徳川家康公が最後に造らせた久能山東照宮 おもと彫刻
おもとは中国では4000年前から、日本でも少なくとも1000年前から家庭の医学の薬草として、日本人になくてはならないものでした。
古代の日本人にとって、おもとの耐寒性は特に目立った特徴で、寒さの厳しい冬でも常緑で万年、青々と緑を保つおもとは、万年青と書かれるようになりました。
万年青の常緑という特徴から、長寿や、永遠に続く繁栄といった花言葉に繋がり、長寿を祝い、結婚やお正月などお祝いにぴったりの植物になりました。
それに加えて、薬草という側面から、引っ越しの際、新居にもっていく風習が古くからあり、徳川家康公も江戸城入城の際、真っ先に万年青を入れたという故事にも伝えられます。
植物のありのままを表現するいけばなでも、そんな万年青の特徴を反映して、お正月、結婚、長寿の祝いに飾られます。
おもとは、これらを全部ひっくるめて、縁起の良い植物、幸運の植物と呼ばれています。