おもと鉢作家 禅艸道 渡邉一水氏について

おもとの現代鉢作家 禅艸道 渡邉一水氏について

一水氏の鉢のご挨拶

萬年青鉢縁起

萬年青と書いて、おもとと読み、この語源は大本(おおもと)から、おもとと言われるようになったものと思われています。

おもとは四季を通して青々としてをり、古来、めでたく縁起の良い瑞草として、正月の飾り、結婚、出産、新築、移転等、家名繁栄を願って飾られてきました。

飾り用の、おもと錦鉢は縁起の良い絵柄が描かれて、折り折りに植え込んで楽しみます。

鉢は八の末広がりに通じ、鉢の底には水抜きの穴のあるのも、不浄を通し無病息災、見通し良く家運隆盛で、吉兆の縁起ものとして大切に扱われています。

以上、御愛用諸氏の命永き「幸」を希い上げます。

敬白 禅艸道 一水

 

一水氏の鉢にはこのような万年青と鉢を愛する紙片が、極々一部ですが入っており、それは氏が長く万年青の世界で万年青の商いをし、また、絵上手が高じて鉢作家にもなった一水氏の深い見識を現すものでした。

 

修行時代から一水鉢ができるまで

一水氏は万年青の名門、東京三光園さんで昭和41年から10年ほど修行されました。そこで、万年青の培養、管理、御商売だけでなく、持ち前の文才、絵心を存分に生かして万年青の読み物を書かれていました。後に、その才を活かし、この独特の味のある一水氏の錦鉢が誕生します。

昭和50年、地元の山口に帰り、万年青園である一水園を開いた後、そこに窯をもち、絵付けをされていました。一水氏は絵かきとして、鉢は黒鉢を仕入れ、そこから自分で絵をかいては何度も焼き付けをして、錦鉢を製作します。最初は手探りで、独学で色を覚えて絵付けをし、その鉢をみた愛好家が是非分けてくれといわれ、名が広がっていきました。

名だたる大会に賞品として喜ばれ、また、その味わいのある鉢の絵柄、一水氏の鉢でなくては楽しめない魅力をもち、多くの一水ファンがいらっしゃいます。

他の作者では味わえない魅力は、彼自身が万年青商だったこともあり、名棚(素晴らしい万年青をたくさんお持ちの方は、素晴らしい鉢や古い鉢もお持ちです)に万年青商として商売しながら、古い鉢を見させてもらう、また譲ってもらうことで最高の鉢を体得していったからこそ、でてくる魅力でしょう。現代の万年青鉢第一人者とも言われる布施覚先生も、同じように古鉢や、神社仏閣から自分の作風を確立していったように、最高の鉢から、一水氏独自の世界観を生み出していきます。

晩年、目を患うことで平成27年(2015)ごろに筆をおきますが、万年青、鉢をずっと大切にして、日本に万年青の文化を育ててくださった一水氏の鉢はその希少性からゆっくりとですが値上がりし、今では世界中から引き合いが来るようになりました。

祖父や父が商売仲間だったことで非常に豊明園とも仲が良く、多くの鉢を特注で作って下さいました。

お人柄

温厚、誠実で人との和を大切にされる素晴らしいお人柄です。初心者の方からベテランさんまで、万年青と鉢の面白さを一から丁寧に教えてくださる姿は、多くの方から尊敬されています。

 

また、実は一水氏は子供のころから絵かきになりたいと思っておられました。その道は志半ばで断念することになりましたが、形を変えて、錦鉢の作家という自分の道とも合った、素晴らしい作家に。

禅艸道(ぜんそうどう)とは

ご本人は古くから深い思索、禅がお好きでした。宗教は他にあったのですが、禅の思想は特に一水氏に合っていたようで、万年青商として時間のある(閑散期の)春から夏には、1週間の断食や、剃髪もされるほどでした。艸は「草」の本字であり、草本植物の総称として用いられ、草の形に象る「屮」が2つ並んだ会意文字で、草冠のことです。万年青商の一水氏なので、この艸は万年青のこと。禅のような万年青の道を歩んでゆきたい、という一水氏自身の言葉です。

 

禅艸道 渡邉一水氏の作品

 

太鼓胴 獅子

どこか愛らしさ、愛嬌のある獅子。

一水氏の優しさが滲み出る動物画のタッチ。

 

一水氏は、この縁起の良い万年青に合う、縁起の良い絵柄を特に好んで描かれました。下の打ち出の小槌などはよく描いていただきました。

永遠の繁栄を現す唐草紋、永遠に良いことが続くといわれる青海波紋など、

縁起の良い万年青にあう、縁起の良い鉢を描かれました。

唐草にも、青海波にも多くのパターンがあります。

一水氏の作品は使えば使うほど、見れば見るほど引き込まれてゆくぬくもりのある絵ですね。

上の青海波は一水氏の作品の中でも特に私が好きなもので、多くコレクションしています。鉢が主張せず、万年青を引き立ててくれる最高の鉢。植えてこそ映える鉢です。

 

愛嬌ある河童

荘厳な鳳

鳳凰の古鉢も多く持ち、そこから写したもの、また、自分流にアレンジしたものを生み出されました。

 

荘厳にして美麗

一角氏の鉢コレクターだった野村氏が、一水氏に特注で作ったもらった桜満開。

一角一水のコラボは本当に少ない。

 

 

 

2020.6.7 本人への取材と、以前からのお付き合いでのお話をまとめたもの

 

一水氏の販売ページ