万年青の種類 | 大葉・中葉・小葉 | 12のグループ

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おもとは、下の図のように、大きさで大葉、中葉、小葉に分かれています。

私たち、万年青の豊明園が著者の『始めよう!伝統園芸 万年青』より

万年青の種類 簡単に

万年青は1000年以上の歴史があるので、品種は1000種とも、2000種以上とも言われています。一番簡単な分け方が、大きさで分ける大葉・中葉・小葉という分け方です。原種に近い、葉長30cm以上の大型の万年青を大葉、葉長15~20cmほどの中葉、それより小さな万年青を小葉と呼んでいます。

 

万年青の種類、品種、系統、分類

この記事では、種類というのは、同じ特徴をもったグループとして、大葉・中葉・小葉と3種に分けるのと、他の特徴で12グループに分けています。

品種というのは、『新生殿』『太陽』『残雪』のように、古くから名前が決まって流通しているものから、最近の新登録までを言っています。

万年青の世界では、系統、分類は、万年青の学名のRohdea japonica Rothや園芸品種、栽培品種を現すcv.などではなく、上の種類の中のグループの一つとして使っています。大葉系統、一文字系統、獅子系統や、獅子系と言ったりもします。

 

 

万年青の種類とは 大葉・中葉/薄葉・小葉/羅紗

大葉おもと  大葉系統

薩摩万年青とも呼ばれ、雄大で葉芸より姿・柄を観賞する万年青です。大きさは30cm以上。原種に近い分、地植えにも適します。

小葉おもと / 羅紗おもと 小葉系統、羅紗系統

こちらは、葉肉が厚く、『新生殿』『天光冠』に代表されるように、葉芸の変化に富んだものです。葉長は大型のものでもまず15cm以下。羅紗というのは布の一種で、特に厚い生地のことをいいますが、葉の厚さが羅紗のように厚いため、この名前になりました。羅紗自体は、ポルトガル語のraxaラサからきていて、12世紀セルビアのラサからこの生地の厚い布がきました。

中葉おもと / 薄葉おもと  中葉系統、薄葉系統

葉長約15~20cmの中型のグループ。葉肉が薄く、様々な斑・芸・姿を持っています。伝統的に、『太陽』のような縞甲竜系統のような葉肉の厚いものも入っているので、中葉おもとと呼ばれます。

 

万年青の種類のいろいろ

私たち、万年青の豊明園が著者の『始めよう!伝統園芸 万年青』より

万年青は1000種以上も品種があるといわれるように、多種多様な形、芸、姿をみせます。その中には、大葉、中葉、小葉の混血のようなものもあり、大葉系統の中にも、大葉系統と大葉羅紗系統、小葉・羅紗系統の中にも、羅紗系統と千代田羅紗系統、羅紗獅子系統、胡麻羅紗系統とそれぞれの系統の魅力をあわせもったものが出てきています。

大葉系統 大葉羅紗系統 一文字・日月系統 千代田系統 獅子系統 縞甲竜系統 胡麻系統 裏芸系統(上の写真にはない) 羅紗系統、千代田羅紗系統、羅紗獅子系統、胡麻羅紗系統の12系統があります。

現在も、それらのグループを掛け合わせ、新しいものが生まれていますので、系統は増えていくでしょう。

↓新品種の作り方 万年青の交配について

 

おもとの交配

また、

上の写真にあるように、大葉羅紗系統という、大葉と葉の厚い羅紗の特徴を持つものがあり、葉長が30cm以下のものもありますが、大きくは大葉系統に含まれ、大葉、中葉、小葉の3グループを葉長だけでは分けきれません。

万年青の品種

室町時代から様々に品種は確立されてきたといわれています。上のように、多種多様なグループがあり、現在も新品種は作られ続けています。

代表的なものは『新生殿』『お多福』『太陽』『四君子』『根岸の松』『外輪山』『楊貴妃』など。

品種図鑑 万年青の種類

 

万年青の系統と分類

明治~昭和初期から系統は種類と同じように扱っています。実際、一文字系統や獅子系統などは一つの祖先からその系統はできているので特徴も同じでわかりやすいです。

私たち、万年青の豊明園が著者の『始めよう!伝統園芸 万年青』より

 

 

 

 

 

 

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●動画解説 【万年青の種類】大葉、中葉、小葉とは?羅紗、薄葉って何?

【万年青の豊明園】【OMOTO 3 major groups】大葉羅紗、千代田、千代田羅紗、獅子、羅紗獅子、胡麻、胡麻羅紗、一文字、羅紗、縞甲竜

 

 

私たち、万年青の豊明園が書いたこの本から、万年青の種類について解説します。

万年青の種類である、大葉、中葉、小葉の分け方と、それぞれどんな特徴があるのか紹介します。

まず、万年青は大きくわけて3種類。大きさで分けて、大葉、中葉、小葉です。ざっくりいってしまえば、葉の長さが30cm以上が大葉、15~20cm前後が中葉、15cm以下ものもが小葉です。

でもこの本には薄葉と羅紗となっているけど。と思われる方もいるでしょう。万年青は伝統的には中葉を薄葉、小葉を羅紗、と呼んでいるのでこうなっています。

万年青には、多種多様な品種があり、1000種以上とも、2000種以上あるともいわれますが、大きさではどれかに入ってしまいます。

それぞれ説明していくと、大葉系統は雄大で、原種に近いグループ。体が大きい分、地植えにも向きます。羅紗のように葉芸や葉芸の変化を楽しむよりは、姿や柄を観賞します。薩摩万年青ともよばれますが、鹿児島の薩摩藩で非常に愛された植物で、島津の殿様や武士が好んで屋敷に植えたそうです。

・このように、白いモザイク状の図がはいる残雪、黄色い曙柄がでる外輪山、縞柄の綺麗な五大州と柄がたくさんあります。

・大葉の中でも、羅紗系統のように葉肉が非常に厚いものもあり、大葉系統と区別して大葉羅紗系統と呼ぶことがあります。こちらは葉の長さは30cm以下のものもありますが、葉肉が厚い分、迫力は抜群。大葉羅紗の大勲です。

次に、一番下の小葉系統。葉の長さ15cm以下なので小葉系統といいますが、伝統的に、羅紗系統ともいいます。羅紗とは、非常に厚みのある生地のことですが、この系統は葉肉が厚く、葉芸の変化をする系統です。

・小葉、羅紗系統の代表品種、新生殿。葉の盛り上がり、雅糸竜の荒々しさ、どれをとっても葉芸が素晴らしいです。明治時代からこの小葉系統の代表だった天光冠。おもとの中でも一番葉肉が厚いといわれています。葉芸の変化も凄いです。

次に、中葉系統。葉肉が薄いものが多く薄葉系統とも呼ばれています。様々な姿、斑、芸をもち、この中葉系統の中に沢山の種類があります。

・一文字系統。葉が樋(とい)のような形をするもので、この品種は日月星。江戸時代からの品種です。一文字系統となっているのは、同じような姿で、虎斑が入ったり、図が入ったり、姿が変わったりと、様々な突然変異をしてきたから。一文字系統にはたくさんの突然変異の品種があります。

・千代田斑系統 こちらは、千代田斑と呼ばれる白い斑がはいるものです。

・ここで、この中にも、葉肉が非常にあつい千代田羅紗系統というものもあります。

・こちらは獅子系。葉のくるくるとカールするグループです。品種は、獅子の王者である四君子。葉肉の厚い羅紗獅子系統があります。

・胡麻斑系統は、英語でゴールデンダストと呼ばれるもので、胡麻をふったように、金をふったような斑が現れるものです。こらちも胡麻羅紗系統という葉肉の厚い小型の系統があります。

・こちらは縞甲竜系統。非常に葉肉が厚く、中型で迫力のある系統です。写真は太陽という品種ですね。

・ほかに、裏芸系統という葉の裏側に変化をみせるグループがあります。

 

はい、では、万年青の種類、大葉、中葉、小葉について、わかっていただけたでしょうか。万年青は1000種以上ありますので、自分の万年青がどんな種類なのか調べてみるのも面白いですね。