おもとの苗、親、棚入れについて

今日は、初心者さんから頂いたご質問にお答えします
おもとの苗、親、棚入れについて
今日は、初心者さんから頂いたご質問にお答えします
おもとの苗、親、棚入れについて
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新登録 羅生(らしょう)の苗
まだ6本だが、千代田斑のよしあしはでてくる
苗の時に良い物を入れた方が、親になった時に楽しみは大きい
羅生 
千代田羅紗という、千代田斑と羅紗の葉肉の厚さ、愛嬌を兼ね備えた木
おもとの苗と親とはなんですか?
おもとは、大葉から小葉(羅紗)まで種類は様々ですが、
5年から7年で親になっていきます。
苗(なえ)は、約1~3年の若い木。
親(おや)は、約3年以上の、本芸(その品種の特徴)を現した木。
外輪山(がいりんざん)2年生の苗 1年目の葉は採光が少なく青葉になり薄い覆輪を見せています。2年目の葉は陽の取り具合良く曙柄を現しています。
 
6年生、堂々とした葉姿は、年中見ていても飽きず、大葉ならではの株立ちにした勇壮な姿は玄関や床の間に置けばハレの日にぴったりです。
原種に近いこともあり、実は付きやすく、お正月には赤い実も楽しめます。
おもとの寿命は?
おもとは管理さえ良ければ30年でも100年でも生きる事が出来ます。
万年青という名前の通り、万年でも青々としているでしょう。
私が実際見た物は、35年の麒麟冠の大株立ち
たらいのような大きな鉢で育てられていました。
地に植えてある物や、芋切りなどをしても長く育てる事が出来ます。

万年青の寿命について

棚入れってなに?
自分の‘お棚’におもとを入れてあげる事です。
お棚(おたな)におもとを置いておくことからでしょうか。
ただおもとを買う、というより、雅な感じもしますね。
今年は天光冠を棚入れしたよ、なんて使います。
さて、どんな品種がいいでしょう?
ずばり、自分の気に入った物が良いです。
好きなものほど大切にしますし、
真剣に育て上げようと思えば作もすくすくと上達します。
太陽で有名な三河の野村さんは、自分の好きなものだけ上手にできています。
天光冠(てんこうかん)
明治時代からのおもと
『富国殿』とともに対比される、気品あるおもと
金文字品種
品種にも、育てやすさや、丈夫さ、その木の人気や芸の深みなどがありますが、銘鑑の金文字品種はどれも満たしているその系統の人気の品種です。
金文字品種は、価格も大衆品の価格から中級品の価格のものを中心に選ばれていますので安心です。
どれも、一昔や二昔はおもと界で一番人気といわれて
当時の最高額で取引されてきた物ばかりです。
天光冠、力和、鸞山、富国殿、新生殿、
地球宝、千代田の松、玉獅子の虎、四君子、富士の雪
家宝都の図、残雪、駿河富士など、
どれも初心者さんでも名前をちらっとでも
きいたことのあるものが並んでいますでしょうか?
金文字品種は、自分で親に作り込んだ時ときの感動は並々ならぬものがあります。芸の伸びしろがとてつもないです。
作をかければかけるほど、
ここまで良くなるのか!と納得してもらえると思います。
苗か、親か
棚入れするとき、迷われる方も多いと思います。
苗ならいくつも棚入れ出来ますし、
親ではその日からあこがれの品種の芸を楽しめます。
苗をわくわくしながら育てるのも、
親をみて毎日楽しむのも、どちらも幸せですね。
良い苗、楽しみな苗。
お財布さえ許せば、相場の倍はしても良い苗や、
特上苗を入れた方が良いです。
その時は、苗2本分で1本か、と思っても、
成長はよく、親になった時の満足感や芸の出来は大きく変わってきます。
羅紗でしたら、覆輪のよいもの、芸の良い物。
図ものでしたら、図の白さの抜ける物(図の量ではない)
千代田や胡麻などの斑ものでは明るい物。
 一番最初の羅生なども6本で斑の明るい暗いがあるので、
 よいに越した事はありません。
気を付けたいのは、大きすぎる苗。
あまり大きな苗は、肥料作りの可能性があります。
強い肥料をやれば大きくできたり、芸もよくなりますが、
それは一時。あるときぱたんと枯れる事があります。
肥料を少なく、日をしっかりとり、痩せた作りやしまった作りのおもとは
肥料を少しあげただけでぐんぐん育っていきます。
囲うばかりの作ではなく、雨や風などに当ててしっかりつくったものが良いです。
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琴治(ことじ)の特上苗
首太く、覆輪が深い。
苗との出会い
その苗との出会いは一期一会。
品種では、私たちでも1年に1回ほどしか出会えないもの、
3年に一度の出会いのものも。
そういった品種は、好きなお客様のところに吸い寄せられた行きます。
野村さんの太陽のように、1週間もとどまっていないおもともあります。
また、ここまで良い系統やしっかりした苗はなかなか入らないものなども。
今年のように夏が暑いときは、特上苗は少なくなってきます。
好きなおもとは一枠
自分のお棚の中で、これだけは本当に好きなもの、というものは
一枠(5鉢、10鉢)集めてみましょう。
苗から親までずらりと並んだおもとは壮観です。
お多福の図だけ、お多福だけ、太陽だけ、輪波獅子だけ、力和だけ、新生殿だけ、千代田の松、など、様々なお客様がおられます。
太陽の野村さんは、よいものがあればすべて買う、と
執念のように集める方もいます。
一つの品種を一枠集めればその特徴が分かる。
そうすれば他のおもともすぐに見分けられるようになる、と楽しむのも素晴らしいです。
大会で勝負したい方は、やはりその品種、新生殿なら新生殿だけを10や100も集めて、その中の一番良い木で勝負します。
いろんな品種を楽しむのも、絞って楽しむのも、様々な楽しみ方があります。
おもとは惚れると必ず答えてくれます。