万年青の銘鑑について
万年青の番付表です。新しいもの、古いものの品種が載っていて、金文字の全盛稀貴品が四隅と真ん中上下に、上段から別格稀貴品、別格新進稀貴品、別格貴品、貴品、左端に新登録があります。
金文字の位置にある全盛稀貴品は数もある程度多くなり、人気が定まっている品種。相場も落ち着き、品種として質の高いものが収まります。品種としての格が高く、古くは万年青界の横綱としてトップを取っていた品種も多く、初心者さんはここから始めれば間違いない、とも言われています。
また、初めての人が品種を選ぶのに目安になるのが三本柱。金文字ではさまれた三本の柱も、もとは金文字だった品種、横綱だった品種があり、品種としての質が非常に高い万年青です。
上段の別格稀貴品の東西のトップにいるのは、それぞれの顔役のような萬年青。薄葉ですと山雅の松、太陽、羅紗では寿冠、楼蘭、大葉は千代田城、聖光都の図と各界を代表する萬年青です。また、金額が一番高いこともあります。
下段にいくと文字が小さくなり、たいしたことないのかな、と思われるかもしれませんが、ところがどっこい。古く、ある程度数が殖えた物、古くは人気だったものが、新進ものが新登録されるに従い下がってきました。意外とこちらに質が高く、その割に価格は相対的に安く、良いものが揃っています。私たちは金文字と並んでこちらも初めての人に胸を張って紹介する萬年青がたくさんあります。
最下段の東西の左隅、こちらはその世界で初心者に一番愛されている万年青が揃います。羅紗ではお多福と黄金錦、大葉では都の城、千代田都、薄葉では玉雀、一文字とどれも最初の一鉢にぴったりの、各界で一番丈夫な万年青が揃っています。
右下、枠の外に、【是に漏れたるは後編に出す】とあり、この銘鑑が品種のすべてでないことを断ってあります。その漏れた中に輝く原石がたくさんあります。平成になり、新登録を登録する方が増え、多くの品種が隠れてしまいました。そんなこの銘鑑に載っていないものを楽しむのも万年青文化ですね。
令和3年・2021年 萬年青銘鑑
大葉萬年青銘鑑
羅紗萬年青銘鑑
薄葉萬年青銘鑑
萬年青の相撲字
都獅子(みやこじし) 江戸時代の銘鑑 番付 安政5年
おもとの苗、親、棚入れについて