三河 おもとを楽しむ会 2019年4月20、21日

 春 農遊館の展示会 愛知県岡崎市

基本情報

三河 おもとを楽しむ会

日時 2019年4月20日(土) 21日  (日)

展覧時間 午前9時~午後5時  21日は3時まで

場所 おかざき農遊館 展示室

愛知県岡崎市阿知和町字乗越12番地

電話 0564-46-4700

事務局 豊明園 0564-51-4714

春の大会は誰でも出品できる自由な大会を目指して、三河おもと同好会が主催しています。今回は、同好会の皆さんの『江戸熱』にあてられて、『江戸万年青』も一つの柱として出品していただきました。東京オリンピックを来年に控え、日本の良き伝統園芸を見直すきっかけになれば面白いですね。

CBCテレビ

CBCテレビが取材に来てくださいました。ニュースでは写真の徳川家康公の永島など多くの品種を取り上げてもらいました。

出品作品 pick up!

福包 ホヤ

福包(ふくづつみ)

江戸時代、愛知県豊橋市の殿様が自ら作出した福包を火屋(ほや)を付けて。江戸時代や明治時代の書物には火屋をつけた古典園芸植物が載っていますね。そんな江戸趣味を垣間見れる面白い展示。

株立ちで育てると育てやすい

 

海龍獅子(かいりゅうじし)

鴨田町 酒部市郎

昨年葉が龍の角のように立ち上がり、海龍獅子の名のごとく力強い姿を見せています。今年の作でより葉重ねをみせて秋の大会出品を待っています。

 

初笑(はつわらい)

葉の裏に逆鉾や筒、裏龍などの芸をみせることで、独特の立ち姿をみせる。この裏芸は江戸時代からあった。美しい縞柄と植物の珍奇な芸が合わさり魅力たっぷり。

 

富士の雪(ふじのゆき)

江戸時代からの人気品種。富士山の雪に見立てた白い虎柄が美しく、清々しい富士の景色を呼び起こすよう。緑は濃く、丁寧でしっかりとした作に驚かされます。

神原実生

神原実生

加茂川、嶺雲と同じ時期に作出されたといわれる神原実生。今では数は非常に少なくなっており、入手が難しくなっています。特に深い紺性と力強い龍、深い覆輪と素直な姿は特徴的です。神原さんの曾孫にあたる方がなんとかコレクションしようと頑張っています。

 

豊明楽(ほうめいらく)

豊明楽は今ではまず見ない、超レアなおもと。大型の羅紗でおおらかな姿、素直な芸。大きさがあるので初心者の人に好評でした。江戸情緒のある六角陶器鉢に植えて。

 

学松(がくしょう)

 学松の斑変わり。作出されてからある程度の年月が経つと、千代田系などの斑は良いもの、そうでないものに分かれていきます。千代田斑が変化して、真っ白な斑に変わっていくその瞬間。木自体は羅紗と同じように堅く作ってあるので、「学松」という太陽型の千代田を羅紗のように小型に詰めた作りになり、芸も良い。

 

永島(ながしま)

言わずとしれた徳川家康公が江戸城入城の際に自ら持ち込み、床の間に飾ったといわれる伝説のおもと。縁起の良い万年青を最初に持ち込むことで、万年の繁栄、太平を願った。江戸万年青代表格であり、超希少。江戸おもとらしい姿と斑の美しさで、品格を示している。

寿円(じゅえん 壽圓)

羅紗獅子の代表品種。羅紗と変わらぬ厚い葉が巻く様は、鉄の板をぐっと巻いているような力強さを感じる。深い覆輪は襟立ち、龍などの芸を合いまって華やか。葉は葉先に向けて広くなり、先で尖る独特の形。時に見せる剣葉が単純な獅子ではないことを気づかせてくれ、魅力になっています。

 

龍鉾(たつほこ)

江戸時代の資料には多くの珍奇萬年青が登場する。特に裏芸系統は多く、阿蘭陀(おらんだ)という万年青はこの木に非常に良く似ている。長寿芸と言われる裏雅糸竜、逆鉾や筒、裏龍を現し、裏芸の宝庫のような品種。まだ数のない希少品。

 

盧山(ろざん)

盧山

古鉢に植えて。深みのある黒と羅紗の気品があう。がっちりと日作りで作られた羅紗の厳かさのある木。幅広の葉に総雅糸竜が昇り、見るものに感銘を与える。愛知産の生水苔の青とも合い、品のあるおもと。

 

四君子(しくんし)

獅子の王者。まだ本芸がでるには若いが、深い覆輪、高い甲竜をみせ、豪快な角巻きをみせる。巻きが良いので綺麗にまとまり、濃い緑の葉と覆輪のコントラストで品よく見せている。一作した後の、今年の秋の姿を是非見てみたい。

 

姫牡丹(ひめぼたん)

姫牡丹

矢筈柄(矢羽根のような白い柄)をしっかりと引き出し、子供もで賑やかな姿。昨年の葉から葉巾も広く大きくなり、作が上がっています。勝ち虫のトンボ柄の錦鉢ともぴったり。

 

大納言(だいなごん)

大納言は現在少なくなってきた品種の一つ。姿の整った十二単のような葉に繊細な雅糸竜をみせ、目が覚めるよう。「大黒殿」と同じく、美しい襟組み、特に首元の美しさを見てほしい。

 

大黒殿(だいこくでん)

大黒殿は名前の縁起の良さから、今、引越しおもとで大人気の万年青です。丈夫で子も出やすく株立ちになりやすい。十二単のような姿の美しさはすべての人に愛されます。葉重ねよい上作。

力和(りきわ)

力和の縞。力和の丸葉に美しい縞柄がよく映える。熨斗葉、独特の雅糸竜に縞が入り、覆輪の力和とは全く違った趣になる。七々子柄の錦鉢と火屋で雰囲気を楽しみながら。

 

還城楽(かんじょうらく げんじょうらく)

還城楽の縞。非常に古いおもと。竹を鉢にして。自由な、このおもとを楽しむ会では、鉢で遊ぶ方も多いです。特にこの方はもう何年もここで新作を発表されています。万年青の好みも自作の竹鉢に合うかどうか、という選び方。万年青の楽しみ方は人それぞれ。皆さんが楽しく万年青で遊んでいます。

 

 

羅紗逆鉾(らしゃさかほこ) 逆鉾羅紗とも

裏芸の逆鉾芸をもつ羅紗。独特の裏芸をみせるので、姿も面白い姿を見せてくれます。子も上がりやすい。深い紺性と糸覆輪が味わい深い。万年青を始めてまだ間もないですが、勘所がよいので上手に増やされます。

長楽殿(ちょうらくでん)

大正初期作出の非常に古い羅紗。中~大型になり、他では味わえない鈴虫剣(鈴虫のしっぽのような芸)や多芸だからこその面白い葉姿を見せてくれる。上手に特徴を引き出した良い作。

 

凱旋(がいせん)

凱旋は大葉の人気トップの木。数が少なく、5~10年前の価格から3~5倍の価格になった特に人気が集中している木。数は少なく、人気は高いのでまだ上がりそう。

豊田市で非常に丁寧に万年青を愛して作られています。スパルタ作りでも有名ですが、それでも葉先まで綺麗に育てて凱旋の勢いや九州の男気を感じさせる。

 

 

羅紗葉の厚い葉の丸葉に鮮明な千代田斑をのせぞくぞくするような芸を見せる。紺覆輪は深く、千代田斑とのコントラストでより美しくみせる。

千代田実生

中型の大きさに深い紺覆輪、鮮明な千代田斑をみせる将来有望な実生。雅糸竜もみせ、芸の面白さは充分。錦鉢の鶴の様に羽を広げた姿の千代田はこれから多くの人から引き合いが来る。

趣味の山野草8月号に掲載されました。三河おもとを楽しむ会

 

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