新生殿 (しんせいでん) Shinseiden

基本情報

分類    羅紗系統
作出年代    昭和10年代
登録    昭和21年追認
作出者   広瀬守継 (山形県)
命名者   水野淳治郎 (豊明園初代)
登録者   日本おもと協会

新生殿 (しんせいでん) 鉢4.0号 5年生                 昭和10年豊明園初代(水野淳治郎)が『国防殿』と命名、戦後昭和21年に『新生殿』と改名登録、おもと羅紗系の代表種。

品種解説

羅紗系

羅紗系統の中では大型種です。葉肉厚く、輝く総雅糸竜を現します。雄大で力強い魅力 を持ち、性質は強健で育てやすく、初心者から熟練愛好者まで人気の高い品種です。葉姿美しく特に丈夫なおもと 『新しく生まれる御殿』と名前よい
福福しい葉姿が人気 引越しおもと・お祝おもとなどお部屋の観葉植物に最適

新生殿 (しんせいでん) 鉢4.5号 7年生
姿迫力あり、芸も強い系統、丈夫な品種
特徴がはっきりした品種が人気 万年青を好きなすべての人が知っている品種。

羅紗という小型の万年青で、2~3年で芸を見せ始め、5年で親になる。見ごたえのある新生殿にしたかったら、7年ほどかかるかもしれない。それだけ時間がかかっても、育てる価値がある品種。非常に丈夫で、力がつくと子上げもする。芋吹きで増やすことが多いので、殖えるのに少しだけ時間がかかる。なので、どうしてもより殖え易いものよりは価格は少しだけ高い。
新生殿(しんせいでん) 2月 寒肥えを置いてある状態。

引越し祝い、新築祝いに最高 新生殿(しんせいでん)

徳川家康公が江戸城入城の際に、3鉢の万年青を自らたずさえて入城し、自分の床の間に飾った。
万年青のように万年、青々と栄えてゆくように、泰平の世が続くよう願ったといわれています。
万年青を自分の家へ、また引っ越し、新築、開業、開院などのプレゼントとして贈る
おもとを贈る方、贈られる方双方に福が来る

新生殿(しんせいでん)

葉姿美しく特に丈夫なおもと
『新しく生まれる御殿』と名前よい
福福しい葉姿が人気
引越しおもと・お祝おもとなど
お部屋の観葉植物に最適

「新生殿」おもと界に冠たる所以

昭和16年初代豊明園園主•水野淳治郎氏が岡崎城近くの料亭•双竜亭に全国のおもと界有力者を招いて大披露宴を催し発表されました。発表当時は堂々とした草姿が国防に相応しく「國防殿(こくぼぅでん)」と命名され、命名記念に名入れの扇子や酒器などが進呈されています。発表当時から高い注目を集めた「國防殿」ですが、戦後になって国防といぅ軍事的イメージを払拭するため「新生殿」と改名され、人気の衰えを知ることなく現在に至ります。

「國防殿」命名披露に進呈された男物の扇子、この他に酒器、手拭い、名入り菓子が配られた。

「國防殿」命名披露に進呈された女物の扇子

「新生殿」の特徴は数多く、羅紗系の中でも大型で品種が見分けやすい(類似品種がない)。芸が出やすい、丈夫でどんな地域•環境にも順応し作りやすい、葉が一年に3〜4枚出て葉姿が整いやすい、芋吹きでよく殖える、など枚挙に暇がありません。しかし、何と言っても入門者にもありがたい購入しやすい価格帯であることが一番の特徴ではないでしようか。数多く出回っている大衆品でありながら、その本質はよく認知され、何十年も栽培しているベテランの棚にはどこへ行っても必ず「新生殿」が置いてあると言っても過言ではありません。

 

新生殿(しんせいでん)栽培について

丈夫さはおもと随一で、陽の強さ弱さ、肥料の多い少ないに関わらず育ちます。芋吹き を毎年の様に切っても、根出しが良いのであまり生長が止まることがありません。一歩抜 きん出た美術木のために目を付けたいのは日照。日陰より陽を採ったほぅが、葉が短く詰 まり、芸が凝縮し、特徴である首の太さが出ます。肥料にも強く、肥料切れをしないよぅに 強めに肥料をやり、葉幅の引いた芸を引き出します。

実親としての新生殿

羅紗はほとんどが花芽を付けませんが、新生殿、華宝、嶺雲などいくつかは花芽を付けるものがあります。すでに羅紗なので確率は良いでしょう。作出された羅紗は『萬邦』、『邦山』、『雄山』に加え、『双天』の実親(♂木)である翠汀の実親(♂木)も新生殿で、実親を作出するのにも非常に楽しみな木です。
どれも♂として使います。花芽から実になるものはまだ見たことはありません。実を付けず、花粉だけ取って花芽を落とす(元から切り取ってしまう)ので力は実をつけるほど落ちず、毎年花芽を来させることもできます。

6月24日 新生殿(しんせいでん)の2年目、新芽(真ん中の2枚)が元気よく出ています。芋吹きです。この時期は伸びが凄いので、毎日大きくなっている感じがします。

5~6年生の新生殿(しんせいでん)
ここまで立派な芸を見せます。先ほどのやさしい葉がここまで変化して、‘芸’をしてきます。ここが羅紗の楽しみ。葉が厚いので病気や日の強さにも強いです。また、特にこの新生殿は名前がよく、引越しおもとにも人気。また、素直で芸もよく、丈夫なので、初心者から玄人まで人気。
新生殿の魅力の解説を動画にしました。

おもとの生育具合 新生殿 5月21日
新根が勢いよく出てきています。

新生殿
根毛が元気よく出てきています。芽当たりも動き出しました。良く見ると富士砂や軽石、矢作砂と根毛がくっいているのが見えます。この用土はおもとと相性が良いようです。

新生殿の根鉢

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新生殿の根鉢
4年生これから芸が良く現れます。
プラ鉢から抜いた状態、しつかり根が出ています。
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新生殿
今年完成木になる予定で錦鉢に植えてみました。2017/03/15

新生殿の1年生

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おもと新生殿(しんせいでん)
1年生 春親芋を切り本葉が出た状態。この時注意して見るのは芋の鏡(表面)、きれいな色をしていれば親木の管理は合格です。
新生殿の1年生
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新生殿(しんせいでん)親木

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おもと新生殿(しんせいでん)
親木4~5年生 雅糸竜があらわれ堂々とした姿を見せています。
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新生殿(しんせいでん)
覆輪深く、堂々とたした丈夫な品種
今回ご紹介するのは、新生殿です。
万年青を趣味にしている人なら誰でも知っている、新生殿。私たちの万年青の本でも、様々な万年青の本の表紙にも新生殿は使われます。今回は、栃の葉書房さんから出版した私たちの万年青の本の新生殿を中心に、その魅力をご紹介します。
トピックは、はじめに、新生殿の万年青界に冠たる所以、実親としての新生殿、栽培について、というトピックでお話ししていきたいと思います。

まとめ

新生殿は万年青界の顔ともいえる品種で、
万年青の本の表紙にもなっています。
それは、昭和10年代からの100年近い歴史と
丈夫さ、作り易さによる初心者の入りやすさに加えて
芸の深さがあることでベテランも新生殿愛好家が多いです。
実親にもなり、手をかければかけるほど良くなる新生殿
是非ご自身で育ててみてください。

万年青葉芸の変化 新生殿 

●動画解説 【万年青の品種紹介】【新生殿 しんせいでん】初心者からベテランまで 最高の万年青

【万年青の豊明園】【SHINSEIDEN variety of OMOTO】 Rohdea japonica