万年青(おもと) 生け花

 

藜蘆(おもと)  万年青

七種伝の一つ 藜蘆れいろ(万年青)

万年青は、いつまでも青々として不変なこと、秩序正しく繁殖することから、長寿、繁栄の象徴とされる。
中国では、熨斗(のし)のかわりに万年青を使う習わしがあり、日本では、徳川家康が江戸城に入るときに、おもとを床の間に飾って入城したという記録がある。縁起の良い花材。

おもと生け花 大象観(たいぞうかん)

花材 品種 (大象観)たいぞうかん
豊明園の正月 葉10枚、実1つを付け生ける 池坊、七種伝の伝花とされて一種で生けます。年中青くて枯れることがなく千々孫々まで繁栄する」ということで、正月の生け花として好評。
徳島県那賀郡相生町では55戸の農家が19ヘクタールの畑で
「都の城」「太像冠」「青おもと」の3種類を栽培しています、生産量は全国一

鎌倉時代には生花でおもとは珍重されていました。邪気を祓い、縁起のよい植物として
藜蘆れいろ(万年青)

文化8年  (1811年) お客様の資料より

 

万年青の生け方 出典分からず わかる方いましたらお教えください 「しまりたるは幽玄ならず、ゆるやかなるときはくだけて勢なし、緩からず、急ならず」

 

七種伝とは

伝書、とも、池坊花伝書「生花七種伝」、七種花伝ともよばれます。

「七種伝」の七つとは、芭蕉・蓮・水仙・万年青・椿(―輪生)・牡丹・牽牛花(あさがお)

池坊では葉物・実物は祝儀に用いないとされていますが、万年青は、南天や千両と共に例外として祝儀に用いられ水仙等と同じく、
「陰の実にして至て祝儀にすべき物なり」とされている万能植物です。
理由は1本に沢山の実がなり葉が1年に四枚ずつ出て継続する、相続がたえないということからだそうです。

 

水仙(生花七種伝)

「陰の花、水仙に限る。賞美すべき花なり」と伝書に記されています。
生花で水仙を用いる場合、立春までは他の材料と混ぜて生けることはしません。

水仙(生花七種傳)

傳書中寫道:「陰之花僅限水仙。應賞其美」。
生花使用水仙時,於立春前不可與其它花材混合插作。 池坊HPより

万年青 生け花 駿河富士(するがふじ)

花材 万年青 品種  (駿河富士)するがふじ
葉10枚、実1つを付け生ける 池坊、七種伝の伝花とされて一種で生けます。 『駿河富士』の実12月色づく、おもとの鉢植え『駿河富士』3鉢から葉を選び活けて見ました。大変に日持ちがよく、水をこまめに換えると4カ月程持ちます。

万年青 生け花 残雪(ざんせつ)

花材 万年青 品種 残雪(ざんせつ) 

おもとの真の葉 長さ55cm 幅10cm  残雪の実11月、まだ青い。濃紺緑色の葉に白い図柄をみせ、葉一枚一枚に味が出ます、葉幅が広いので独特の豪華さを醸し出す。露地植えにしても栽培できる品種。

万年青 生け花 大観(たいかん)

花材 品種 大観(たいかん) 葉の中の白い部分、図と呼びます、白い柄の無いものを「都の城」と呼びます。外の葉は古い葉、実の横に真葉は新葉を使う。流れ葉は昨年の新葉。葉は偶数で実を入れて奇数。

万年青 生け花 残雪(ざんせつ)

花材 品種  残雪(ざんせつ) 葉10枚、実1つを付け生ける、逆勝手で活けて見ました。12月実は色づいています。3株から葉を選び生けて見ました。

万年青 生け花 都の城(みやこのじょう)

万年青 生け花 駿河富士(するがふじ)

花材 万年青  品種  (駿河富士)するがふじ
おもとの真の葉 長さ55cm、幅12cm  葉10枚、実1つを付け生ける 池坊、七種伝の伝花とされて一種で生けます。 『駿河富士』の実12月色づく、3鉢から葉を選び活けて見ました。濃紺緑色の葉に駿河斑といわれるこの木のみに現れる斑は、筋状に入り雪白で美しい。緑の葉の中に駿河斑が入り、一葉一葉に独特の味わいを見せる。堂々としたその葉姿が魅了する。露地植えで良く育ちます。

万年青 生け花 阿賀野川(あがのがわ)

花材 品種  阿賀野川(あがのがわ)

万年青 生け花 秋津島(あきつしま)

花材 品種 秋津島(あきつしま) 

おもとの真の葉 長さ45cm、幅8cm  濃紺緑色の葉に乳白色の覆輪が太く入り『都の城』よりも覆輪にあたたかみがあり、実付きの良い品。又縞柄の『秋津島』を使うとより一層豪華になります。おもとの花材としても良い品種。露地植えにして栽培すると株立ちになり実付きの良い品種。鉢植え、3本立ちでひと花生けれました。(2019年)

万年青の生け花 歴史

おもとの生け花

おもとの生け花は、江戸初期の京都 池坊ではすでにあり、長寿や永遠の繁栄を祝う植物として使われていました。

より古く、室町時代にも、貴族の日記を見るとおもとのいけた記録が残っている。

日本人は、八百万やおよろずの神様の文化があるので、物の奥に神様がいると考えてきました。古くから日本人は物の奥を見ようとして、その植物の意味合いを考えてきました。おもとに1000年以上の歴史があるのも、おもとの奥に長寿や永遠の繁栄といった神様❓がいると思ったからでしょうか。

おもとの歴史は非常に面白く、江戸時代まではまだなるほどと理解できるおもとの文化がありますが、それより古くなると同じ日本人でも感覚がかなり違うように思います また、貴族と庶民でも植物を楽しんだのか、薬用植物として必要だったのかでも違ってきます。

生け花の中におもとの歴史がかなり隠されています。

長寿や永遠の繁栄といった意味合い以上のものがあるきがします。

おもとについて