基本情報
分類 羅紗系統
作出年代 昭和2年頃
登録 昭和9年
作出者 福井某(奈良県)
命名者 市野利平(奈良県)
登録者 日本萬年青連合会
作出地
奈良の有名な春日大社にちなんで命名された。日本おもと協会の前身である日本萬年青連合会の第1号の銘鑑から登録され、羅紗系の銘品として今日まで珍重されている。羅紗系の中型種。柔らかい地合いと紺性、当歳の芋吹きはやや細身でやさしく、特徴がある。腰折れと折下げが良く、「三段折れ」と称され、左右均整のとれた葉姿には特徴がある。襟合わせ、葉重ね良く、幼児の熨斗葉から、長じて雅糸竜、剣葉を顕すうになり力強さを見せる。性質は強健で、子上げ・芋吹きも良く出来る。
芋吹き
春日錦 (かすがにしき) 1年生芋吹き苗 奴吹き
春日錦の生長
春日錦 7月22日 新芽が勢いよく伸びています。子供が出てくると下の葉が落ちやすくなります。
春日錦の品種紹介 特徴、性質、豊明園での作り方、歴史
こんにちは、万年青の豊明園です。今回は、万年青の品種紹介として、羅紗系統の入門品種である春日錦をご紹介します。春日錦の品種の特徴、性質、豊明園での作り方、歴史、をご紹介していきます。
春日錦は、万年青を大きく、大葉、中葉、小葉と分けると一番小さな小葉になります。大きさは手に載るほどで、鉢の大きさはティーカップほどでしょうか。
品種の特徴は、細葉で葉繰り、葉数が多いこと、折り下げがよいこと、雅糸竜、熨斗葉、ビリという波葉です。
説明していくと、細葉の系統は、葉が細い分、葉数が多くなります。春日錦も葉数は多く2枚から多いとき、勢いのある時は8枚から10枚ほど1年にでて、
葉数がたまり、十二単のような美しさをみせます。
折り下げがよい、というのは、葉がまっすぐではなく、ニコニコマークの目じりが下がるように葉が下に折れ下がります。
熨斗葉が特徴的で、葉が中心に折れて、お中元の熨斗のように織り込まれます。葉は時折、びりという波打った葉を見せます。
また、親になってくると、雅糸竜も現れ、細葉の繊細なイメージから、迫力のある姿、芸を見せてくれます。
地合い、葉色は濃紺、性質はとても強く、採光、肥料ともに多め。子上げも、芋吹きも成績は良いです。
昭和2年頃の作出で、奈良の有名な春日大社にちなんで命名され、芸の良さ、丈夫さから入門品種として愛されています。人によっては、これ以上の細葉の品種はない、と言い切るほど愛されてい春日錦。
私たちは実際にどう作っているのかというと、日が一番良く採れる外棚で葉焼けも気にせずガンガン日を当てて、風を当てて作っています。日が強すぎるのか、寒さにも当てすぎなのか、葉色は濃紺というよりかなり薄いですが、お客様のお棚で肥料をやっていただくと色も戻ってきます。芋吹きはよっぽど芋が長くなった時は切りますが、自然と子が上がるので自然に任せています。日が強いと葉が寝るので、折り下げよく、葉の詰まった作品に出来上がります。
次の100年後も残したい、素晴らしい春日錦、是非皆さんも楽しんでください。
●動画解説 【万年青の品種紹介】【春日錦 かすがにしき】特徴、性質、豊明園での作り方、歴史 細葉最高品種
【万年青の豊明園】【KASUGA-NISHIKI variety of OMOTO】 Rohdea