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万年青は日本に自生している植物で、自然界では泥にかぶっていますが、その泥は病気の原因でもあります。地植えでしたら気になる方は苔、化粧砂利、バークなどを使ってもよいですね。愛好家の万年青は病気がつくと観賞価値を落とすので高棚にしたり、砂利、瓦などで泥よけをした方がよいでしょう。
万年青はなぜ高い棚に置くのか?
趣味者、愛好家の万年青のお棚は多くは50センチ以上、地面から高くにお棚を作ります。それは、腰をかがめなくてよい、水やりなどの作業がしやすい、なめくじなど虫が寄ってきにくいといったことだけでなく、泥はねとも関係しています。
50cmは高くして、泥はね、なめくじなどから守っています。あまり繁茂しすぎるのもよくないですが、シダなどで雨の泥はねを防ぐのも一手。金枠も、ナメクジなど虫が寄りにくいです。
50cm跳ねる泥と病気
昭和の時代以前の、古くは、コンクリート張りのところで万年青を楽しむ人は少なく、ご自分のお庭の一角にお棚を作り、万年青を楽しんでいました。地面は土なので、特に大雨がふると30~50cmも泥が跳ね、低い場所で作っていた万年青にその泥が跳ねます。泥や土には無数の微生物がいて、その中の病原菌が万年青に病気をもたらします。様々なお棚がありますが、明らかに泥が付きやすいお棚は、病気が発生しやすいですし、予防の農薬の回数、頻度も増えます。
私たち豊明園の対策
私たちは、まず50cm以上高くして万年青を育てています。また、地面に近い万年青の周りは、大粒、小粒の砂利や瓦、農業用シートを引くことで、大雨でも泥が万年青にかからないようにしています。
お棚の下に瓦、砂利を置くことで泥を跳ねなくしている。
地植えの万年青はどうするか?
地植えの万年青では泥が確実につくので対策は難しいです。ですが、自生地をみてみると、林床に万年青は植わっています。万年青の周りは意外と枯れ葉があり、泥はねしにくくなっています。湿度のある場所で、苔などと一緒に植わっていれば、泥はねは少ないです。日本庭園には、石の脇や木の根元に植えられることがありますが、それですと多少は泥がかぶりにくいです。
愛好家の万年青のように、万年青の周りだけ苔や化粧砂利を置いたり、庭の雰囲気を壊さなければバークなどを置いたりしてもよいでしょう。
ここは遠く、アメリカの貴族の庭の万年青。常緑の木の林床に植えられ、落ち葉が周りに落ち、泥はねが効果的に抑えられている。
自然の中の万年青。こちらも落ち葉が根本にたまり、泥よけになっています。
こちらは、淡路島の諭鶴羽神社(ゆずるはじんじゃ)の自生地。神域なので、自由に万年青が生長しています。杉の葉がやはり泥はね防止に役立っています。
お客様の作られたお庭に万年青。左の石の根付として配した万年青。素晴らしい砂子斑の阿賀野川です。湿度もある土地柄なので、右はこれから苔がきて、泥はね防止になってくれるでしょう。
●動画解説【万年青の育て方】泥はねが病気の元に 愛好家の万年青、地植え万年青の対策
高い棚、苔、化粧砂、バーク、落ち葉 自生地を参考に【万年青の豊明園】【How to Prevent MUD Splashes】
まとめ
基本的に万年青は日本に自生している、丈夫な植物。泥に神経質になることはありませんが、自生地では落ち葉が自然と泥はね防止になっていましたね。愛好家の万年青は病気がつくと観賞価値を落とすので高棚にしたりと多少は気を使いますが、地植えでしたら気になる方は苔、化粧砂利、バークなどを使ってもいいですね。