万年青の用土について  用土で、水やり、肥料、病害虫はどう変わる?

万年青の用土 大きなおもとと、美術品

私たち、万年青の豊明園として、万年青の用土はどれでもよい、どれだって上手に作れる、と思っております。用土に合わせて、水やり、肥料をやりましょう。

畑の土では肥料の効きもよく、万年青は大きく、立派に育ちます。葉の伸び、子の上がり方もよいでしょう。

逆に、砂利系統が多いと、水持ち、肥料持ちは悪いですが、小型でガチっとした万年青になります。万年青の芸を凝縮、濃縮して、緑の宝石や、緑の美術品と呼ばれる万年青をつくる、大木を鉢の上に表現する、盆栽にも似た、独特な万年青の世界観です。

これは、どちらがいい悪いではなく、それぞれの楽しみ方の話です。

自分の万年青の用土の特徴を知って、水やり、肥料、害虫の管理に生かしましょう。

地植えで青々と元気に育つおもと。アメリカのロングウッドガーデンズ。

用土による違いについて 土、赤玉土、砂利

今回は、お話を簡単にするため、土というのは畑の土、赤玉土は売っている赤玉土、砂利は朝明砂のような花崗岩を考えています。

それぞれの特徴は、皆様が想像する通り、土けがある方が、水持ちも、肥料持ちも、また、害虫の出やすさも高いです。

土は一番水持ちがよく、肥料持ちがよいです。そのため、水やりの間隔もとても長いでしょう。土の中に肥料を持ちやすいのと、腐葉土などが入っていれば、すでに肥料を持っているのも特徴です。そのため、害虫も紛れていることも。

赤玉土

水持ち、肥料持ちはとてもよいです。園芸店でもホームセンターでもどこでも売っていて、手に入りやすく、使う前に害虫がいることはありません。ですが、やはり土けを好んで害虫が潜むことも。

多くの園芸を楽しむ方は、楽しむ植物に合わせて鹿沼土、日向土、腐葉土、軽石などを混ぜ、自分の狙った水持ち、肥料持ちのブレンドにします。

砂利

水持ち、肥料持ちは悪いです。水をやってもすぐに下から水が出てきてしまい、生長期、夏場は水やりが頻繁になることもしばしば。その代わり、害虫の潜むことは土、赤玉土と比べて非常に少ないです。

 

水持ち

土、赤玉土は非常に水持ちがよいので、水やりのやり過ぎに注意します。あまり用土が乾かないのに、水をやり過ぎると、根腐れを起こします。逆に、しっかり水が持つ分、水やりがなかなかできないお仕事で忙しい人ズボラな方はよいでしょう。

砂利は水切れに注意します。土、赤玉土と比べて、用土に水はほとんど含まないので、よく乾きます。

 

※美術品をつくる万年青愛好家

万年青は、芋があって乾燥にも強く、また、ある程度乾燥して、根が空気が好きなので砂利で植えることがあります。よく乾いた方が、小型で締まった出来になり、独特な万年青の美意識の愛好家には好まれます。

肥料の持ち

土、赤玉土は用土に肥料を貯めておくので、少ない肥料で良く効きます。砂利では肥料もほとんど下に抜けてしまい、肥料の効きは悪いです。

虫、病気

土、赤玉土は虫が出やすい、潜みやすいです。殺虫剤、殺菌剤は土にもかけるようにします。砂利でも潜むことがあるので、殺虫剤、殺菌剤はやります。

土では、土の中に微生物がおり、善玉悪玉といますが、土が葉について病気がでることがあります。

乾きをみる

まず表面をみます。土、赤玉土では色が変わりますので乾きは良く分かりますが、中は水を良く持っているので、中の水持ちをしっかりとみて、水をやります。

表面だけ乾く、うわ乾きでは、中はまだ水をたくさんもっているので、根腐れの原因になります。

砂利では乾きが一番見にくいでしょう。富士砂のような色の変わる花崗岩ならよいですが、朝明砂などの白い砂利はわかりません。鉢底や、鉢の中をみて、水やりのタイミングをみます。

おもとの表面は富士砂

保水性・排水性の大変良く 多孔質の火山砂礫特に水を腐敗させない成分を含み 根腐が少ない黒色で 化粧砂としても使用できます。
水苔変わりに使用しています。
 富士砂を使用するには袋からとりだして水洗いをして再度乾燥させて使用します。礫の目つまりを取り去り、通きをよくするためです。
 
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おもとの表面は富士砂 (黒色火山砂礫)

 化粧土、黒くて重たい火山砂礫、見た目美しく水を吸収すると真っ黒くなり万年青を引き立たせます。乾いている時は灰色ぽくなります。保水力は良いが、乾きやすい。水の通りがよく、雑菌・バクテリアの繁殖を抑えるので、灌水した水の腐敗を防ぎ、根腐れもしにくくなります。

 

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植え替えたときの根

土や赤玉土では、水持ちがよい分、根の伸びはよいでしょう。どちらかというと、棒根という長い根が出やすいです。どの用土でも、乾きがよいと、枝根をたくさん出します。

なぜ砂利で植える?

私たち万年青の豊明園では、砂利単体で植えることは少ないですが、万年青の魅力を凝縮させる、そのためにわざわざ万年青が大きくならないように作りこんでいます。ここは盆栽の世界に通じるものがあります。

地植え

その場の土で十分です。乾きがよいようなら、腐葉土などを入れておけば水持ち、肥料もよいでしょう。日当たり、雨でかかる水がよければ、一度植えたら、基本的にはほっておいて大丈夫です。日照りが続く場合は、水やりをしてもよいですね。

まとめ

それぞれの用土の特徴は分かっていただけたでしょうか?

大きく、子もどんどん増やしたい方では、土や赤玉土をもちいて、肥料を良く効かせて、そのかわり病害虫の管理はきちっとやります。水やりもやり過ぎに注意します。万年青の美術品を作る方、葉芸で品評会を狙う方でしたら、砂利系など乾く用土を多くして、ガチっとつくってみるのも面白いでしょう。

用土の特徴を引き出して、万年青を楽しんでください。

 

●動画解説 【万年青の用土】万年青の育て方 土、赤玉土、砂利の特徴 水やり、肥料持ち、病害虫 美術品のおもと

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