草木錦葉集と万年青

『草木錦葉集』  豊明園所蔵のおもとの文献
文政12年(1829)年 
江戸四谷に住んだいた幕臣水野忠暁が編集した本

『草木錦葉集』  (世界に誇る斑入植物図譜) 全7冊

文政12年(1829)刊水野忠暁(ただとし)著
著者の忠暁は幕府旗本。 草木の培養に長け斑葉植物を集大成した本書を著した。
1031種、すべて図入り 絵は大岡雲峯と関根雲停。

 

世界的にも珍しい斑入植物のみの植物図譜

江戸時代の園芸の盛んなころから様々な文献に載ってきます。文政十二年(一八二九)幕府旗本水野忠暁が見た萬年青、斑入品を中心に奇品約1千品を掲載しています。その中におもとの類二十三品、おもとふくりん並別布の類四品、おもと変り実の類三品、おもと上方にある品二十二品をあげ、三八品種のおもとを図説している。(大岡雲峯・関根雲停画)

 

水野忠暁

おもとの類二十三品、おもとふくりん並別布の類四品、おもと変り実の類三品、おもと上方にある品二十二品をあげ、三八品種のおもとを図説している。

『ふくりん小おもと』

1853年 小万年青高価をにて売買を禁ず と幕府の禁令がでています。

世界的にも珍しい斑入植物のみの植物図譜。編者の水野忠暁(忠敬とも) の珍稀植物のコレクター

家康ゆかりの「永島」  永縞布引
家康公が持ち込んだとされる伝説のおもとが「永島」です。
持ち込んだおもとの培養を臣下の永島某に任せたので、おもとを「永島」と呼ぶようになった、「永島」というのは「ジャンル」のようなものであるなど諸説があります、古い文献から「永島」についていくつかの情報が得られます。

永縞布引(ながしまぬのひき)
本種は、『草木奇品家雅見』巻之上に見える「ぬのひきおもと」のことであって、「永嶋出奇品」の一つに数えられる。「永嶋」は。「永島」におなじで、やはり、『草木奇品家雅見』に詳しく見える。本書。「永縞」とあるのは、。「永島」から出た「縞オモト」を巧みに語呂合わせしたものにほかならない。本品は、園芸種としては存在しないが、。「永島」というオモトは存在し、「都の城」「古今輪」などと共に最も古いものの一つです。
昭和52年発行草木錦葉集・解説より

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永縞布引(ながしまぬのひき)
○草の部
○おもとの類・万年青二十三品
・う三ノ末四又ハ八・極陰・植土又は手入れ、虫等の事は長々しき故、友に略す。七巻目手入れの部にあり。

 

永縞布引(ながしまぬのひき)
葉はほそく、立葉にて長し。葉先に少し、つゆうけの如く、丸味あり。根元細く葉うねりなし。地の色黒く光、繻子の如く、布の芽出しより極白に出る。此品の真物、近年至って少なし。大橋所持の真鶴おもとを見合すべし。

 

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「永島」ながしま
江戸時代より続くおもと。美しい白い斑に濃緑色の縦縞を見せます中立ち葉性。
子出の良い品種 希少品種。肥料・採光を加減して作る。半日陰

 

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「永島」ながしま
家康公が江戸城に入るとき、おもとを床の間に飾り入城したという古事にでてくる伝説のおもと。

豊明園歴史資料より