万年青の展示会への出品・鑑賞のポイント

秋から春まで、夏以外は万年青の展示会が続きます。真夏は植え替えや、鉢の移動による環境の変化、場所によっては冷房という理由で万年青は展示会はしていません。
私たちの所属する公益社団法人おもと協会・三河おもと会も若い方、新しい方が増えてきて、出品したい、鑑賞のポイントを教えてほしいというお話もふえたので、ご紹介します。

出品について

私たちの会は公益社団なので、誰でも出品でき、毎年新人さんがデビュー?!しています。徳川家康公の時代から万年青文化は鉢も重視するので、展示会という皆様にお披露目する場では錦鉢、縁足金以上の鉢に植えて出品します。地域それぞれの会によって黒鉢以上、プラ鉢でもOKなど様々です。私たちの会でも、初心者さんやどんな風に育てているのかを見ていただくため、特例は多いです。

出品の化粧

皆さん出品の際は、気に入った鉢、万年青を生かす錦鉢に植え、化粧砂や、綺麗な苔で丁寧に着飾り、愛培の万年青に化粧をします。あるお客様は大葉の出品の際、苔を一房一房、化粧砂を一粒一粒ピンセットで丁寧に置き、一日に2鉢しか出品作品が出来ない、といっておられます。とても集中力が持たないそうです。そんなことも、おもとへの愛情が深ければこそですね。
江戸残雪 黒い富士砂を化粧に使い、全体を締まった雰囲気に
玉姫 国産の美しい水苔で化粧。展示会場によってはエアコンで乾燥することがあるが、水苔は安心。

鑑賞のポイント

好きな品種を鑑賞して下さい。どの作品も出品者が大切に育てた物なので、ここが出品者さんの気に入った芸だな、この品種のここが好きなのだな、と分かってくると面白いです。力和の独特な芸や、光陽、太陽の豪快な葉姿をを引き出したり、といった良さがあります。その展示会でしかお目にかかれないような素晴らしいものに出会えるかも。
また、三河名品展では、出品者が近くでお手伝いをしておられるかもしれません。そういった方にお話が聞けると楽しいですね。同じ東海地方でも、場所場所で日の当たる時間帯や、風通り、水やりなどは違ってきます。ご自分の手に合う得意な品種や、コツなども教えてもらえるかもしれません
展示会では、時に花台、金屏風といったものも見どころ。

鑑賞の注意

おもとは葉上の芸術の言われるぐらい、葉芸は多種にわたります。どんな感じなのかな、とつい触ってみたくなりますが、絶対に触らないでください。ほとんどの人が着物を着ていた頃は、親指を必ず帯に入れ、絶対に触らないようにしていたそうです。今でいうと何千万、何億円という価値があったので、少し傷付けたら、エライことに、、。お仲間の大切にしているおもとを傷付けないようにしましょう。くわえ煙草や、値踏みも厳禁です。
日月星 錦鉢によっては正面があるので、万年青の顔、錦鉢の顔を正面に。

おもと、今若い方も多いです

渋い趣味なので、お歳の方が多いかと思いきや、そんなことは全くありません。
今は20代から40代の若手の趣味者さんがとても多く入ってきてくれています。中学生や大学生の趣味者さんも。実生や交配などを好まれたり、珍品や綺麗なおもとが好まれたりと様々。定年を迎えて、何か趣味を、と考えておもとを始められる方も。おもとは小型で軽く、80歳、90歳の趣味者さんもご自分で植え替えや水遣りをされ、楽しく健康に愛培しています。

まとめ

展示会の出品は自由で無料(三河おもと会)です。
出品の際は錦鉢、苔などで化粧をしてあげるとよりよいでしょう。
鑑賞は好きなように。自分の万年青と何が違うのかを探るのも面白い。
葉にさわること、たばこ、値踏みは避けましょう。

第94回三河おもと名品展 2020.10/24-25

おもと銘品 120点展示
日時 令和2年(2020) 10月24日() 25日() 
展覧時間  24日():午前9時~ 午後4
     25日() :午前9時~ 午後3時まで

場所 おかざき農遊館 展示室

愛知県岡崎市阿知和町字乗越12番地

電話 0564-46-4700

事務局 公益社団法人日本おもと協会 三河支部 豊明園内 0564-51-4714

 

現在まで続いている万年青展示会では、日本で最古の伝統と歴史をもつ。

江戸時代、明治時代などの100年、200年の歴史をもつ銘品から、最新の万年青まで。2000種もあるといわれる万年青の世界を垣間見てください。

今回は特に江戸時代の万年青にスポットライトを当てて展示しています。50種ほどあると言われる江戸万年青のどんな万年青が現在どのように楽しまれているか、実際に入手できるものはあるのかなど

万年青は江戸時代も珍奇植物の一つで、葉の表面がボコボコになったり、葉がクルクルカールしたり、葉の裏側に変化が起きたりと変わった特徴も多いです。珍奇な最新の万年青も展示され、美しく整った万年青との対比も面白いでしょう。

NHK趣味の園芸テキストで、11月・12月号のオモトも展示いたします。

地元を始め、愛知だけでなく静岡、岐阜、三重、大阪の熱心な愛好家を中心に120点の銘品を集めて皆様をお待ちしております。

一般参加募集中  豊明園に連絡
おもとの展示会