雪中の松 (せっちゅうのまつ) Setchunomatsu

分類    大葉系統   中型
作出年代 不明
登録    昭和44年
作出者   古くから東北地方にあつた由。
命名者   昭和15年水野淳治郎(豊明園初代)命名。
登録者   日本萬年青連合会

葉長30㎝・葉幅6㎝内外の大葉系の中型種。古くから愛されてきた、大衆向きの品種だったが、近年特に図性の良い系統が現れ、高値で取引され業界を騒がせたことは記憶に新しい、現在は図性の良いものが取引される。濃緑色の中立ち葉に雪白の図はコントラストが鮮やかで万人の目を引き付ける。性質は強健で採光は朝日を充分採り、その後はやや弱めにする。施肥は多め、繁殖はとても良い。また実付きも良く、露地植えでも良く育ちます。

 

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雪中の松(せっちゅうのまつ)
濃紺緑色の葉に図柄をあらわします。淡い黄色い図は涼しくならないと白くなりません。8月2日
 

10月

図物好きは必ず持っているといわれるほど、図の良さが際立つ品種。非常に古くからある歴史のある木なので、良い系統、そうでない系統がありますが、その中でも良い系統が他の図物と比べ格段に手に入りやすいです。これも時代の流れがあるので変化します。濃紺、広い葉幅に雪白の図がのる品種で、葉の胴が少し膨らみ、葉先はややとがる。大葉の中では中型になります。子上げもよく、繁殖は株分けがほとんど。株立で楽しむことが多いですが、緑の地よりも図の方が多い木がでてくることもあり、そんな時は素立で楽しみたい気持ちもわかります。非常に丈夫なので安心しておススメできるおもとですが、直射日光が強いお棚ですと、春先の2~4月に昨年葉をやくことがあります。日はなるべく強く取りたいですが、寒風、強風の吹くその時期は直射の当てすぎに気を付けて。
 縁起の良いおもとなので、実も付きやすく、正月にぴったり。『雪中の松』という名前も素晴らしいです。図を雪に、濃紺の葉を松に見立て、雪の降る中、松がどっしりとたっているさまをイメージしたのでしょうか。名前にあったオモトは長く愛されます。
『雪中の松』濃緑色の葉に雪白の図を現す。株立ちになりやすい。
性質は強健で作りやすい、実付きも良く、露地植えにもよい品種です。
非常に古い木で、一番古くは江戸時代という説もあります。東北地方はアメリカ・ロングウッドガーデンと同じ緯度で非常に冬場寒くなる場所です。以前のおもとの本にはおもとの北限が福島県となっていましたので、話が食い違っているともいわれていました。今回(2018/03/07 )、ロングウッドガーデンで-25℃でもおもとはぴんぴんしていたので、まず東北地方に古くから自生していたことに間違いないと思います。東北地方は古くから非常におもとの盛んな場所です。武家文化が残っている場所が多く、徳川家康公や殿様がおもとを楽しんでいたので、おもと文化があります。また、船による貿易も盛んで、京都のおもと文化も残っている場所です。
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『雪中の松(せっちゅうのまつ)』 鉢15cm鉢
歴史の古い品種
豊明園初代が特徴がはっきりした初心者にもわかるおもとと大切にしたおもと
実も付きやすく、地植えにも向きます。地植えの場合はコンポストのような、
たい肥を元の土に混ぜて植えれば大丈夫です。環境は半日陰がベスト。
特にこの系統は全国大会に何度も入った全国大会常連の系統で、図の白さが違います。ここまでの図の白さ、冴えをみせるものは図ものの中でも珍しいでしょう。