索引
楽焼黒鉢の製造工程
楽焼は天正年間(約400年前)に始まる日本独特の焼き物です。
楽焼は《急熱急冷》という特殊な焼成方法をとります。
楽焼鉢になるまえの土の塊
楽焼鉢になるまえの土の塊
ここから鉢に整形していきます。
土の種類は、きぶし、がいろめ、瀬戸白ひききぶしの三種類を混ぜています。
万年青の黒楽鉢をよくみてみると、砂利っぽいところがありますが、それががいろめです。砂利っぽいがいろめが多いと、焼いたときに収縮しにくいです。
良くこね、土にしっかりと粘りをもたせます。
この捏ねることも、熟練の職人さんでしか上手にできません。
手捻りで形を作っていく
手捻りで形を作っていく
いとも簡単に形を作っていきます。おもとの鉢の形は作家さんによって様々で、鉢の下が細かったり、逆に太かったり、鉢の鍔(つば)の向きも少し上に向いたり、下に向いたりと様々。作家さんの特徴が出ます。
万年青界一の造型師ともいわれる一角氏は、根張り良くおもとをつくる、ということで太い鉢を良く作られました。この方は、一角氏に師事し、太めの鉢をおもに作られます。お客さまの意向次第です
私と弟も一度体験した見たのですが、、、
途中でクシャリ、、
職人さんは簡単そうにやるのでできるかな、なんて考えが甘かったです。脇をしめてとても力が要りますし、上に持ち上げるのにも相当な技術が要りますね。この上、鉢の形(細い鉢か、太い鉢か、など)や生地の薄さを考えたりして一つの鉢が出来てきます。
鉢はしっかりと一定期間乾かし、足を付けます
鉢はしっかりと一定期間乾かし、足を付けます
これも一般の人では、一日かかってもいい物は作れない、といわれる
足付けの作業
足付けの作業
鉢製作で難しいのは足を付けるところ!上の土の塊をいとも簡単に足にしていきます。
土の塊が足に!
ものの数秒で足にして、付けていきます。まさに職人の技。私も弟もやらせていただきましたが、まず足の形になりません。それでもがんばってやってみても、だんだんと土の水分が乾いてきて使い物にならなくなってしまうそうです。スピードと正確さが必要な作業です。
窯に入れる前の おもと鉢ができました
おもと鉢ができました
足を、三方向、均一に付けるのも、また、高さを揃えるのも難しいです。足付けだけでも三年は修業しないときちんとした製品にはならないそうです。これから黒鉢なら、黒の釉薬をぬって焼いたり、錦鉢なら絵柄をつけたりと、まだまだ鉢作りの工程は続きます。
縄縁、細工鉢を乾かしているところ
素焼窯で800度12時間
素焼窯で800度12時間
黒の釉薬をかけて、1200度の高温で本焼き 数分間です。
急熱急冷の楽焼
そして、楽焼の特徴、急冷。隣に水を張った水槽が用意してあり、急冷します。急冷によって艶やかな黒色の発色と土の焼き締めを防ぎ植物の生育に適した良い鉢が出来上がります。
急熱急冷の楽焼の特徴を利用した面白い製法ですね。
1200度の高温で本焼き 【数分間】、ということにビックリです。 楽焼は天正年間(約400年前)に始まる日本独特の焼き物です。楽焼は《急熱急冷》という特殊な焼成方法をとります。急熱急冷だから、鉢に細かな 微細な穴ができ、通気を良くしています
おもとのサナ作り
おもとの‘さな’をつくります。黒鉢や錦鉢の底には大きな穴が開いていますが、それをこちらでふさぎ、かつ、水はけも良くします。
しっかりとつめ、
つくります。
おもとのサナ
萬年青に最適の鉢 門外不出の窯の様子
万年青の鉢で一番適した鉢と、その理由である門外不出の窯、窯焚きの様子をご紹介します。
こんにちは、万年青の豊明園です。今回のトピックは、万年青の鉢で一番適した鉢はなんですか?というご質問に対する答えと、門外不出の窯、窯焚きの様子をご紹介します。
万年青の鉢で一番適した鉢はなんですか?
答えは、黒楽鉢です。
通気性と吸水性、排水性、根張りの良さ、美術性、鑑賞価値、において優れています。プラ鉢とのデメリットを上げるとすれば、価格と壊れやすさです。
黒鉢の通気性、吸水性、観賞価値の源泉 1200℃の窯焼きと水にドボン
通気性、観賞価値の理由である黒楽鉢の製造方法についてみていきます。本来、どんな窯元でも、どの釉薬を使っているのか、何度で何分焼いてどんな色がでるのか、ということは門外不出の窯の秘密事項です。今回、特別な許可を得て紹介します。
では、どうぞ!
1200℃という高温から、水の中へ入れることで非常に細かな空気の通り道ができます。
●動画解説 【万年青に最適な鉢】【門外不出の窯焼き】楽焼 黒鉢の焼き方 万年青の黒鉢の通気性
【万年青の豊明園】【Best OMOTO Pot / Kiln baked pot 】陶芸 釉薬 窯 陶器 焼き物 黒楽