真夏は生長期?休眠期? 二代目、三代目、四代目の水やり 60年の変化

こんにちは、万年青の豊明園です。

今日は、真夏は休眠期なのか、生長期なのか?二代目から四代目の夏の水やりの変化について、ご紹介します。

二代目の水やり 60年前の水やり

万年青の豊明園 今から60年前の二代目の時代、真夏でも30℃を超えると新聞に載るくらいで、今思うと天国のような涼しさですね。

そうなので、夏の水やりは朝晩としっかりと水やりをしていました。時には、今では絶対にやってはいけないといわれる真昼間にも振り水をして、根が乾燥しないようにしていました。

それは、真夏も万年青は生長期で、根も葉もどんどん伸びていたからです。そういった生長期には、水を切らすと生長が止まるので、欲しがれば、欲しがるだけ水を上げれば、どんどん成長します。

この気温は、現代の春や秋の万年青の生長期にあたりますので、現在も25-30℃の生長期にはしっかりと水をやっています。

三代目の水やり 30年前の水やり

夏の気温がだんだんと上がってきます。真夏で35℃を超えるとニュースで騒がれます。だいぶ暑くなりました。

この時くらいから、真夏に休眠する、高温で水を欲しがらない万年青が出だします。それでも、夏に休眠する、という発想がないので、昔からの水やりを続けて、夏に水が多くて枯らすものが出てきます。ここから、三代目は今までの水やりでは対応できないとして、表面の苔を取ったり、表土を富士砂にして水持ちを目で見えるようにして、夏の水やりのベストを探っていきます。

真夏に水が多いと根腐れするものが出ることから、私の父、豊明園三代目の時代から、夏の水やりを控えるようになりました。朝晩の水やりはやめて、一日に1回の水やりに変ってきました。また、それまでは万年青の用土は矢作砂という花崗岩で植えるのが常識でしたが、だんだんと軽石などもう少し水持ちの多い混合砂に変え、水やりの頻度が減っていきます。

四代目の水やり 現在の水やり

現在、真夏は40℃を超えるようになってきました。外棚や特にハウスやコンクリートの上では真夏の40℃超えは当たり前です。

そんな現在、私たちは真夏でも2日から5日に1回の水やりになっています。3代目の経験から、夏の休眠という考えも一般的になり、暑すぎると生長が止まり、水を欲しがらないことが良くわかってきました。この夏の休眠という考え方は、バラや他の植物でも35℃を超えると同じように成長が止まるそうです。

 

二代目から四代目の60年の水やりの変化

私たち万年青の豊明園は、初代から120年以上万年青作りをしていますが、今見ていただいたように水やりが大きく変化しています。

大きく変わったのが、2代目のころの、夏場が生長期ど真ん中で、どんどん水を上げていたころから、

現代の夏場に休眠期になり、万年青が必要最低限の水しか吸わなくなったということです。

また、場所によってはその休眠期(気温が35度を超える期間)が1週間なのか、2月弱なのか、という違いがあります。逆に、北海道や東北では、真夏が一番の生長期となっている場所もあります。

 

私たちの愛知県岡崎市では、朝昼晩の水やりから、2~5日に1回の水やりになるのですから、大きな変化です。古い万年青の参考書にはもしかすると60年前や30年前の水やりの方法が書いてあるので、注意が必要です。

まとめ

・60年前は真夏も生長期。朝昼晩と万年青に水をかけていました。

・現在、真夏は40℃になります。35℃を超えると休眠期に入るものがあり、真夏に水を欲しがらない万年青が多くなってきました。私たちは2~5日に1回の水やりにしています。

・夏場、生長期なのか、休眠期なのかを万年青の生長をみて判断して、休眠期の水のやり過ぎに注意しましょう。

 

気温の変化と夏の休眠

岡崎の年平均気温 最高 最低

1979-1993 19.57 10.49

1994-2007 20.45 10.95

2008-2019 20.75 10.78

年平均気温が2℃上がると、例えば、東京のケヤキ並木が鹿児島の南国風ヤシ並木に変ってしまうといわれています。それだけ、年平均気温というのは1℃変わるだけで住んでいる環境が大きく変わってしまう、緯度で考えると南国になっていく、という意味です。

私の祖父、万年青の豊明園の二代目が全盛期だったころ、岡崎の年平均気温は19.57℃でした。そこから、現在の平均気温は20.75℃となり、1℃以上(1.18℃)気温が上がっています。そうしますと、管理はガラッと変わっていきます。