おもとの耐寒性 USDA Hardiness zone: Zn6a 以上の耐寒性 平均最低気温-23.2 to–20.6℃ 北海道の釧路

冬は極寒 ロングウッドガーデンのおもと

Nippon Lily
Rohdea japonica
アメリカ、それも一番のガーデンと言われるロングウッドガーデンでおもとを発見しました!!
Lily family ユリ科 となっていますが、今はアスパラガス科になっていて、時代を感じます。
少なくとも1993年からありました。
ロングウッドガーデン 温室を外からみる、朝は雪がありました。
とても巨大な温室でバラの部屋、ランの部屋、熱帯やバナナ、ヤシ、盆栽など多くの種類の温室があります。
おもとは万年青と書き、その常緑が永遠に続くかのように栄えていったので、万年、青々と栄えるという意味で、万年青と書きます。
おもとの花言葉は
一番は冬でも常緑なことから
「永遠の繁栄 「長寿
そこから派生して、
「長寿」「崇高な精神」「長命」「母性の愛」「相続」
心をこめた贈り物に最適のおもと
ロングウッドガーデン
上の写真の左側がFountain Garden 噴水の庭 になっていて、この建物の彫刻から、前の庭で噴水をします。デュポンは若くから庭つくりを愛していましたが、科学や技術、芸術にも興味が深かったです。20才前後にフィラデルフィアでみた噴水ショーにみせられ、温室の中にも大小様々な噴水があります。
ロングウッドガーデン独特の噴水の庭を抜けると、木立になっていて、奥にとても美しい濃緑がみえます。

ロングウッドガーデンズ 万年青の群生

なんとおもとの群生が!!!
嬉しさで足がふるえました。遠くから見えていて、どきどきしながら近づいていきましたが、アメリカで一番嬉しい時です。

おもとの耐寒性

万年青の耐寒性 USDA Hardiness zone: Zn6a 以上の耐寒性

Zone6aは、平均最低気温-23.2 to–20.6℃ 北海道の釧路(くしろ)や長野といったイメージです イチョウ、アカマツ、クロマツ、山桜の北限よりももう少し強いくらいです。この耐寒性は、確実に-23℃でも大丈夫なことを保証してくれるものではないですが、一つの指標としてみてください。実際は、それまでの水やり、管理、用土、風当たりなど様々な影響がありますね。
この日は0~5度ほど。それでも濃緑のおもとの葉はつやつやとしていて、正月を祝う赤い実は真っ赤に色づきます。少し前の-20℃の寒波でもへっちゃらで、今までの寒さに強いという考えを改めて、寒さに非常に強い、とおもいました。
日本庭園と同じように、常緑の木の下におもとを植えたり、石の脇に植えてあるのをみて、面白いなと思いました。この写真のおもとは直接霜が当たる場所ですが、青々としています。この寒さでも元気に青い葉と赤い実を見せてくれるので、神聖で、天福の霊草といわれたのかもしれません。
石とおもとは石の永遠に変わらないことと、おもとの代々栄えながらも永遠にかわらないことを掛けている、非常に縁起の良い取り合わせです。

万年青の耐寒性を上げるには?

耐寒性、また、耐凍性をあげるには、寒くなるにつれて水を切っていくのが一番です。水が多いと、用土の中の水や、植物の中の水が凍り、植物を傷つけてしまいます。
また、植え替えも秋も深まった寒い時期に植え替えをすると、根がきちんと活着しておらず、耐寒性は極端に下がってしまいます。いつもならZone5でも超えられる万年青が、Zone7でも厳しくなっていくでしょう。寒くなる前に、しっかりと植え替えを済ませ、万年青の根自体がきちんと活着するようにしましょう。
このロングウッドガーデンズでもそうですが、常緑の木や軒下に植える、置くことで霜を避けるのも大切です。こちらは木が楽をするので、本当に寒い冬や、10年に一度の大寒波が来たときは、生き延びる、植物がサバイバルをするために大切なことです。
こちらは常緑の木の下で
実生でも増えているようで、いくつかこのグループの外にもおもとがありました。このグループは何種類か株が混ざっているようで、広葉のものと、細葉のもの、葉の長い短いがありました。
アウトドアガーデン 外の庭でこれほど大群落をつくっているのはおもとだけで、なぜこれほどまで愛されているのか、考えると、アメリカでも鹿害が非常に問題になっていて、植えたチューリップがすべて鹿に食べられたり、若木や他の植物が食べられたりと困っています。ハンターがわざわざ道をとめて狩りをする日があるぐらい、問題になっていますが、おもとは昔から薬にもなっていたように、毒をもっていますので、鹿はたべません。淡路島や広島の島でも鹿害のある場所ではおもとだけが残るということがありますが、鹿に食べられない、電気柵や高いフェンス、堀をつくる必要がないのは非常に楽で、ありがたいことです。
おもとの耐寒性
ついついおもとが可愛いので過保護にしがちですが、おもとは実は非常に寒さに強い植物です。
おもとを厳しく育てている方は、このように10センチ以上の雪にずっと埋まっていても大丈夫だとしっているでしょう。あまり寒さが厳しいと綺麗には育ちませんが、その分強く育ちます。昔、ハワイで育てれば年中育つので倍の速さでおもとが大きくなるといって育てた方がいましたが、なぜだか2-3年目くらいから調子が悪く、うまくいきませんでした。おもとは冬の寒さを必要としているのかもしれません。
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アメリカでは、-25℃の環境でも元気に育っています。温かいところに育てているおもとをいきなり-25℃の環境にしてはさすがにおもとも参ってしまいますが、ずっと外で管理していれば、おもとも環境に慣れて、寒さ、暑さに適応します。
万年青が万年、青々と常緑を保つのも、冬の寒さに強いからです。多くの植物が秋から冬にかけ葉を落とすのに対し、万年青は冬こそ青々と元気になります。
古代の日本人は寒さ厳しい冬に、青々とした常緑を保つ姿に神性をみて、生花では正月、祝いの花に、徳川家康公は引越しの縁起物に、万年青を使いました。
万年青の名もそこから来ています。
万年青が縁起物として重宝されるのと、耐寒性は切っても切れない間柄だったんですね。
常緑で耐寒性に優れるおもと。是非冬のお庭や野山でおもとを楽しんでみてください。
輝く赤い実
ありがたい
歴史を感じさせるおもとのラベル
Rohdea japonicaの文字が光ります
2018年2月7日 アメリカ研修にて