分類 薄葉系統 一文字系
発見年度 明治30年
登録 昭和9年
発見者 高須七郎(愛知県)
命名者 高須七郎(愛知県)
登録者 日本萬年青連合会
深い純白覆輪の「日月星」に鮮明な図の現れたものピンとした、直線的な美しさに、図が入ることによって、華やかさが出たり、図性によっては、捻り、絞りなど、葉姿に変化が見られます。子上げ良く性質は強健で作り易い品種です。
「根岸松の図」同様、図量によって多くの性が知られています。葉幅の引いた堂々とした もの、図が打ち込み図となり、抜群の白さを持つもの、捻りや絞りがよく出て図が芸をしているようなものなど、図の出方•葉姿が様々あり、どれも優劣付けがたい魅力があります。
薄葉系統に言われることですが、湿度がると葉が焼けにくく、陽がしっかり採薄葉系統に言われることですが、湿度があるあと葉が焼けにくく、陽がしっかり採れるようになります。陽をしっかり採ることで、「地球宝」の美しさでもある覆輪がより深くなります。また、葉長が詰まり、図がより目立つようになります。図ものは、肥料をしっかりやつたほうが良く出来ます。葉幅も出て、木自体の迫力が出てきます。
「地球宝」の中でも美しさがずば抜けている。特徴的なのは図が白い又葉は焼けやすい。
おもとの性について
性といっても性別ではありません。おもとは雌雄同株です。性(しよぅ)といつて、同一の 品種でも柄に多少の変化•善し悪しがあって、良い柄の系統を「〇〇性」といって区別し ています。変化の激しい図ものや虎ものに多くみられます。「地球宝」の代表的な性には図柄がすこぶる良い「特別性(天地宝口)」や図柄もさることながら繁殖力の良い「安藤性」などがよく知られていま す。例えば「安藤性」であれ ば、小田原市の安藤氏が愛 培増殖したものが元になっており、そのお棚の一番性の良い殖え木が「安藤性」になっています。それぞれの方が、素晴らしい「地球宝」を何鉢、何十鉢と集め、その中の特に良い物が全国の愛好者から認められ、〇〇さんの「地球宝」が欲しい!となると、自然と〇〇性となつていきます。
お客様のご質問
Q:性とは、株としての血統なのでしょうか?豊明園様のHPを何度も読み返してるのですがいまいち性とか口がわかってないです
A:こちらも定義?があいまいで使っているので分かりにくかったと思います。
性は、多くは元をたどるといつかの大会でトップを取った木があり、その時の作者の名前などから白木性、安藤性となっています。同じように口、といういわれをすることもあります。天地宝口、など。
すべての図が、殖え芽の2割が親よりよくなり、2割が悪くなり、6割が現状維持ともいわれ、変化していきます。白木性だろうと、天地宝口だろうと、よりよくなるものもあれば、その陰に悪くなるものがあるので、性、口だけでみていても元のトップを取った性質が完全には再現できません。(よく変わっていけばそれ以上のものになります) 。お棚との相性や作者の技量、図の運不運にも左右されます。
ということがあるので、私たちは元の性や口の性質がきちんとしていれば~~性としますが、多くは特別性や図性よし、とすることのが多くなってきています。
それでも、元は地球宝の中で日本で一番になったものなので、先祖返りをして本当によくなることがあるので普通の地球宝よりも性の良かったものの方が価値が高いことが多いです。
「地球宝」の芋吹き苗。覆輪、図性ともに良い特上苗。濃緑色の葉に深い純白覆輪現し中に白い図を見せます。子上げの良い品種。
『日月星』から根変わりで白図柄が現れたもの
図物というと、根岸松の図、残雪、天旭宝、お多福の図、など素晴らしい図物コレクションがありますが、地球宝は欠かせません。歴史が物語るように、多くの性があり、小型になるもの、覆輪の深い性、図に網目がでるもの、白さや量に特徴のあるもの
写真のように、図のある場所でひねりや絞りをみせるもの。流れをみせ、ずばっと図の入るこの木は楽しみです。初代が愛した木なので、私どもも大事に、想いをこめて育てています。
昭和初期の人気は目を見張るものがあり、戦時中に「地球宝」の売り上げの一部で戦闘機 2機を献納したという逸話があり、おもと界の伝説にもなっている品種です。
「萬年青の歴史」本に掲載