オモトの分類について ユリ科? スズラン科? キジカクシ科?

オモトは現在キジカクシ科(アスパラガス科)

今までの本にはユリ科やスズラン科として分類されていましたが、

現在キジカクシ科(アスパラガス科)に分類されています。

愛知県名古屋市 熱田神宮そば 鰻の蓬莱軒にて

見た目の特徴ではアスパラガスとの共通点は見当たらないが、進化の過程で分かれてきたと思うと面白い

オモトは従来は「ユリ科」

オモトの科は、従来の植物学では「ユリ科」に分類されていましたが、15年春、「日本花名鑑刊行会」が発行された『日本花名鑑③』では、「スズラン科」に属するということになっています。最新の栃の葉書房山野草図鑑~~では「キジカクシ科」に分類されています。

なぜこのように私たちが愛してやまないおもとの科がころころ変わってしまうのでしょうか?

地中海東部原産のアスパラガス。和名はオランダキジカクシ

 

ユリ科について

ユリ科という科はもともととても雑多なくくりで、「単子葉類(種からの葉が双葉(2枚葉)でなく、1枚葉ででるもの)の中で、一般的に、花被片は、外片3個、内片3個、計6個の花弁状の披片を持ち、6本の雄蕊子房上位などの特徴を持つもの」となっており、これはほとんど単子葉植物の基本です。そのため、非常に多くの属・種を含むグループで、人為的分類群であり、はっきり分からないものをここに分類していました。そういったことから、ユリ科の分類は、学者の間でも議論が長くありました。そのため、分類体系が新しくなるに従い、ユリ科の中の植物は大きくグループが変わりました。

今までの分類について

今までの分類は、主に花や葉の形など、人が直感的に分かる分類をしていましたので分かり易く、今でも、教科書や市販の植物図鑑等でよく使われます。古くから学説が変わり、その目の付けどころで、科や属などが少しづつ変わっていくことがありました。

今の分類について

1990年代以降、DNA解析によってどの種とどの種がどこで分かれて進化したのかが分かるようになり、今までの見た目の分類から、DNAを元にした分類に変わっていきました。このため、おもとはユリ科に属していたものが、スズラン科、そして、キジカクシ科(現在の科)へと変わっていったのでした。

植物の分類体系では、国、県、市、町、村、番地と同じように、大きな順に、「門」「綱」「目」「科」「属」「種」(オモトの分類を参照)という割り振りがきめられていますが、ユリ科は「科」だけでなく、その上の「目」まで変化しています。多くの植物の趣味人にとってユリ科の大改革とも解体ともいっていいほどの衝撃でした。

オモトの分類

遺伝子(DNA)分類の(APG III)を元にして

: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: キジカクシ科 Asparagaceae
亜科 : スズラン亜科 Nolinoideae
: オモト属 Rohdea
: オモト R. japonica
学名
Rohdea japonica (Thunb.) Roth

 

キジカクシ科って何?

今回オモトが属するキジカクシ科は、クサスギカズラ科、アスパラガス科とも呼ばれ、かつてはユリ科に含められていた300種ほどの科です。分類の変更で、旧ユリ科から、オモト属だけでなく、ハラン属、スズラン属、ギボウシ属、ヒアシンス属など多くの属が編入され、多くの人がまだまだ慣れない分類になっています。

DNAで分類ができるようになり、ユリ科からキジカクシ科に変わったオモトだけでなく、園芸界に大きな衝撃がありましたが、新しい視点として今までの分類と比較していくのも面白いですね。

APGⅡでは別科とされていたが、Ⅲで同科とされた植物(一例)

ギボウシ類

ユリ科→リュウゼツラン科(APGⅡ)→キジカクシ科(APGⅢ)

ジャノヒゲ

ユリ科→スズラン科(APGⅡ)→キジカクシ科(APGⅢ)

ツルボ

ユリ科→ヒヤシンス科(APGⅡ)→キジカクシ科(APGⅢ)

世界の植物園ではAPGⅡでもきちんと分類されている、ということでAPGⅡで分類している植物園(エディンバラ植物園など)も

分類 (APGⅢ)とは?

APG (Angiosperm Phylogeny Group 被子植物系統グループ) とは、植物を葉の形などの見た目で分類をするのではなく、DNAを解析して分類していく植物学者の団体である。「APG分類体系」とも呼ばれ、1998年に登場し、2回改訂されているのでAPGⅢ。最新の分類法とされていて、この分類法に従い、オモトはユリ科からキジカクシ科に変更した。