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ワラ灰 灰汁(アク)水について
アク水用ワラ灰10gセット 販売しています。いくつか量に種類あり
私たちは実際に、おもとの栽培にワラ灰を使っています。月に2~5回ほどワラ灰を溶かした上澄み、灰汁水をやっています。
万年青の生長にワラ灰がよいときくけど実際どうなの?にお答えします。
花咲か爺さんも愛用していた?
豊明園の桜
花咲か爺さん(はなさかじいさん)の話は皆さんご存じの通り、可愛がっていたポチのお陰で、正直爺さんがお金持ちになる話です。実はこの話は、灰で植物が元気になる(枯れたと思っていた桜が花を咲かせるようになる)という植物の知恵を後世に伝える話でもあると思うのです。
灰は即効性のある肥料で、特に有名なのは焼き畑農業。草木を焼いた後は植物がぐんぐん育つのを利用した古代の知恵ですが、灰が即効性のある肥料であることを見抜いていました。また、灰の肥料分は水ですぐに流れてしまうので、焼き畑農業でも数年で違う場所へ移ります。これも灰のカリ分を含めた栄養素がなくなりやすく、定期的に灰を補ってやらないといけないことを示しています。
灰の効能 昔の人は常に、いたるところで灰を使っていた
すべての人が竈(かまど)でご飯を食べていた時代は、灰はとても身近なものでした。ワラビなどのアク抜きにも使われる灰は、古くから様々な用途で使われています。着物の染物や、陶芸にも使われ、灰かぶりのシンデレラは灰を石鹸として使っていました。江戸時代にも灰汁桶というものを用いて、灰を溶かした水で洗濯をして、灰汁洗いといって木造住宅の汚れまで落としていたようです。
農薬がなかったころ、アブラムシなどの害虫や病原菌の殺菌にも灰を用いていました。江戸時代の1697年(元禄10年)の「農業全書」には、灰がなければ、そばと大麦を播いてはならない、とまでいわれ、ことに小麦には灰肥が最もよい。麦の肌肥に混ぜて入れれば、寒さを防ぎ、生育もよくかんも堅くしっかりしていて倒伏することはがない。と灰の効能を紹介しています。
※「農業全書」 著者は宮崎安貞。京都遊学の際、農業に詳しい儒学者の貝原益軒と出会い、農業について学んだことがきっかけで、その後は自ら希望して農業に従事することを決めた。やがて安貞は、大蔵永常(おおくら・ながつね)、佐藤信淵(さとう・のぶひろ)とともに江戸時代の三大農学者と呼ばれるまでになった。安貞は農耕のかたわら農業技術の改良に努め、全国各地を回って経験豊富な老農からノウハウの聞き取り調査を行いました。その40年の知見、自分の経験をまとめたものがこの「農業全書」。
・第1巻 農事総論
・第2巻 五穀之類
・第3、4巻 菜之類
・第5巻 山野菜之類
・第6巻 三草之類(ワタ、藍(あい)、タバコなど工芸作物)
・第7巻 四木之類(茶、漆、楮(こうぞ)、桑)
・第8巻 果木之類
・第9巻 諸木之類
・第10巻 生類(しょうるい)養法(家畜、家禽(かきん)、養魚)・薬種類
・第11巻 附録(農民の心得)
なぜワラ灰が必要なのか?
万年青(植物)の必須三要素 N窒素 Pリン酸 Kカリ
万年青の肥料は有機肥料が主流ですが油粕と骨粉主体の肥料は肥料の必須三要素の内、カリ分が不足気味になってしまいます。 また、カリ分は水に溶けやすく、一番に流亡(水やりで流れて鉢から出て行ってしまう)しますので定期的に補う必要があり、昔からワラ灰を水に溶いたものを液肥として用いてきました。
カリが不足することにより、根落ちや古葉から発症する欠乏症や病気に弱くなるなど様々な障害が起きると言われています。 ワラ灰を使うことにより不足しがちなカリ分を補給して根腐れを防ぎ、万年青に活力を与えましょう。
また、ワラ灰をやることで芋が堅くしまります。芋吹きをされる方は是非やってください。芋吹きの成功率が上がります。
灰の成分について K カリウム
カリウム(灰には炭酸カリウムが多く含まれる。)と石灰分を含む肥料になります。水溶性のカリウムが多く即効性があります。植物の有用元素といわれる珪酸(Si ケイ素)も多く含み、万年青の体質改善に有用です。
ワラ灰の肥料成分はカリ6%、石灰分2%程度
カリウム(炭酸カリウム(たんさんカリウム、Potassium carbonate)は、組成式K2CO3で表されるカリウムの炭酸塩である。陸上植物の灰に10 – 30%程度含まれる(それに水を加えたものが灰汁と呼ばれる)
他にも、もともとが植物だったものなので、微量要素も含みます。
日本では鎌倉時代より使用されています。焼き畑農業も草木を焼いた後の灰の栄養分K(カリウム)を使って育てる農業です。K分は流亡しやすいので、ある程度で場所を変え、また草木が生えたら戻ってくる循環型の農業です。
名作者さんはかなりの方がワラ灰をかけてK分を補給していますが、ワラ灰をかけなくても上手に育てている方はいらっしゃいます。
灰はアルカリ
灰はアルカリ性なので、普通の肥料や雨水で酸性に傾きやすい鉢内のアルカリ化に有効です。日本の土壌自体も酸性のものも多いです。酸性に傾くと、植物に必要な栄養素が吸収されにくくなり、根の生長障害や病気になることがあります。具体的には、酸性が強く(pH 5.5以下)なるとPリン、Kカリウム、S硫黄、Caカルシウム、Mgマグネシウム、Moモリブデンなどが吸収しにくくなります。逆にFe鉄は酸性でも吸収されます。
これらは程度問題なのでそこまで深く考えることではないですが、微量要素の欠乏症で葉の色などが悪くなっていたら、症状がでていたら、ワラ灰で酸性から中性にすることでいくつかの問題は解決します。
空気中の炭酸ガスが水に溶けることで酸性になり、ワラ灰のアルカリ性が中和されてしまうので、作り置きはおすすめしません。
pH 酸性 中性 アルカリ性と吸収できない肥料分については↓
ワラ灰の使い方
ワラ灰 簡単な使い方
ワラ灰のパック(袋)を入れて時間がたったところ
ワラ灰の10g入りのパックを10Lの水に入れたら、軽く揉んで30分ほど置きその上澄み液を使用します。この時、肌の弱い方はゴム手袋などをしてください。灰のアルカリで、肌を傷めることがあるかもしれません。回数は月に1度の割合又は夏季の時期に回数を多くします。
この上澄み液を如雨露ですくい、水やり代わりに水をやります。
成分は非常に水に溶けやすいので、一度使ったら水は使い切ってください。それでもパックの中には灰がまだ入っていると思うので、乾かしておいて中身がなくなるまで使い切ります。1回目が成分が一番いいです。
注意点 アルカリ性なので他の液肥、微量要素、竹酢液などとは混ぜずに使ってください。アルカリ性のワラ灰を使うことで酸性に傾きがちな鉢を中性に戻すことも目的の一つです。
濃い液が目など粘膜に入ったときはよく洗い流してください。
空気中の炭酸ガスが水に溶けることで酸性になり、ワラ灰のアルカリ性が中和されてしまうので、作り置きはおすすめしません。
紀元前2800年(約5000年前)にはすでに灰で汚れを良く落とすことは知られており、最初の石鹸は灰と獣脂と言われています。
どんな変化がある?
ワラ灰の効果は、酸性の用土の中和、カリ分の補給、芋腐れ予防ですが、これをやることでどんな変化があるのでしょうか?これはすぐにはわかりませんが、万年青の芋や、葉が堅くなっていきます。病気にも強くなります。肥料が多いと、例えば株分け、割り子をしたときに芋がぱきっといって割れません。肥料が少ない、ワラ灰が多いとバキッと健康的な音がします。多すぎると、万年青が凝る、といって、葉の伸びが悪く、つくつくの状態になってしまいます。
わら灰 使い方
ワラ灰の使い方 豊明園の場合
大きなパックを200L前後、風呂桶ほど水が入るカメにいれます。
そのままでも成分は出ますが、、
しっかりと揉んで、よく成分をだします。
ポンプでこの水をそのまま万年青に水やり代わりにかけます。昔はストッキングなどで灰を包んでいたため、灰の大きな粒がホースのハス口が詰まりましたが、今は詰まらずに使えます。
ワラ灰は最初の1回目に主成分が出てくるので1回目を大事に使いますが、1回ではまだパックの中に灰が残っています。
次回ワラ灰をやるときにもう一つ新しいパックを入れますが、1回目のパックも入れ、完全に灰がパックから空になるまで使い切ります。
なので、4回目にワラ灰をやるときは4つパックが浮いているような感じです。
わら灰の作り方
アク水用ワラ灰 10g入り×15袋 の紹介
豊明園 販売HPにて販売しております。使いやすい10g入りを15袋。現在は数量など変わっています。種類あり。
使う頻度は月に1~4回
10gのパックで、羅紗20-50鉢程度でしたらちょうど一年で使い切るか。暑さの厳しい場所、芋切りを良くされる方、万年青で傷みや失敗が多い方は1年で倍の2セットを使うぐらいがよいでしょう。人によっては毎日ワラ灰をやる方も。標準的な使い方をして、その後自分の棚に合った方法を見出してみてください。
いつがベストな時期?
人によっては毎日やっている、という名作者さんもいて、定説はないですが、豊明園では、一番夏にワラ灰をやった方がよいと考えています。春から初夏にかけて与えた肥料で、芋、根が緩む時期。しっかりとワラ灰をやることで芋根を締め、堅く健康体にしてくれます。
基本的には年中やっているのでいつがベスト、とも言えませんが、K分がとくに流亡しやすい三大栄養素ということを考えると、年中切らさずに与えるのが良いかと思います。豊明園では古くは冬の休眠期にも重点的にやっていました。これは春の芋切り前に芋を締め、芋吹きの成功率を上げることが一番の目的です。
◆アク水用ワラ灰10gセット 10g入り 10L
万年青の肥料は有機肥料が主流ですが油粕と骨粉主体の肥料は肥料の必須三要素の内、カリ分が不足気味になってしまいます。 また、カリ分は水に溶けやすく、一番に流亡しますので時々補う必要があり、昔からワラ灰を水に溶いたものを液肥として用いてきました。
カリが不足することにより、根落ちや古葉から発症する欠乏症や病気に弱くなるなど様々な障害が起きると言われています。 ワラ灰を使うことにより不足しがちなカリ分を補給して根腐れを防ぎ、万年青に活力を与えましょう。
ワラ灰はワラを焼いた物を暫く水に浸しその上澄みを如雨露で与えますがハス口(水が出る小さな穴)がワラ灰で詰まってしまうのが問題でした。 弊園の『アク水用ワラ灰』は目の細かいフィルターにワラ灰を完全密封しましたのでハス口が詰まりにくくなっており、使いやすく出来ております。
使用法
(10g入りは10Lに希釈すること、50g入りは50L) 1袋を所定の容量の水に入れ、袋が破れない程度に揉んで中の灰を水になじませて30分から半日ほど置き上澄み液を使い潅水してください。 一例として、春と秋の生長期に月に2度ほど与えるのをオススメします。人により年中使われる方も居られます。 ※注意事項 ※アルカリ性になりますのでその他液肥や農薬と混ぜずに単体でご使用ください。草木灰(アルカリ)と反応する化成肥料(硫安や酸性複合肥料等)が御座いますのでお使いの肥料の注意書きもよく御覧ください、置き肥は有機質肥料が安心です。 肌の弱い方はゴム手袋をご使用ください。冷暗所で保管してください。
●動画解説 【万年青の育て方】なぜワラ灰アク水を万年青にかけるのか?その理由と効果花咲か爺さんの灰、窒素リン酸カリ 植物三大栄養素 アルカリ性
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