変化も気を付けたいですね。蛍光灯のみの自然光の入らない部屋で管理すると、徒長させ たり、植物には強すぎる冷暖房の風で弱ってしまうこともあります。弊園では外に置き、季節により可 動式の寒冷紗1・2枚で日光を制御しますが(真夏で75%遮光)寒冷紗張りっぱなしでも構いません。鉢数が少ない場合木陰や家の北側などの明るい日陰に置き管理すると良いでしょう。

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おもとが枯れる原因  水遣りについてもっと深く

万年青の乾きをみる

日差しがきつくよしづをのせる。8月3日

明るい部屋でも冷暖房を付けられる方は直接の風が当たらないようにするか、その期間だけ外の日陰 にだして管理することをお勧めします。

この点さえ押さえれば、おもとはうまく育てられます。

枯らさないために 肥料と水と日

おもとは、1年に出る枚数はほぼ決まっていて、大黒殿や白鶴など葉の良く出る細葉タイプのおもとで3〜6枚、広葉の力和や新生殿ですと2〜4 枚の葉がでます

しっかり葉を出させるには、肥料と水と日を適度に与えることが必要です。肥料や水は、与えすぎればおもとが弱くなり倒れやすく、日は強すぎれば葉やけや葉が凝ってしまいます。(凝る葉が 固まってしまい、新しく葉が出にくくなる葉の 伸びが悪くなる)。おもとが凝ってしまうのは、灰汁のやり過ぎでも起きます。

また、水切れを起こすと、発根や、根の伸びが止まり、成長が遅くなってしまいます。肥料切れ を起こすと、葉巾が狭くなったり、葉色が薄くなります。日が弱いと、徒長し、首も細いひょろり とした貧弱なおもとになってしまいます。人それぞれ、お棚の状況は違いますここに、水遣り三年(10年?)と言われる難しさ と面白さがあります。その状況で良くできる水やりと肥料、日の与え方を天気を見ながら、おもと と話しておもとに教えてもらいましょう。

枯らさないために やり過ぎより、7分目

いっぱい、いっぱいまで水や肥料をやれば、葉数も多く、広葉のよい葉が出てきます。ですが、気 候がいつもより高くなったり、長雨がつづいたり すると状態が悪くなってきます。全国大会や地方 大会で上位を狙おうと思えば、その年に勝負でぎりぎりまで肥料を置くこともしますが、倒すのも 覚悟の諸刃の剣。何事も7分目でやれば、気候の大きな変化が来ても安心。今年伸びなかった分は来 年楽しもう、と懐深くおもとと付き合ってみては どうでしようか。

おもとが枯れる原因 薬害

これは、失敗してしまうと全滅やすべて生育不良にしてしまうことがあります。

消毒について の薬害のページに詳しく載せていますが、高温、直射日光、濃度の違いで、最悪の場合、万年青だけでなく、育てている植物すべてに効いてしまいます。全滅までいかなくても、1年すべてが生育不良になると取り戻すのに早くて1年、症状が重く、次の年まで効いてしまうと4年ほどかかってしまいます。

説明書をよく読んで、その通りにやること。特に、気温の高いときと直射日光が当たっているときは×、曇りで、雨も降らないときにしましょう。

消毒について

おもとを、綺麗に作りたい、また、病気にかからないように作りたいと思えば、消毒をしっかり やらなければなりません。基本を押さえて失敗し ないようにしましょう。

農薬を散布する時間帯、天気 日が強い時、植物は根から沢山水を吸い上げ、蒸散します。この時消毒をやってしまうと、薬の 吸い過ぎで薬害が起きてしまいます。葉が縮んだ り、不自然な落葉します。消毒を行う時は、天気 の良い日は避け、曇りの日や夕方に行いましょう。 雨の日では散布した消毒が雨で流れやすく効果が なくなります。展着剤も忘れずに混ぜましょう。 説明書をよく読んで

農薬は、濃くても薄くても効きません。濃ければ薬害がでますし、薄ければ病原菌の防除はでき ません。説明書をよく読み、きちんと倍率を守って使ってください。

消毒について

農薬の種類

おもとの病害虫ごと にいくつかの薬剤があります。同じものばかりを 使っていると病害虫に抵抗性ができますので、数 種類交互に散布すると効果的です。

  • 「赤星病タンソ病」ベンレート水和剤、ダコ ニール1000水和剤など
  • 「スリップス•カイガラムシ」カルホス、スミチオン
  • 「なめくじ、かたっむり」 ナメカットもし出てしまった場合・・・早めの対処が一番です。胞子の飛散を防ぐために、その周りを切除して、 その病気のついた葉を焼却、廃棄してください。 広がることを抑えるため、消毒を行ってください。病気かどうか分からない時は、そのおもとだけ 場所を替え、他に接触をしないようにしましょう。
  • 植え替え時の消毒
  • 春秋の植え替えの時期、植える前に消毒に浸け、 おもと全体を殺菌消毒することができます。この 時、高温の季節、長時間(温度の高い時は5分以上) つけると、根が薬を吸い過ぎて薬害が出てきます。 短時間だけ浸けるようにしましょう。

 

心配だが、枯れない症状

赤星病などの病気、スリップス、クワハムシなどの虫食い、カイガラムシなど

これらは、万年青の観賞価値を落としますが、枯れることはありません。万年青は多少弱りますが、自然界ではよくあること。逆に自然界で虫などに一度も食われないのは不自然です。赤星病などは他の万年青に蔓延することがあるので早めに対処したいですが、赤星病が蔓延しても、致命傷にはならず、枯れることはめったにありません。同じように、カイガラムシに吸われても大丈夫です。

赤星病について

カイガラムシについて

スリップスについて

万年青の病害虫 病気、虫について リンク集

下葉が枯れる

この症状も、春から秋の下葉枯れは自然です。常緑なので、モミジのように秋に一度に葉を落とすわけではなく、春から秋に順次、下葉から落ちていきます。時に2-3枚一度に落ちることもありますが、そんなときは注意深く観察しましょう。新根がでる5-7月には一気に葉が落ちる時があります。

新生殿 おもと下葉枯れ 6月28日

梅雨の時期葉が自然に落ちてきます。関東以西では一変に下葉の色が変わります。関東以北では葉が一枚づつ色が変わってきます。自然の現象。自然に葉が簡単に抜けるまで置きます。気になる場合は葉をハサミで切り取ります

万年青 葉枯れ おもとの葉色が変わる  

万年青の葉落ち 自然の葉落ち

 

おもとの枯れる原因 軟腐病 立ち枯れ病 青煮え テッポウ 芯抜け

万年青の枯れる理由として、近年出始めたのがこの立ち枯れ病といわれるものです。別名に、軟腐病、青煮え、テッポウなど様々な名前があります。

これは、夏場、気温が約28℃以上からでてくる病気で、テッポウとの名の通り、かかると気温の高さからか、一気に進行し、青いまま倒れてしまうので、青煮えとも、立ったまま枯れるので立ち枯れとも言われます。

これは新芽の根本から入り、新芽が抜けるので芯抜けともいわれますが、症状が分かりにくいのも特徴です。生気がなくなったな、とおもったら、芯から芋が柔らかく、腐っていくので軟腐病とも言われます。

特効薬

現時点で、私どもも地域の農業試験場では『キノンドー』などが病気に効くはずといわれています。まだ試験中ですが、効果はあります。この病気の特徴である症状の速さから、気づいた時には手遅れということが多いです。

立ち枯れ病の予防には

やはり本当の特効薬は、きちんとした栽培【風通し良く、適度な肥料、水やり、定期的な消毒やアク水】が一番なようです。また、芯から病気が入ることから、親や子の芯に水がたまっているものはこの病気にかかりやすく、かつ、直射日光が強い昼間に芯に水が残っているとより病気になりやすいです。

そのため、私たちは夏場、朝はよっぽど早朝なら別ですが、夕方に水やりをして、朝には芯に水が残らないように水やりをするのが大切だと考えています。

直射日光が芯の水を温めないように、早めの遮光がよいですが、遮光のし過ぎも芸が出にくい、健康的に育たず、温室育ちのひょろっとした木になりやすいことから、芯の水と遮光の塩梅(あんばい)を考えます。

軟腐病 立ち枯れ病 青煮え テッポウ 芯抜け

軟腐病 立ち枯れ病 青煮え テッポウ 芯抜け 大葉

 

 

 

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