万年青の植え替え 土か、軽石か、砂利か

万年青の植え替え 土か、軽石か、砂利か

万年青の用土の動画でも紹介しましたが、今回は植え替えの時にどの用土を選べばいいか?についてお話します。というのも、春や秋の植え替えのシーズンでは、万年青の豊明園さん、どの用土で植えかえた方がよいですか、という質問が毎日のようにくるからです。
まず結論にいきたいのですが、人によって2つの答えがあります。
趣味者さんは自分の用土で。初心者さんは今までと同じ用土で。

趣味の人は自分の用土で

おもとを趣味にしている人は、自分のお棚の用土で植え替えしましょう。
趣味にされている方は3鉢以上ある方が多いです。羅紗では畳一畳のベランダで200鉢ほどコレクションできますが、数が多いほど、鉢と用土を揃えた方が管理は楽です。涼しくなって水やりが減ってくると、この鉢は3日に1回の水やりだけど、この鉢たちは1週間に1回、ということもあります。用土が同じなら、すぐにわかります。用土や鉢がバラバラですと、いちいち考えなければならないので煩わしいです。
人によってはこの万年青は乾きやすいから鉢や用土を水持ちの良いものに、逆に乾きにくい万年青には水持ちの悪い砂利や楽鉢を使うなど考えられているかたもいらっしゃいます。
自分の管理がしやすい方法がよいでしょう。
三大稲荷の一つ、愛知県豊川市の豊川稲荷の万年青
他にも、私たちが寄贈した万年青も多く植えられています

初心者さんは今までと同じ用土で

家康がオモトを江戸城に3鉢持って入ったことで、引越し万年青を3鉢もっている、1鉢だけ親にもらったという方々もいるでしょう。植物を育てるのは万年青が初めての方もいらっしゃるかもしれません。そんな方は、今までと同じ用土で植えると管理が楽です。
土で植わっているものは土のままで、砂利で植えてあるものは砂利で、がよくできます。私達プロの植え替えの紹介では、軽石や砂利を使っているのでそれがオモトにとって一番良いと思われる方も多いですが、土で植えていたものを、砂利や軽石に替えるのは環境が違いすぎて、万年青が慣れる2年間ほど成長が悪くなります。土では水もよく持ち、水やりも少なく済んだものが、砂利や軽石では水やりは土よりしないといけません。砂利、軽石は肥料持ちも悪いので、肥料の効きも悪くなってしまいます。

では、なぜ砂利や軽石で植えるのか?

それでも私たちがオモトを砂利、軽石で植える理由は、3つあります。床の間など室内で鑑賞することもあるため虫をでにくくするため、芸を引き出すのに、よく乾かして厳しい環境にするため、肥料の効きが悪い用土で植えることで、万年青独特の厳しい美しさを引き出すためです。
虫予防、よく乾かして、肥料を少なくすることで万年青の良さを引き出すのに砂利や軽石が適しているためです。
万年青を大きくするのではなく、万年青独特の美意識、凝縮した美、を味わうためにしていますが、こちらは好みの問題なので、自分の万年青にあう用土で楽しんでください。
砂利で植えることで、独特の芸の深みが出る

まとめ

わかっていただけましたでしょうか?
まとめると、趣味の人は万年青の数もあるので、同じ用土、鉢で植えると管理は楽になります。
引越し万年青で、数があまりない人、植物を初めて育てる方は今までと同じ用土で育てた方が楽です。
土なら土、軽石なら軽石と用土を替えない方がよくできます。
愛知県熱田神宮のすぐ近く、あつた蓬莱軒 本店 入口の万年青
地植えならずっとそのままで大丈夫。殖え過ぎたら、大きくなった分を取り除いて他の場所に植える、家族やご友人に上げてください。万年青を人にあげるのは一番徳を積む。

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