大日本萬年青聯合會 第1回 萬年青美術懸賞大會 昭和7年

萬年青美術懸賞大會  大日本萬年青聯合會

昭和七年二月十一日~十二日  (1932年)

「大日本萬年青聯合會」が、名古屋市港区の南陽館で、初めて全国的規模の第一回「第一回全国萬年青美術懸賞大會」を開催。

 

大日本萬年青聯合會発足

日本萬年青連合会五十年のあゆみより  (昭和五十六年四月発行)

昭和二年名古屋市を中心としたオモトの大流行のあと、オモト界の一部の識者の間では、「オモトとはなにか」ということが真剣にかんがえられるようになり、論議の末、「江戸時代以来連綿と続いてきた伝統園芸の高尚な趣味で、実益を伴う健康の増進と精神修養にある」、ということになり、今次のように、一部の策動によって投機の対象物とするようなことは厳に慎み、萬界の堅実な発展が強く叫ばれました。
 その方策の一つとして、水野淳治郎氏(愛知・豊明園初代)が、「全国のオモト愛好家が連帯意識を高めて一体となって楽しめる組織が必要である」、と説き、加えて、「全国各地で、それぞれの会や組などの団体が開催している大会は、規模が小さい割には経費が嵩み、愛好家にとってもたいへんなことで、これを年一回、全国のどこか一ヶ所にまとまって大会合した方が得策である」、とも説きました。
この提唱に、まず、颯田清作氏 (愛知)が共鳴し、水野氏が全国的に、颯田氏が地元愛知県下を中心に、それぞれ分担を決めてこの運動を展開して奔走し、各地の有力なオモト愛好家の力強い賛同を得ることに成功しました。

そして、昭和六年二月十一日、水野淳治郎氏の呼びかけに応じて、愛知県名古屋市大須の常盤館に、当時有力なオモト愛好家であった石川三之助(愛知)をはじめ、石川六兵衛(愛知)、市野利平(奈良)、伊藤八郎(福岡)、大浜義明(愛知)、加島庫松(愛知)、神田源一(愛知)、榊原純平(愛知)、榊原清市(東京)、颯田清作(愛知)、関根銀作(愛知)、田村佐市(京都)、恒川保太郎(愛知)、および平野秀夫(愛知)、の諸氏が集まって、(大日本萬年青聯合會)の発起人会を開きました。
 そして、昭和六年二月二十二日、愛知県岡崎市の料亭花屋において、オモト愛好家多数の出席を得て、「大日本萬年青聯合會」の発会式を盛大に行ない、ここにめでたく発足しました。
 なお、席上、発起人に一任された役員の選出を、後刻、水野淳治郎宅で行い、つぎの通り決定しました。
すなわち、会長に石川三之助、副会長に市野利平ならびに大浜義明、会計に伊藤利三郎ならびに恒川保太郎、書記に加島庫松の諸氏をそれぞれ推し、、事務所を名古屋市南区1番割の恒川保太郎氏方に設置しました。
 「大日本萬年青聯合會」は、以上の経緯によって発足し、毎年一回、各地を巡回して「萬年青美術懸賞大會」を開催することとしました。
  その第一回の大会を、設立総会をも兼ねて、昭和六年十二月十一日と十二日の両日、愛知県名古屋市港区の南陽館で開催することにしました。
 ところが、この年九月十八日に、満州事変が勃発し、戦火が拡大していったために、これを中止しなければならなくなりました。
 そして、実際には、翌昭和七年二月十一日と十二日の両日に「第一回全国萬年青美術懸賞大會」と銘うって、初めて全国的な規模の大会を開催しました。

「大日本萬年青聯合會」の第一回大会において淳治郎が受賞した賞状

大日本萬年青聯合會
第一回萬年青美術懸賞大會  昭和七年二月十一日
愛知県名古屋市港区の南陽館で開催。
初代總裁 正四位勲二等 森越太郎
審査長  正五位勲三等 牧野鐡彌
副審査長 從五位勲四等 村瀬義則

賞状、上にまる八マークと金の鯱ホコ、
右上の透かし絵は熱田神宮、左下の透かし絵は名古屋城

第一回名古屋大會品評種目
千代田の松・錦明鳳・鳳・錦玉麟・長寿楽・金紫殿覆輪・麟王覆輪
根岸松・地球宝・日月星・玉獅子虎・天錦章・萬代の縞・錦麒麟
輝鳳冠・鳳凰・旭鶴・瑞祥・白鳳・麟鳳・瑞鳳・松の霜・世界図
富士の雪・玉獅子・錦昇龍・寿・紅流・明祥冠・錦龍・郡雀虎・金星
縞甲龍・二面の縞・虎の子

入賞点数 243点 出品点数413点

大日本萬年青聯合會寄付金芳名一覧 

1.金五百圓他    三河   石川三之助殿
1.金四百圓他    武豊   榊原純平殿
1.金三百五十圓他 奈良   市野利平殿
1.金三百圓他    名古屋  山田戸根吉殿
1.金三百圓他    名古屋  榊原八曽松殿
1.金三百圓他    東京   松谷正太郎殿
1.金二百五十圓他 名古屋  恒川保太郎殿
1.金二百五十圓他 九州   伊藤八郎殿
1.金二百五十圓他 岡崎   水野淳治郎殿
1.金二百五十圓他 東京   吉田由蔵殿
百円以上の寄付者43名他181名の寄付者が列記してあります。  (昭和七年 米価格10k 1.41円 60k 8.46円)  

社団法人日本おもと協会の前身   (大日本萬年青聯合會)

萬年青實親鏡  名鑑第四號  昭和7年1月

三河幡豆郡 (愛知県西尾市幡豆町)

萬年青交接研究会 (日本おもと協会実生支部)